エネルギーをみんなに そしてクリーンに

世界に遅れを取る日本の「脱炭素社会」に向けた4つの取り組みを解説

「脱炭素社会」という言葉を聞いたことがありますか?

日本では2020年10月、菅首相が所信表明演説で「脱炭素社会の実現を目指すこと」を宣言したことは、大きな話題になりました。

温室効果ガスの影響で地球温暖化が進み、気候変動などの影響が世界中で見られています脱炭素社会は、この地球温暖化の対策の一つで、日本だけではなく世界中が「脱炭素社会」の実現に向けて努力しています。

この記事では、脱炭素社会の意味や実現するための課題や日本の取り組みをご紹介します

脱炭素社会とは?

脱炭素社会とは?

 

「脱炭素社会」とは、地球温暖化の原因である温室効果ガスの実質的な排出量がゼロの社会です

「CO2の排出を完全にゼロにする」と考える方もいるかもしれませんが、それは違います。「実質的な排出量ゼロ」は排出量の削減と同時に、排出してしまったCO2を後から回収し、実質的にゼロにするという考え方です。

温室効果ガスは、化石燃料を使用した発電や、自動車・飛行機などでの移動、鉄鋼業など生活や産業のあらゆる場面で発生しています。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://mirasus.jp/sdgs/clean-energy/2006]

日本には脱炭素社会の実現は難しい?

日本には脱炭素社会の実現は難しい?

世界中が脱炭素社会への実現に向けて努力している中、日本は「脱炭素社会の実現」が難しいと言われています。

日本のCO2排出量は2019年で約12億トン。同年12月、スペインのマドリードで開かれたCOP25で日本は「化石賞」を受賞しましたこの賞は地球温暖化対策に前向きな姿勢を見せない国に、皮肉を込めて授与されます。日本はこの不名誉な賞を、過去に何度も受賞しています。

なぜ日本は脱炭素化社会への取り組みができていないと言われ流のでしょうか?それには大きく分けて3つの要因があります。

  • 化石燃料に頼っている
  • 鉄鋼業でのCO2排出
  • 物流の脱炭素化が遅かった

日本はエネルギー利用において、海外から輸入される石油・石炭・天然ガス(LGN)などの化石燃料に大きく頼っています。1973年度は94%だった化石燃料依存度は2010年の東日本大震災前までに81.2%と下がっていました。

しかし、大震災で原子力発電が停止されてから再び依存度はあがり、2018年度には85.5%となっています。国はCO2の排出量が比較的少ない原子力発電が欠かせないとしていますが、安全面や放射性廃棄物の処理などの問題も残ります。

参照元:経済産業省資源エネルギー庁 日本のエネルギー2020-エネルギーの今を知る10の質問-

日本のCO2排出量の部門別割合では、エネルギー転換についで産業部門が占めています。その割合は約25%と、全体の4分の1になります。その中でも鉄鋼業は排出量が多く、日本のCO2総排出量の1割以上を占めているとも言われています。日本の一大産業である鉄鋼は、製造時に大量のエネルギーや資源を使うため、鉄鋼業でのCO2削減には時間がかかりそうです。

参照元:国立研究開発法人国立環境研究所 温室効果ガスインベントリ

産業部門の次にCO2排出量の多い運輸部門。排出量は全体の2割を占めています。日本では電気自動車など次世代の補助金交付や物流の効率化が進められていますが、浸透力は弱く、まだまだ一般的ではありません。早くから車両の電動化や技術開発を行ってきた他の先進国と比較すると、日本は遅れをとっています。

脱炭素社会のために!日本の取り組み

脱炭素社会のために!日本の取り組み

「脱炭素社会の実現は難しい」と言われている日本ですが、実現に向けて国や企業は様々な取り組みを行っています最後に、日本で行われている脱炭素社会に向けた取り組みを3つご紹介します。

脱炭素社会に向けた日本の取り組み – ①COOL CHOICE

環境省による「COOL CHOICE」は、脱炭素社会づくりに貢献する「製品への買替え」「サービス利用」「ライフスタイルの選択」など、日常における「賢い選択」をしようという取り組みです。

【個人で行えるCOOL CHOICEの例】

  • 製品の買換え:LED証明、エアコン、冷蔵庫、節水型トイレなどの省エネ製品、エコカー、エコ住宅、断熱リフォームなど
  • サービスの利用:公共交通機関の利用、カーシェアリング、宅配便再発防止、再生可能エネルギーの利用
  • ライフスタイルの選択:クール・ウォームビズ、クール・ウォームシェア、エコドライブ、自転車の利用

国民一人ひとりが心がけることで、CO2の排出量削減は実現できます。

参照元:環境省 COOL CHOICE

脱炭素社会に向けた日本の取り組み – ②ゼロカーボンシティ

ゼロカーボンシティとは「2050年にCO2を実質ゼロにすることを目指す旨を首長自ら又は地方自治体として公表された地方自治体」をさします。ゼロカーボンシティの宣言を行った地方自治体には、電気を自給できるエリアの整備や、新電力会社設立時の人材確保・育成等への優先的な支援が行われます。

2021年7月現在、420もの自治体がゼロカーボンシティ表明を行っており、今後も表明都市は増えていくでしょう。

【2050 年 ゼロカーボンシティの表明方法の例】

  • 定例記者会見やイベント等において、「2050 年 CO2(二酸化炭素)実質排出ゼロ」を目指すことを首長が表明
  • 議会で「2050 年 CO2(二酸化炭素)実質排出ゼロ」を目指すことを首長が表明
  • 報道機関へのプレスリリースで「2050 年 CO2(二酸化炭素)実質排出ゼロ」を 目指すことを首長が表明
  • 各地方自治体ホームページにおいて、「2050 年 CO2(二酸化炭素)実質排出ゼロ」 を目指すことを表明

参照元:環境省 地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況

脱炭素社会に向けた日本の取り組み – ③エネルギーミックス

「エネルギーミックス」とは、複数の発電方法を組み合わせた電力供給を行う仕組みの事で、日本では「3E+S」に基づいたエネルギーミックスが推進されています。「3E+S」とは下記の頭文字をとった言葉で、3Eを両立させた上でSを守る考え方です。

  • 経済性(Economy):発電コストが安い
  • 環境性(Environment):CO2を排出しない
  • 供給安定性(Energy Security):安定的で社会負担が少ない
  • 安全性(Safety):安全に供給できる

現在の発電技術では「3E+S」が実現できる理想的な電力供給方法はありません。原子力発電は3Eは非常に優れていますが、安全性(S)は不十分です。化石燃料は環境性(E)の観点から理想的とはいえません。

そのため、火力・水力発電や原子力発電、再生可能エネルギーによる発電をバランスよく組み合わせ、それぞれの長所を生かした電力供給が必要なのです。

脱炭素社会に向けた日本の取り組み – ④エネルギー特別会計の活用

「エネルギー特別会計」とは”エネ特”とも略されますが、地球温暖化対策のための税を原資とした「エネルギー対策特別会計」を活用して、地方公共団体や民間企業等の再生可能エネルギーや省エネルギー設備の導入を補助したり、委託事業を実施したりしています。

具体的には、太陽熱を利用した給湯設備導入の補助、温泉施設のバイオマスボイラーの導入補助などをおこなっています。

参照元:エネ特(エネルギー対策特別会計)とは|環境省HP

日本が脱炭素社会を実現するために

まとめ

「脱炭素社会」の実現は、地球温暖化を抑制するために必要です。2020年からの10年間は「温暖化を食い止められる最後の10年」とされており、日本をはじめ世界中が「2050年までに温室効果ガスの排出ゼロ」を目標に動いています。

日本は化石燃料に頼っていたり、鉄鋼業でのCO2排出が避けられないなど、いくつもの問題を抱えており、欧米各国と比較すると取り組みは遅いと言われていますが、脱炭素社会に向けた取り組みも徐々に広がっています

今までの遅れを取り戻すには、国は自治体、企業だけでなく、個人での取り組みも大切です。「脱炭素社会」の意味を理解し、一人ひとりが意識して行動するだけでも脱炭素社会の実現に近づける事ができます。手遅れになる前に、今できることを少しづつ行っていきましょう。

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

RELATED

PAGE TOP