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ENVIRONMENT

ごみ問題で小学生にできること|国内外の事例と3Rの実践方法

【ゴミ問題】小学生にできることをわかりやすく解説『国内外の事例紹介』

燃やしても、埋めても、行き場がなくなりつつあるごみ。環境省の「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)」によると、日本全体のごみ総排出量は約4,095万トンで、1人が1日に出すごみの量は約890グラムにのぼります。こうした現状を受け、全国の小学校では授業や地域活動を通じてごみ問題に向き合う取り組みが広がっています。本記事では、小学生にできる具体的な行動と国内外の実践事例をまとめました。大人が子どもたちと一緒に考えるためのヒントとして読んでいただければ幸いです。

日本のごみ問題|今どんな状況にある?

ごみ問題を小学生に伝えるには、まず現状の数字を大人が正確に把握しておくことが大切です。

総排出量と最終処分場の残余年数

環境省の統計では、令和4年度(2022年度)の一般廃棄物総排出量は約4,095万トンでした。ピーク時(平成12年度・約5,483万トン)に比べると減少傾向にあるものの、依然として膨大な量です。最終処分場の残余年数は全国平均で約24.1年(令和4年度時点)と報告されており、新たな処分場を確保し続けることは都市部を中心にますます難しくなっています。

また、海洋プラスチック汚染も深刻です。国連環境計画(UNEP)は、適切に管理されないプラスチックが毎年800万トン以上海に流入していると推計しています。日本近海でもマイクロプラスチックの濃度が高い海域があることが国立環境研究所の調査で示されており、「自分たちの出したごみが海に届く」という事実は、小学生の環境学習で特に反響が大きいテーマです。

食品ロスとごみ問題のつながり

農林水産省・環境省の推計では、令和4年度の食品ロス量は約472万トン。国民1人あたり毎日約103グラムの食べられる食品が捨てられている計算になります。食品ロスはごみの増加だけでなく、その処理に必要なエネルギーの消費や温室効果ガスの排出にも直結します。給食を残さない、家庭で食材を使いきるといった行動が、ごみ問題と気候変動の両方に関わることを小学生の授業で伝えると、学びの広がりが生まれます。

小学生にできること|まず「知る」ことから始める

ごみ問題を解決するための第一歩は、現状を正確に知ることです。「ごみ箱に捨てたあと、ごみはどこへ行くのか」という身近な問いを出発点にすると、小学生も実感を持って考えはじめます。

分別されたごみは、可燃ごみとして焼却処理されるか、資源ごみとしてリサイクル施設に運ばれます。しかし焼却処理には大きなエネルギーが必要で、CO₂も排出されます。リサイクルも万能ではなく、汚れたペットボトルや異物が混入したごみは再資源化できません。さらに最終的に残ったごみは埋め立て処分場に運ばれますが、その容量には限りがあります。こうした「ごみの旅」を子どもたちが学ぶことが、行動変容の基盤になります。

3R+1R|小学生にできる具体的な行動

環境省が推進する「3R(Reduce・Reuse・Recycle)」は、ごみを減らすための基本的な考え方です。近年は廃棄物の発生そのものを断つ「Refuse(断る)」を加えた「4R」という概念も使われ、小学校の授業でも取り上げられています。

Reduce(リデュース)|そもそもごみを出さない

マイボトルやマイバッグを使うこと、必要な分だけ買うこと、食べきれる量だけ取ることがリデュースの第一歩です。小学校の給食では「食べきり運動」として残食ゼロを目指す取り組みが各地で行われており、大分県や京都市などの自治体が食品ロス削減の成果を公表しています。

Reuse(リユース)|繰り返し使う

壊れたおもちゃを修理して使い続ける、フリマアプリや学校のバザーで不用品を次の人に渡すといった行動がリユースにあたります。「捨てるもの」を「使えるもの」として見直す視点は、小学生の創造力とも結びつきやすく、図工や総合学習との連携に向いています。

Recycle(リサイクル)|資源として活かす

ペットボトル・アルミ缶・紙類などを正しく分別することが、リサイクルの出発点です。日本の容器包装リサイクル法(平成7年制定)によって分別収集のしくみが整備されていますが、「汚れたまま出す」「ラベルを剥がさない」といった理由でリサイクルされないケースも少なくありません。正しい分別の方法を家庭でも実践できるよう、学校で学んだことを親に話す、というアクションも十分に意味があります。

Refuse(リフューズ)|不要なものをもらわない

不要なチラシや過剰包装を断る「Refuse(リフューズ)」は、ごみ問題への意識が高まるにつれて注目される行動です。コンビニのレジ袋有料化(2020年7月〜)をきっかけに、子どもたちがマイバッグを持ち歩く習慣も根づきつつあります。「断る」という選択が環境につながることを知るだけで、日々の行動の見え方が変わります。

国内の小学校|ごみ問題への取り組み事例

全国各地の小学校では、地域の特性を活かしたごみ問題の学習が行われています。いくつかの代表的な事例を見てみましょう。

東京都江戸川区立平井小学校|国際連携授業

江戸川区立平井小学校の4年生は、ニューヨークの同学年の児童とともに海ごみ問題を考えるオンライン授業を実施しました。「ごみ問題は一国で解決できない世界共通の課題」という認識を小学生の段階で持つことは、グローバルな市民感覚を育てるうえで重要な経験です。

神奈川県横浜市立中尾小学校|プラごみ回収と工作

神奈川県茅ヶ崎市のサザンビーチで流れ着いたプラスチックごみをピンセットで丁寧に拾い集め、持ち帰ったプラスチック片を万華鏡の材料として再利用しました。「ごみだったものが作品になる」という体験は、リユース・リサイクルの概念を体感として落とし込む優れた授業設計です。NPOと学校が協働している点も、地域連携の好例といえます。

栃木県真岡市立真岡東小学校|クイズで楽しく学ぶ環境授業

5年生の総合的な学習の時間の年間テーマを「環境」に設定し、ごみの分別・プラスチックごみ・3Rをクイズ形式で学ぶ授業を行いました。専門家や地域の環境団体を招いた「出前授業」のスタイルは、外部の知識を教室に持ち込む効果的な手法として各地に広がっています。

岩手県宮古市崎山小学校|海岸漂着ごみの調査・分析

海岸に出向き、漂着したごみを回収・分別・計数するフィールドワークを実施。ペットボトルや硬いプラスチック破片の多さを実測することで、「ごみが海に来るまでの道のり」を現場で考えるきっかけになっています。回収データを分析・報告書にまとめる活動は、調査リテラシーの育成にもつながっています。

大阪府・神戸市の小学校|ごみ清掃工場見学との連動

大阪府や神戸市の複数の小学校では、社会科の授業と連動してごみ処理施設(清掃工場)の見学プログラムを実施しています。実際に施設内のごみピットや焼却炉を見ることで、「1日に何トンものごみが処理されている」という事実が視覚的に刻み込まれます。帰校後に「自分の家のごみを1週間記録する」宿題を課す学校もあり、家庭での行動変容につながる設計として評価されています。

世界の小学生が取り組んでいること

ごみ問題は国境を越えた課題です。世界各国でも小学生を対象にした環境教育が進んでいます。

アメリカ(サンフランシスコ)|4Rとコンポスト

サンフランシスコの小学校では3Rに加え、生ごみを堆肥(コンポスト)に変えて土に返す取り組みが組み込まれています。サンフランシスコ市は2009年に全米初の強制コンポスト法を施行し、家庭・飲食店・学校での分別が義務化されました。こうした政策的な背景があるため、子どもたちが学校でコンポストを体験することが生活習慣として定着しやすい環境があります。

ドイツ|自然分解実験で「見えない時間」を学ぶ

ドイツの小学校では、さまざまな素材(紙・木・プラスチック・金属など)を土に埋めて自然分解にかかる時間を調べる実験が行われています。プラスチックが4年以上経っても分解されないことを実験で確かめた子どもたちは、プラスチックごみ問題の深刻さを「体験」として知ることができます。ドイツは分別回収と製造者責任(拡大生産者責任)の先進国として知られており、こうした教育と制度が連動しています。

スウェーデン|全教科に環境学習を組み込む

スウェーデンでは、理科だけでなく国語・算数・体育・家庭科など全教科の中で環境問題を扱います。分離した「環境の授業」ではなく、日常のあらゆる学びと環境が結びついている設計です。また、スウェーデンはごみ発電(廃棄物-to-エネルギー)の活用が進んでおり、「ごみは資源」という考え方が社会全体に根づいていることも環境教育の土台になっています。

フィリピン|地域ぐるみの海ごみ清掃

東南アジアは世界の海洋プラスチック汚染の主要発生地域のひとつとされており、フィリピンでは学校・地域・NGOが連携した海岸清掃活動が盛んです。小学生が地域の大人と一緒にごみを拾い、回収量を記録・報告する活動は、国際的な環境NGO「オーシャン・コンサーバンシー」が主催するInternational Coastal Cleanup(ICC)にも参加する形で実施されることがあります。

大人が考えるべきこと|子どもに任せるのではなく、一緒に動く

全国の小学校でごみ問題の授業が増えているのは喜ばしいことです。しかし、地球上に蓄積してきたごみの大半は、子どもたちではなく私たち大人が出したものです。ごみ問題を「子どもに学ばせる課題」として外側から眺めるのではなく、大人自身が行動を変えることが先決です。

家庭での分別の徹底、マイボトル・マイバッグの日常化、フードロスを減らす買い物習慣——こうした「当たり前」を積み重ねることが、子どもたちにとって最もリアルな環境教育になります。子どもが学校で学んできたことを家庭でも話し合える関係を作ることが、学校教育の効果を最大化する鍵でもあります。

また、地域の清掃活動や自治体のごみ減量キャンペーンに参加することも有効です。子どもと一緒に地域のごみ拾いイベントに参加すれば、3Rの知識が「体験」として定着します。

まとめ|今日から1つだけ変えてみる

ごみ問題は「誰かが解決してくれる問題」ではなく、一人ひとりの日常と直結した課題です。小学生たちが授業や清掃活動を通じて真剣に向き合っている姿は、大人にとっても行動のきっかけになるはずです。

  • 日本のごみ総排出量は約4,095万トン(令和4年度)。最終処分場の残余年数は全国平均約24年
  • 3R+Refuse(断る)の4Rが、ごみを減らす基本行動。特にReduceを最優先に考える
  • 国内の小学校では海岸清掃・清掃工場見学・国際連携授業など多様な取り組みが進んでいる
  • ドイツ・スウェーデン・アメリカなど海外でも環境教育がカリキュラムに深く組み込まれている
  • 子どもに任せるだけでなく、大人が率先して日常の行動を変えることが最大の環境教育になる

まずは今日のスーパーの帰りにレジ袋を断ってみる、あるいは家族で「今週出たごみを数えてみる」という小さなことから始めてみてください。

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