「アフリカの環境問題にはどんなものがある?」
そう聞かれた時、あなたはパッと答えが思いつくでしょうか。
アフリカの環境問題についての情報は、日本で暮らしているとあまり触れる機会がありません。
自ら行動しない限り、詳しく知ることはできないでしょう。
しかし、調べてみるとさまざまな問題が山積していることに気づきます。
例えば、アフリカは年間降水量が少なく、ただでさえ作物を育てにくい地域であるにも関わらず、近年増え続けている異常気象によりさらに問題が深刻化しています。
本記事では、アフリカで起きている環境問題や、環境問題が与える影響、私たちにできること、SDGsとの関係性を紹介します。
アフリカの環境問題とは
アフリカの環境問題と一口に言っても、アフリカ大陸のすべての国が問題となっている訳ではありません。
アフリカ大陸には、54の国が存在しており、その中でもサハラ砂漠より南のアフリカ地域の環境問題が深刻です。
どのような事態が発生しているのでしょうか。
砂漠化
アフリカでは深刻な砂漠化が問題となっています。
砂漠化とは、乾燥地域・半乾燥地域で気候変動や人間の活動などのさまざまな原因によって、土地が劣化すること。
「気候的要因」「人為的要因」2つの要因によって起こるとされています。
理由①:気候的要因
サハラ以南のアフリカ地域は、年間降水量が少なくほとんど雨が降らない地域もあります。
国によっては、年間に150mmしか降らないところも。
日本は年間降水量が1600mm前後のため、比べてみると圧倒的に降水量が少ないのが分かります。
雨が降らなければますます乾燥はひどくなり、植物も育たなくなってしまうのは言うまでもありません。
参照元:砂漠化する地球 -その現状と日本の役割-|環境省 HP
理由②:人為的要因
人為的要因としては、農地の拡大や違法な森林伐採、家畜の過放牧などが挙げられます。
砂漠化の要因となる人間活動は、貧困や人口増加によって大きな影響を受けます。
2019年時点でサハラ以南のアフリカの人口は10億6,000人ですが、2050年には21億人以上に増加するとの予測があるため、人為的な要因はますます大きくなると言えるでしょう。
例えば、アフリカの人々の大半は農業で収入を得ていますが、人口が増加すれば農地の拡大は免れません。
また、調理をする際には薪や炭などで燃料を確保するため、ますます砂漠化が進んでしまう可能性があるのです。
アフリカにおける環境問題が与える影響
砂漠化が進行すると、飢餓や紛争にもつながります。
現在、アフリカで飢餓は1,500万人を超えており、サハラ以南のアフリカは「飢餓ベルト」と呼ばれるほど、長い間飢餓に苦しんでいる地域なのです。
そこで、さらに干ばつや砂漠化が進行すると、作物が育たなくなり食べ物に困る人が増えてしまいます。
実際に、砂漠化によって農業と牧畜の間で土地の奪い合いが起き、民族紛争に発展している国もあるほどです。
参照元:アフリカ 飢餓ベルト『サヘル』 止まらない砂漠化 紛争が強いる人口移動 飢餓1,500万人超|世界の医療団
私たちにできること
私たちが住んでいる日本とはかなり距離が離れているアフリカですが、個人にできることはあります。
ここでは、私たちにできることを2つ紹介します。
例①:現状を知ることから始めよう
まずは、アフリカで何が起きているのか現状を把握することから始めてみましょう。
アフリカの飢餓や貧困などの情報はメディアを通して知っているものの、実際に自ら情報を得ようとしている人は少ないのではないでしょうか。
現在、アフリカの環境問題や貧困、飢餓に関する書籍や映画、NPO団体のHPでも情報を得ることができます。
「一人が行動しても意味ないのでは?」と思う必要はありません。
一人が知ればさまざまな人に伝達され、中には行動を起こす人も出てくるはずです。
例②:募金や寄付をしてみよう
現状を把握したら、募金や寄付をしてみるのも良いでしょう。
いざアフリカのために行動したいと思っても、距離があり治安も良くない場所が多いため、現実的に考えると安易な気持ちで行けるところではないですよね。
「それでも、何か貢献できないかな……」と思ったら、募金や寄付をしてみるのも一つの方法です。
寄付は現金のみならず、文房具などといった物資を渡すこともできます。
NPO法人によっては「地震や紛争などの復興支援」「児童労働や虐待から子ども達を守る」などさまざまなプロジェクトを用意しています。
プロジェクトの目的が明確なため、自分が「支援したいな」と思える人たちに支援が可能です。
参照元:プラン・インターナショナル
SDGsとの関連性
アフリカの環境問題の解決は、SDGsとも大きな関係があります。
アフリカの環境問題はSDGsで掲げられている
・目標1「貧困をなくそう」
・目標2「飢餓をゼロに」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
など、多くの目標との関連性があります。
例えば、目標13の気候変動問題との関連で言えば、アフリカで起きている異常気象は、アフリカの気候だけが原因ではありません。
私たちの生活から排出された二酸化炭素も少なからず影響を与えているのです。
遠くの国で起きていることだから、自分には関係ないと思わずに、「自分たちの生活がもしかしたら気候変動に繋がっているのかも?」と考えることも、視野を広げる大きな一歩となるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、アフリカの環境問題について紹介しました。
アフリカ大陸の中でも、とりわけサハラ以南のアフリカで起きている干ばつや砂漠化は大きな問題であり、残念ながら年々深刻化しているというのが現状です。
異常気象による砂漠化は、違法な森林伐採、紛争、飢餓、過放牧など、さまざまな問題につながります。
日本に住む私たちが忘れてはいけないのは、これらはアフリカだけの問題ではないということ。
アフリカで起きている異常気象の原因は、日本で排出している温室効果ガスも関係しているのです。
「遠くの国で起きていることだから」という無関心が最も危険なことなのかもしれません。
まずアフリカで何が起きているか知ることから始めてみませんか?