現在、世界の飢餓人口は8億1,100万人と言われています。
さらに新型コロナウイルスの影響もあり、2019年より1億8,000万人増加しました。
これ以上飢餓に苦しむ人を増やさないためにも、全員が協力し飢餓と向き合う必要があります。
政府や企業だけに任せるのではなく、私たち個人もできることを少しずつ取り組んでいきましょう。
本記事では「飢餓ゼロのために協力したいけど、何から始めれば良いのか分からない」という人のために、私たちにできることをまとめました。それでは1つずつ見ていきましょう。
食品ロス削減に取り組む
世界全体で1年間に約13億トンもの食料が廃棄されており、そのうち日本の廃棄量は約612万トンにもなります。
これは、東京ドーム5杯分に相当する量です。
世界には飢餓に苦しむ人が大勢いるにもかかわらず、私たちは食べられる食料を捨てています。
このまま食料廃棄を続け将来人口が増加した場合、食べ物は足りなくなり飢餓人口はさらに増加するでしょう。
最悪の事態を防ぐためにも、私たち一人ひとりが食品ロスを削減しなければなりません。
そのためには、
・自分が必要なものを必要な量だけ購入する
・食べ残しをしない
・野菜や果物の皮はできるだけ薄く剥く、もしくはきれいに洗いまるごと食べる
・フードシェアリングサービスを利用して、規格外や表面に少し傷があるなどのわけあり商品を購入する
・食品表示をよく確認し、適切な方法で保存
・フードバンク(※1)やフードドライブ(※2)の利用
など、さまざまな方法を生活に取り入れてみましょう。
(※1)フードバンク:安全に食べられるが、包装の破損や賞味期限が近いなどが理由で市場に出せない食品を企業などから寄付してもらい、施設や団体・困窮世帯に無償で提供する活動。
(※2)フードドライブ:自宅に余っている食品を学校や職場に持ちより、福祉施設やフードバンクに寄付する活動。
地産地消を心掛ける
日本の食料自給率は38%となっており、食料の大部分を輸入に頼っているのが現状です。
参照元:世界の食料自給率|農林水産省
輸入先には、途上国など貧しい国も含まれています。
しかし途上国では、生産した食料の大半を輸出するため自分たちのもとに食料は残りません。
また、多くの農民が低賃金で働いており十分な食料を買うお金も持っていないのです。
この問題を解決するためには、輸入している側が食糧自給率を上げることも重要となってきます。
そこで注目したいものが地産地消です。
地産地消とは、地域で生産された農林水産物を地域で消費する取り組みになります。
また地産地消は食糧自給率を上げるだけでなく、輸送の際に排出されるCO2を削減。
環境にも優しい取り組みと言えるでしょう。
地産地消の食料品を購入するには、
・産直市場
・スーパーの地産地消コーナー
などを覗いてみましょう。
また、地元の食材を使用している飲食店の利用もおすすめです。
「いきなりすべてを地産地消の商品だけにするのは難しい」と言う人は、外国産ではなく国産を選ぶことから始めてみてください。
栄養バランスのとれた食事を心掛ける
つねに食べる物がなく、飢えに苦しんでいる状態のみが飢餓ではありません。
飢餓には、慢性的な栄養不足も含まれています。
日本をはじめとする先進国は途上国と異なり、さまざまな種類の食料が簡単に手に入ります。
しかし、この選択肢の多さが健康をおびやかす原因となっているのです。
「21世紀における国民健康作り運動」では、野菜を1日に350グラムとることを目標としています。
しかし1日に350グラムも食べている人は少なく、280グラムが平均だそうです。
とくに若者は朝食を食べない人が多いので、280グラム以下の人もいます。
手軽さに惹かれて、コンビニやインスタント食品を利用する人も珍しくありません。
このように食の選択肢が多い先進国では、偏った食生活が定着しています。
そのため空腹は満たされても、十分な栄養が取れていない状態の人が増えているのです。
慢性的な栄養不足を改善するためにも、栄養バランスのとれた食事は不可欠になります。
そのため、
・主菜:肉や魚、卵、大豆などのたんぱく質
・副菜:野菜やきのこ類、海藻など
・汁物
など、上記を参考に1食のバランスを意識しましょう。
まとめ
本記事では、飢餓ゼロに向けて個人にできる取り組みを紹介しました。
世界的な問題となっている飢餓を改善するためには、地球上に暮らす全員の協力が不可欠です。
そして改善するには、長い時間が必要となります。
個人が長期間取り組むためには、無理のない範囲で行うことがポイントです。
購入する食材を地元のものに変えるや必要な量だけ購入するなど、普段の生活を少し変えるだけで飢餓ゼロへ貢献できます。
さらに、購入した食材でバランスの良い食事を作り食べることは、あなたの健康にもつながるでしょう。
あなたが取り組むことによって、飢餓で苦しむ人々の力になれます。
飢餓ゼロを目指して、できることから少しずつ始めてみませんか。