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オーストラリアの移民の歴史や移民政策の課題を解説

オーストラリアといえば多民族・多文化国家というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
日本人の居住者も多く、白人国家としては比較的身近な国かもしれません。

オーストラリアでは先住民のアボリジニや18世紀頃から移民してきたヨーロッパ人、第二次世界大戦後に移住したアジア人の文化が融合し、多民族・多文化国家を形成する国家として発展を続けています。
現在では、世界で暮らしやすい国ランキングで上位に入る人気の国となっています。

この記事では、オーストラリアの移民の歴史や移民政策の課題について解説します。

オーストラリアの移民の歴史

オーストラリアの移民の歴史

オーストラリアには元来アボリジニという先住民が住んでいましたが、16世紀初頭の大航海時代にポルトガル人が上陸しました。
この頃には西洋諸国の多くが当時のヨーロッパで貴重とされた香辛料を求めていましたが、オーストラリアには価値のある産物は発見されませんでした。

その後18世紀後半にイギリスが領有化を宣言し、イギリスがアメリカを喪失したことで、その後は流刑地として機能しました。

オーストラリアの移民の歴史は、19世紀半ばにオーストラリア東武のバサーストで金鉱山が発見されたことに始まります。
ゴールドラッシュ時代を迎えたオーストラリアには一攫千金を求めて、イギリスやアイルランド、フランス、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパ諸国や中国から大量の移民が押し寄せました。
これらの移民は独自の文化を持ち込み、それらは後のオーストラリアの文化形成に大きな貢献をしました。

このゴールドラッシュによって1850年代に40万人であった人口が、わずか10年後の1860年代には115万人に急増します。
ゴールドラッシュによって移住した人々は主にヨーロッパ人でしたが、人口が急増したことで白人の失業問題が深刻化したことで中国系の移民の排斥運動へと発展します。

オーストラリアは移民制限へと舵を切り、白人優越主義の「白豪主義」が高まっていきます。
しかし、第二次世界大戦に参戦したオーストラリアは太平洋で日本との戦争を経て、人口の減少に直面します。

その結果、経済成長のために再び移民の受入へと転換し、イギリスの力が弱まったことも合ってアジアや東欧、中東などから広く移民を受け入れました。
1958年にはアジア系移民の排斥が禁止され、1972年には移民制限が撤廃されます。

こうして白豪主義が終了し、先住民や移民を含めすべての人が平等である国家へと発展します。

現在では、オーストラリアは多民族による独特な文化形成が進んだ国家へと変貌を遂げました。

オーストラリア移民の人口

オーストラリア移民の人口

オーストラリア連邦統計局資料「オーストラリア2003年年鑑」によれば、オーストラリアの移民の主な出身国は以下のとおりです。

国名 一世人口 二世人口 合計
イギリス及びアイルランド 1,072.6 1,444.5 2,517.0
イタリア 238.2 333.9 572.1
ニュージーランド 291.4 200.0 491.4
旧ユーゴスラビア 175.4 131.3 306.7
ギリシャ 126.5 153.9 280.5
ドイツ 110.3 139.3 249.6
オランダ 87.9 142.5 230.4
ベトナム 151.1 46.8 197.8
中国 111.0 40.2 151.2

(単位:千人)

このようにオーストラリアは移民国家であり、人口の推移が移民の受入数と比例するという特徴があります。

オーストラリアの人口統計”Australian Bureau Statistics Year Book Australia”によれば、オーストラリアの人口は以下のように推移しています。

年代 人口(万人) 年代 人口(万人)
1858 100 1959 1,000
1877 200 1963 1,100
1889 300 1968 1,200
1905 400 1971 1,300
1918 500 1976 1,400
1925 600 1981 1,500
1939 700 2004 2,000
1949 800 2018 2,500
1955 900

毎年総人口の約1%に相当する移民を受け入れるという積極的な移民政策によって、戦後に700万人であったオーストラリアの人口は1959年に1,000万人を突破し、2004年には2,000万人に達します。

さらに2018年には2,500万人を突破し、近年の人口増加のうち移民の流入に因る増加分は全体の3分の2に達します。

これら移民の増加は、オーストラリアの経済成長や国際的な競争力の発展に寄与しています。
移民の多くは地方よりも大都市に流入する傾向にあり、オーストラリアの大都市は移民の増加によって人口が増加してきました。

シドニー 523万人
メルボルン 496万人
ブリスベン 246万人
バース 206万人
アデレード 135万人

このようにオーストラリアの5大都市圏に全人口の約6割が集中するのは、移民の増加によるところが大きいです。

オーストラリアの移民政策の課題

オーストラリアの移民政策の課題

比較的寛容な移民政策を採用してきたオーストラリアですが、移民政策に一切の課題がないというわけではありません。

オーストラリアが直面している移民政策上の問題について解説します。

イスラム教徒の排斥

アメリカやヨーロッパ諸国と同様に、オーストラリアではイスラム教徒に対する嫌悪感は増加しています。
2015年には反イスラムを掲げる排外主義組織 “Reclaim Australia” が、シドニーで大規模な反イスラムデモを実施しました。

また、ニュージーランドの都市クライストチャーチではイスラム教徒の惨殺事件が置きました。
これは同市にあるイスラム教の礼拝所であるモスクで、オーストラリア出身の男が銃を乱射し50人の移民や難民が死亡しました。

これらの反イスラム感情は「イスラム教は西洋の文明社会とは相容れない」という価値観に基づいています。

白豪主義

オーストラリアはかつての白豪主義から多民族国家へと変貌を遂げましたが、白豪主義が完全に消滅したわけではありません。
戦後はアジア系の移民が増加したことから、アジア系の移民に対する嫌悪感を抱いて差別的な態度をした事案があります。

例えば、2020年から世界的な蔓延が始まった新型コロナウイルス感染症に関連して、アジア系の住民に対して「中国人は帰れ」などという罵声を浴びせたり、アジア系住民が暴力事件に遭遇する事案が増えています。

シドニーのシンクタンク、ローウィー研究所によれば、アジア系住民の5人に1人が暴力や脅迫を受けたことがあるようです。

まとめ

以上、今回は移民国家であるオーストラリアについてご紹介しました。オーストラリアの移民事情について全く知らないという人も多いと思います。

移民が増えるにつれて起きる問題も多くなってしまうのが、どこの国も共通の課題ではありますが、その中でもオーストラリアは、冒頭でもお伝えしたように世界で暮らしやすい国ランキングで上位に入る人気の国となっています。

ぜひ、世界の移民問題について考える際には、オーストラリアの移民政策も参考にしてみてはいかがでしょうか。

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