環境問題の一つであるごみの問題に対し、世界で様々な取り組みが行われています。
私たち個人でもできる取り組みとして、生ごみを堆肥に返るコンポストが注目されています。
生ごみを堆肥に変える、エコな取り組みの「コンポスト」。
コンポストによって土壌を豊かにし、また同時に生ゴミも減らすことができ、とてもエコフレンドリーと言えます。
様々なコンポストが販売されていますが、ダンボールで自作することも可能です。この記事では、ダンボールで作るコンポストの作り方や注意点を詳しくご紹介します。
コンポストはいくらかかるの?
コンポストに興味を持つ人が気になるのが、価格ではないでしょうか。
実際、ホームセンターなどではすでにさまざまなコンポスターが販売されています。
タイプにもよりますが、数千円から数万円程度まで幅広いラインナップです。
コンポストは自作できる!ダンボールコンポストに挑戦
初めてコンポストに取り組むのであれば、できればコストは抑えたいもの。
そこでおすすめなのが、コンポストの自作です。
ここでは、コストが最も低いダンボールを使ったコンポスターを自作する方法について解説しましょう。
すぐに用意できるダンボールは、安価なコンポスト作りに最適です。
もし失敗しても燃えるゴミに出せるので処分も簡単。
ただし、虫が湧きやすいので注意して下さい。
用意するもの
・丈夫なダンボール3つ(本体用とフタ用と補強用)
・腐葉土
・米ぬか(生)
・スコップ
・ガムテープ
・バスタオルか不織布
手順
- 補強用段ボールを本体用ダンボールの底に併せて切って敷く(底面の補強)。
- 通気性をよくするために、かごなどの上に置き、直置きしない。壁からも5cm以上離れた場所に設置する。
- ダンボールの容量1/2の腐葉土を入れ、その半分の米ぬかを入れてスコップでよく混ぜる。
- 1日おいて温度が40~50℃まで上昇したら、米ぬかであえた生ごみを入れる。
- 本体側の段ボール箱にバスタオルか不織布をかけて開口部を覆い、フタ側の段ボールをかぶせる。
- 毎日、天日干しなどをして乾燥させた生ごみに米ぬかをふりかけたものを入れ、かき混ぜる。
- 生ごみを入れ続けると、「ダマ」の量が多くなるのが終了の目安。
- 厚手のビニール袋に中身を移し、2~3ヶ月熟成させる。
注意点・ポイント
順調に発酵しているかどうかの温度の目安は50℃。
雨に濡れないように屋根のあるベランダなどに置いておきましょう。
4人家族の場合、1日に出る生ごみの量は500グラム程度と言われています。
この量が少ない場合、堆肥化がうまく進まず、3ヶ月以上かかることもあります。
自作コンポストに生ごみを入れるときのコツ
コンポスト化するには、いくつかコツがあります。
コンポストに入れてよいものとダメなものを分別しておく
例えば果物でも大きな種、野菜でもトウモロコシの皮や芯など、投入してはいけないものがあります。
自分がよく使う食材など、コンポストに入れてよいものかどうかをあらかじめチェックしておき、調理や後片付け時に分別しておきましょう。
大きなものは1~2cmにカットしよう
コンポストには、そのまま入れるよりも小さくカットした方が表面積が増え、短い時間で発酵・分解されやすくなります。
少なくとも2cm以下にはカットしましょう。
もっと小さくしてもよいです。
水分を含むものは水切りしてから入れよう
コンポストを上手に堆肥化するためには水分も必要ですが、多すぎると腐る原因になります。
水分を含む生ごみは、水切りしてできるだけ乾かしてから入れましょう。
乾燥した落ち葉や枯れ草、土などがあれば、それらと混ぜ合わせて入れるのもコツです。
適量を投入する
容器のサイズに見合った量を入れましょう。
量が多すぎると微生物による分解が追いつかず、腐ることがあります。
腐ったものは入れない
投入前に腐ってしまったものは入れないようにしましょう。
悪臭の原因になります。
自作コンポスト、こんな時はどうする?
せっかく作ったコンポストですが、うまくいかないこともあります。
代表的なトラブルについて対処法を見てみましょう。
悪臭がある場合
微生物による発酵の時点で、悪臭が発生することがあります。
もし、悪臭が発生したら、水分や動物性の生ごみ(肉や魚)が多く、分解が追いついていないこと、攪拌の頻度が少ないことが主な原因です。
下から良くかき混ぜ、2~3日生ごみを入れないで様子を見てください。
悪臭がおさまったら再開しましょう。
虫がわいた場合
コンポストにはカバーをかけて虫が入るのを防いだとしても、どこかしら虫が入ってくることがあります。
もし虫がわいたら、米ぬかや発酵促進剤を入れ、温度を60℃くらいに上昇させることで虫も卵も死滅させましょう。
それでもまだ虫がいたら、中身を全てビニール袋に移し、2~3日天日干しにしてください。
虫がいなくなったら中身を容器に戻して、再開しましょう。
コンポストは無理なく続けよう
コンポストを長く続けるためには、自分の生活に合ったやり方にする工夫が必要です。
自作では難しい、でもコンポストをしたいという場合、電動式の生ごみ処理機を使う手もあります。
自治体によっては助成金が出ることもありますので、チェックしてみてください。
家庭で無理なく取り組める方法で、生ごみ削減を行いましょう。