つくる責任 つかう責任

エシカル消費の認知度調査から見えてくる人々の行動の現状や動機

エシカル消費とは環境や人権、社会的課題の解決に配慮した商品やサービスを買い求めることによってそうした課題に取り組む企業やプロジェクトを応援する消費活動のことですが、人々の間ではどれほど認知されているのでしょうか?

今回はエシカル消費の認知度について考えてみたいと思います。

エシカル消費の認知度は?

エシカル消費の認知度は?

エシカル消費はSDGs「持続可能な開発目標 SDGs」のうち、特に12個目の「つくる責任 つかう責任」に関連する取り組みです。

近年の環境保護意識の高まりからSDGsの認知度は高まってきていますが、個々の目標やエシカル消費について知っている人は多くないかもしれません。

消費者庁レポート

SDGsが2015年の国連総会で採択されてから、日本国内では総理大臣を本部長、官房長官、外務大臣を副本部長とし、全閣僚を構成員とする「SDGs推進本部」が設置されました。

SDGsの中でも12個目の目標「つくる責任 つかう責任」に関連するエシカル消費を推進する立場である消費者庁は毎年、「エシカル消費に関する消費者意識調査」を実施しています。

この調査は、全国の16~65歳の一般消費者を対象にアンケートモニター形式でエシカル消費について質問したものです。

2020年に実施されたこの調査によれば、エシカル消費に関連する言葉と「知っていると応えた割合は以下のようになりました。

エコ ロハス フェアトレード サステナビリティ エシカル消費 エシカル 何も知らない
2019年度調査 72.6% 34.8% 27.3% 15.3% 12.2% 8.8% 19.2%
2016年度調査 50.9% 32.5% 23.2% 10.0% 6.0% 4.4% 41.9%

アンケート結果を見れば、分かる通り、エシカル消費に対する関心が高まっていることが分かります。
SDGsが採択されたのが2015年ですので、翌年では認知度は低かったものの、2019年にエシカル消費に関連する言葉を知っている人が8割を超えています。

一方でエシカル消費に対する関心度は、以下のように推移しました。

非常に興味がある ある程度興味がある あまり興味がない 全く興味がない
2019年度調査 5.5% 53.6% 33.1% 7.8%
2016年度調査 5.8% 30.1% 32.8% 31.2%

こちらの調査ではエシカル消費について、全体の59.1%が「興味がある」(非常に興味がある+ある程度興味がある)と回答し、2016年度調査と比較すると、「ある程度興味がある」が大幅に上昇し、「全く興味がない」が大幅に低下していることが分かります。

一方で、「興味がない」と答えた層も40.9%と半数近く存在しており、「認知度は高いが、興味は低い」という現実が明らかになっています。

沖縄県「エシカル消費」

続いて、沖縄県が15歳から59歳の沖縄県民に対して実施したアンケート調査について見てみましょう。

この調査では、人々の「エシカル消費」に対する行動様式についても質問しています。
例えば、「あなたが実施しているエシカル消費は具体的にどのようなことですか?」という質問に対しては以下のような回答が得られています。

割合
環境に配慮した商品を選ぶ 16.2%
地元産の商品を選ぶ(地産地消) 27.6%
障害者の雇用につながる商品を選ぶ 8.1%
フェアトレードの商品を選ぶ 8.1%
使っていない電灯は消す等の省エネに努める 36.8%
買い物にマイバッグを使う 54.4%
飲み物をマイボトルに入れる 27.6%
ボトル商品は詰め替えようがある商品を選ぶ 34.4%
食材を使い切る(食品ロスの削減) 32.2%
長く使えるものを選ぶ(リサイクルして使う) 24.7%

この調査からわかることは、人々は商品選ぶよりも経済性を考えて行動するということです。

マイボトルやマイバッグの利用、食品ロスの削減など節約につながる行動は多く見られることから、エシカル消費を促すためには単に重要性を訴えるだけではなく、人々に利益になる必要があります。

電通「エシカル消費 意識調査2020」

人々にエシカル消費を促すためのヒントを得るために、次のアンケート調査について見てみましょう。

こちらは、電通が全国10~70代の男女計1,000人に対して実施した消費者の意識傾向と期待値、今後の意向・行動に関する調査です。

こちらのアンケート調査では、エシカル消費について自分も実施する条件について、以下の回答が得られています。

割合
価格が同じだったら 35.3%
メリットがわかったら 34.5%
自分の関心がある問題に関する商品であれば 31.0%
身近な店で売られていたら 29.1%
品質や機能が良かったから 27.2%
環境問題や社会問題に貢献することができると理解できれば 25.7%
無料やサンプルで試す機会があれば 24.2%
知人が使っていたら 4.3%
おしゃれだったら 4.0%
インフルエンサーが勧めていたら 2.3%

このようにエシカル消費の行動背景としては、価格や機能面でメリットが有ることや自分の関心や身近な範囲内にあることが要因であり、理解したうえでの積極的なアクション”は見られないのが現状です。

まとめ

まとめ

エシカル消費に関する認知度は、確実に向上しつつあります。
2015年にSDGsが採択されてからの認知度の向上には、目を見張るものがあります。

一方で、人々の行動に影響を与えるためには単なる環境保護意識に訴えるよりも、個々人の利益やメリットについて考える必要があるようです。

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