誰しもが小さなインターネットを持ち、世界中のありとあらゆる情報にアクセスすることが出来るようになった現代。
パソコンやスマートフォンの台頭により、この世界は以前にも増して「情報」を持つものが何よりも強い存在になりつつあります。
そんな「情報」が、今問題になっていることをご存知でしょうか?
近年、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを通して、情報を持つ人と持たない人の情報格差が貧富の差につながっているといいます。
「デジタル・デバイド」とも呼ばれ、「国際間」「地域間」「個人・集団間」などの場面で不利益を被ることが問題視されているのです。
では、どのようにして「デジタル・デバイド」は起こりうるのでしょうか。具体的な例とともに、情報格差による貧富の差を紹介しましょう。
貧富の差につながる「デジタル・デバイド」の原因とは?
貧富の差につながる「デジタル・デバイド」の原因は一体なんでしょうか?
大きく3つに分けて紹介していきます。
学歴や収入による情報格差
まずは、学歴や収入による格差です。
一般的に学歴が高い人ほど多くの収入を持つのは、至って普通のこと。
収入が高ければ、スマートフォンやタブレットのなどのデバイスを手に入れるのは容易いでしょう。
新シリーズの発売ごとに、多くのデバイスを持つこともできます。
端末に触れる機会が多いほど、「情報」を持つ機会が増えるのは当然のことと言えます。
一方で、学歴が低く収入が少ない人は携帯端末やパソコンなどの情報機器をいくつも持つことはできません。
このように、学歴や収入による格差で「情報」に触れる機会に差が生じ、情報格差による貧富の差につながっていくのです。
地方の少子高齢化や過疎化による情報格差
少子高齢化や過疎化も貧富の差の原因と言われています。
地方では、高校卒業を機会に若者の多くは東京や大阪などの大都市に上京していきます。
地方の若者は年々減少傾向にあり、残るのは70歳を過ぎた高齢者ばかり。
過疎化にも拍車をかけ、町はどんどん廃れていくでしょう。
このような若者が減少し、高齢者が増加していく状況により、パソコンやスマートフォンなどの情報端末に触れる機会が失われ、貧富の差につながっていきます。
また、地方などの高齢者が多くいる場所は、インフラ整備が後回しにされやすいという状況もあり、情報機器に触れたくても触れられないケースも考えられるでしょう。
年齢による情報格差
年齢による情報格差も懸念されています。
2019年に総務省が出した「通信利用動向調査」によると、13〜69歳までのインターネット利用率は各段階において約9割を占めている一方、70歳以上は平均して約6割ほど。
前年の調査と比べると、60歳以上の高齢者の割合が高くなっている傾向はありますが、依然として70歳以上のインターネット利用率は低迷しているのが現状です。
高齢になるほど、インターネットを利用する機会が少ないことも情報格差の要因とされています。
貧富の差をもたらす「デジタル・デバイド」の具体例を紹介
ここまで、貧富の差につながる「デジタル・デバイド」について紹介してきました。
ここからは、情報格差における具体例を紹介していきましょう。
損をする可能性が高まる
「デジタル・デバイド」により、あらゆる損をする可能性が高まります。
身近なところでいえば、あなたと友人が近所のスーパーに買い物に行くとしましょう。
同じものを購入し、お会計をします。
しかし、友人はあなたと同じものを購入したのにも関わらず、その金額は友人の方が安いのです。
どうしてでしょうか?
それは、友人がスーパーのお買い得情報にアクセスして、クーポンをゲットしていたことが考えられます。
とても身近な例を紹介しましたが、これも情報格差による貧富の差といっていいでしょう。
それだけでなく、情報を知らなかったために高額な請求をされるという事件に巻き込まれる可能性も否定できません。
人材の流出
海外に人材が流出する恐れもあります。
情報格差による貧富の差により、ITスキルに明るい人は重宝され、どんどん出世していき、海外での仕事を任されることもあります。
その場合、国内にいるITスキルに富んだ人が減少し、海外との情報格差がどんどん開いていくでしょう。
これも立派な貧富の差につながっています。
発展途上国と先進国の格差
発展途上国と先進国による情報格差も、貧富の差につながっていると言えるでしょう。
発展途上国の人々は、スマートフォンやインターネットなどで情報を得る機会も少なめ。
生きるために毎日必死で働いている人々もたくさんいるからです。
そんな彼らと、今日食べるものすら選べる状況で生きている先進国に住む私たちの間には、情報格差によってテクノロジーや教育、観光、政治などにも大きな影響を及ぼします。
「デジタル・デバイド」によって、さまざまな場面で貧富の差が生じているのです。
まとめ
インターネットやスマートフォンの影響により、私たちはさまざまな情報格差の渦に取り込まれています。
学歴や収入、若者と高齢者、地方と都市部などの違いは、大きな貧富の差を生み出し続けていくでしょう。
あなたが持っているひとつのデバイスが、その火種になっているということを忘れずに、インターネットやスマートフォンを扱っていきたいものです。