気候変動に具体的な対策を

温室効果ガス排出量の増加が及ぼす影響は?日本の現状や具体例を知ろう

環境省は2020年度時点の、日本の温室効果ガス排出量は11億4,900万トンであると発表しました。
前年度の12億1,100万トンと比べると、5.1%減少したことになります。

近年、温室効果ガス排出量の増加は世界的な問題となっており、各国が削減に向けて力を入れています。

本記事では、温室効果ガス排出量の増加によって発生する被害や、個人にもできる取り組みをまとめました。

まずは、温室効果ガス排出量とは何かを知りましょう。

温室効果ガス排出量とは?

温室効果ガス排出量とは?

温室効果ガス排出量とは、その名の通り温室効果ガスの排出量を指す言葉です。

温室効果ガスの主な種類としては、

・二酸化炭素
・メタンガス
・一酸化二窒素
・フロンガス

などがあります。

そのなかでも二酸化炭素の排出量は最も多く、次にメタンガス、一酸化二窒素となっています。
これらは、太陽熱を地球に閉じ込めたり地表を温めたりする働きがあります。
そのため、温室効果ガスがなくなると、地球は温度を保つことができず-19℃まで低下してしまうのです。

「温室効果ガスがなくなると気温低下に繋がるのであれば、排出量は多い方がいいのでは?」と思う人もいるでしょう。
確かに、一定量の温室効果ガスは地球の温度を保つために必要です。
しかし、これまで行ってきた人間活動によって排出量は必要以上に増えてしまい、さまざまな被害がでています。

近年は、排出量削減に向けて取り組みが行われていることもあり、少しずつ減少傾向にありますが十分とは言えません。

ここまでは、温室効果ガス排出量についてお伝えしました。
続いては排出量増加によって、どのような被害がでているのかを見ていきましょう。

参照元:
2020 年度(令和 2 年度)の温室効果ガス排出量(速報値1)について|環境省
温室効果ガスとは|環境学習ナビ

温室効果ガス排出量の増加による被害

温室効果ガス排出量の増加による被害

温室効果ガス排出量の増加は地球温暖化の原因になり、さまざまな被害を及ぼします。

干ばつや水害

地球温暖化が原因で気候変動が起こると、気象や土地に影響がでます。

乾燥地域では、さらに乾燥が進み干ばつによる被害が増加。
反対に雨が多い地域では、雨量が増加し洪水が発生する回数も増えるでしょう。

その他にも、水の需要と供給のバランスが崩れてしまい、水資源の格差が世界的に広がる恐れもあります。

低地の水没

地球全体の気温が上昇すると、海水の膨張や氷河が溶けたことによって海面水位の上昇が起こります。
これにより、沿岸部の低地の水没や海岸の侵食・淡水に塩水が混ざるなどの被害が発生。

標高の低い島などは沈んでしまうと言われており、その危険性が高い国として、ハワイとニュージーランドの中間に位置する「スバル」などが挙げられます。

伝染病危険地帯の拡大と死亡率の増加

熱帯熱マラリアと呼ばれる伝染病の発生する危険地帯が、拡大傾向にあります。
最近では、最低月平均気温13度の場所でも流行すると調査報告がされており、2100年には韓国・中國北部・西日本も流行危険地域に含まれる可能性がでてきたそうです。

また、気温上昇に伴い夏季の熱射病の発生率や死亡率も増加の恐れがあります。

野生生物への被害

IUCNが発表しているレッドリストによると、2021年10月時点で3万8,543種以上の生き物が絶滅危惧種として掲載されています。

そして、生き物たちが絶滅の危機へと追いやられている原因の1つが地球温暖化です。

参照元:地球温暖化による野生動物への影響|WWFジャパン

表を確認すると、絶滅の危険性があると言われている生き物達は、鳥類から魚類まで多種多様です。
私たちが地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出量を減らさない限り、リストに掲載される生き物の数は今以上に増えていくでしょう。

ここまでは、温室効果ガス排出量の増加による被害をお伝えしました。

次は日本がどのような対策を行っているのか見ていきます。

参照元:
温室効果ガスによる地球温暖化とは|高知県越知町HP
温室効果ガスによる地球温暖化とは|高知県越知町HP

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温室効果ガス排出量の削減に向けた日本の対策

温室効果ガス排出量の削減に向けた日本の対策

温室効果ガス排出量の削減に向けて、日本もさまざまな対策を行っています。

【政府】地球温暖化対策計画の決定

2021年10月22日に、地球温暖化対策計画が閣議決定されました。
この計画は、2016年の閣議決定から5年ぶりの改定になります。

内容としては、2030年度において温室効果ガスの46%削減を目指し、50%削減まで挑戦を続けることが書かれています。

【企業】佐川急便株式会社 環境対応車の導入

佐川急便では、大気汚染物質や温室効果ガスの排出量が少ない環境対応車を、1990年代から導入。
2020年度末時点で車の数は、14,489台まで増加しました。

自動車の排気ガスは、地球温暖化の原因の1つと言われているため、環境対応車にすることで環境負荷を軽減できます。

【自治体】愛知県碧南市 火力発電所でのバイオマス混焼

碧南市にある碧南火力発電所は、石炭を燃料に発電していました。
しかし、環境負荷や温室効果ガスの排出量のことを考え、平成22年9月から木質バイオマス燃料(木質チップ)の混焼を開始

これにより発電時の二酸化炭素排出量の削減に成功し、環境負荷の軽減につながりました。
さらに平成24年4月からは、「下水汚泥燃料化施設」で製造された下水汚泥炭化燃料も混焼しています。

このように日本では政府・企業・自治体と、さまざまな組織が動いています。
温室効果ガス排出量の削減は、地球上に暮らす全ての人々に関係のある問題です。
政府や企業・自治体に任せるのではなく、私たち個人も行動することによって改善されるスピードも上がるでしょう。

では、私達個人は何をすればよいのでしょうか。

参照元:
地球温暖化対策推進法と地球温暖化対策計画|環境省
【佐川急便】脱炭素社会の実現に向けて|佐川急便株式会社
他自治体等における先進取組事例|愛知県

個人にもできる温室効果ガス排出量の削減

個人にもできる温室効果ガス排出量の削減

温室効果ガス排出量の削減は、私たち個人にもできます。

取り組み例としては、

・自家用車ではなく、公共交通機関を利用する
・使用していない家電のコンセントは抜く
・使っていない部屋の電気はこまめに消す
・家の電力を再生可能エネルギーに切り替える
・省エネ家電を活用する
・買い物では、長く使える物を選ぶ
・食事に代替肉や植物性ミルクを取り入れる

などが挙げられます。

無理のない範囲で、少しずつ取り入れてみましょう。

私たちができることを少しずつ行うことで、温室効果ガス排出量の削減になると同時にSDGsの目標達成にもつながります。

温室効果ガス排出量とSDGsの関係性

温室効果ガス排出量とSDGsの関係性

温室効果ガス排出量の削減は地球環境の改善になり、SDGsの目標達成にも貢献します。

SDGsとは2015年に開かれた国連総会にて、193ヵ国が賛同した国際目標です。
2030年までに、環境・社会・経済の課題を解決するために、17の目標と169のターゲットが設定されました。
私たちはSDGsの目標達成に向けて全員で取り組み、「誰一人取り残さない」世界を目指します。

そして、温室効果ガス排出量削減によって達成される目標が、目標13「気候変動に具体的な対策を」です。

目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献

引用元:SDGsアイコン|国連広報センター

目標13は気候変動と、気候変動によって起こる影響に立ち向かうことに焦点を当てています。

そのためターゲットも、

・災害に対する復活力や適応能力の強化
・人的能力や組織の適応能力改善
・気候変動対策を国の政策や計画・戦略に盛り込む
・早期警戒に対する教育を行う

など、あらゆる角度から気候変動への対策を行う内容となっているのです。
さらにSDGsは、目標の約8割が気候変動対策につながっています。

例えば農業。
気候変動が原因で発生する異常気象が起きにくくなると、農作物への被害も減少します。

収穫量が安定すると農家の人々の収入も安定し、SDGs目標1「貧困をなくそう」の達成にも貢献するでしょう。
さらに食糧不足も改善されるため、目標2「飢餓をなくそう」の達成にもつながります。

このように、温室効果ガス排出量を削減し目標13の達成を目指すことで、他の目標達成にも自然と貢献するのです。

参照元:SDGs(持続可能な開発目標)|蟹江憲史

まとめ

まとめ

地球温暖化の原因とも言われている温室効果ガス排出量の増加は、人間活動によるものが大半です。
このままでは自然環境や生態系・私たちの暮らしに、さまざまな影響を及ぼします。
改善するためには、現状や人間活動の何が排出量を増やしているのかを知ることが大切です。

そして、私たちにできる取り組みを無理のない範囲で続けていきましょう。
温室効果ガス排出量の削減は、少し無理をして短期間だけ頑張り、一時的に排出量を減らしても意味はありません。
無理をせずにできる取り組みを、長期的に行うことに意味があります。

地球に暮らす全ての人々が少しずつ取り組むことで、1つの大きなアクションになるのです。
あなたの行動が、美しい地球を次世代に残すことに繋がります。

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鹿児島県在住のフリーライター。コーヒーをきっかけにSDGsを知り、興味をもつように。普段は、ライフスタイルやSDGsに関する記事を執筆しています。

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