持続可能な社会の実現を目指す企業連携プラットフォーム一般社団法人アップサイクル(所在地:大阪府大阪市、代表理事:森原 洋 氏)が主催で、2024年11月28日、「サーキュラーエコノミー by デザイン」をテーマに都内の「ネスカフェ原宿」にてイベントが開催されました。
イベントでは、FREITAG lab.Japan株式会社ビジネスデベロップメントマネジャーの脇野友輔氏をゲストに迎え、講演会から始まりさまざまな交流セッションが行われましたので、その様子についてMIRASUS編集部がお伝えします。
イベント概要
都内の「ネスカフェ原宿」にて、スイス発のバッグブランドFREITAG(フライターグ)の理念や歴史、そして未来に向けた取り組みについて学ぶイベントが、2024年11月28日に開催されました。ゲストには、FREITAG lab.Japan株式会社のビジネスデベロップメントマネジャーである脇野友輔氏を迎え、サーキュラーエコノミーの考え方や具体的な取り組みについて語られました。
■登壇者
▼脇野 友輔(わきの ゆうすけ)氏
FREITAG lab. Japan株式会社 ビジネスデベロップメントマネジャー
▼大塚 花(おおつか はな)氏
一般社団法人アップサイクル 事務局
モデレーター
▽瀧井 和篤(たきい かずしげ)氏
一般社団法人アップサイクル 事務局長
■セミナー概要
テーマ :サーキュラーエコノミー by デザイン
開 催 日 時:2024年11月28日(木)18:30-20:30
会 場:ネスカフェ原宿(東京都渋谷区神宮前1-22-8)
イベントには企業の担当者から大学生まで幅広い世代が参加し、脇野氏による講演やパネルディスカッションに加え、参加者同士の交流会も行われ、多様な意見が活発に交わされる充実した内容となりました。
それでは、イベントで紹介されたFREITAG(フライターグ)の取り組みの中から、特に注目すべきトピックを以下にご紹介します。
再利用から創造へ、FREITAGの歩み
FREITAGは、使用済みトラックタープを再利用した唯一無二の1点もののバッグやアクセサリーのブランドで、1993年にスイス・チューリッヒで、デザイナーのFreitag(フライターグ)兄弟により誕生したブランドです。
そのユニークなコンセプトとデザインで人々を魅了し、世界中にファンを抱えています。また、同ブランドは、使い捨て文化へのアンチテーゼを掲げ、トラックのホロ(防水シート)やエアバッグなどの廃材をバッグへと生まれ変わらせるアップサイクルを追求しています。
捨てる文化から循環へ、FREITAGの取り組み
FREITAGのアプローチは、リサイクルやリペアを中心に据えたサステナビリティの実現です。例えば、MONO PA6という全てのパーツを単一素材(ポリアミド6)で作られたバッグは、バッグとしての役割を終えた後に工場で粉砕し、新たなバッグや素材へと再生させる「循環型素材」を使用しています。これにより、製品が最終的に廃棄物とならず、循環するシステムを構築することを目指しています。
さらに、全世界でリペアサービスの充実を図り、修理可能な製品を提供することで、消費者に「長く使う」という選択肢を提示しています。
新しい購買体験、アンチ・ブラックフライデー
FREITAGは、消費を促進するブラックフライデーの商業文化に対抗し、「購入ではなく交換」をテーマとしたイベントを全世界の直営店で開催したそうです。このイベントでは、顧客自身が使わなくなったバッグを持参し、お互いに気に入ればその場で交換することができるという、購入に頼らない価値を提供し、注目を集めました。
パネルディスカッション
次に行われたパネルディスカッションでは、『「デザイン」の力とサーキュラーエコノミーを考える』をテーマに活発な議論が展開されました。
たとえば、「アップサイクルを広めるには何が必要か」という問いに対し、FREITAGの脇野氏は「人に話したくなるような体験を作ることが重要」と回答。さらに、ブランドの哲学がどのように人々に伝わるのかについても、具体的な視点から語られました。
また、このディスカッションには一般社団法人アップサイクルにてインターン活動中の大学生も登壇し、同社の組織体制や働き方について率直な感想を共有。若い世代の視点から見たFREITAGの魅力が語られる場面もありました。
交流セッション
最後に行われた交流セッションでは、会場のネスカフェが提供するコーヒーを片手に、登壇者と参加者が一緒に交流を深めるひとときがありました。このセッションでは、ブランドが掲げる「循環」や「アップサイクル」というテーマに共感する人々が自然と集まり、環境問題への具体的な取り組みや、アップサイクルを日常生活に取り入れるためのヒントなど、さまざまなアイデアや価値観が活発に共有されました。
まとめ
今回のイベントは、FREITAGが提唱するアップサイクルと循環型社会のビジョンを共有し、参加者がその意義を深く理解する貴重な機会となりました。日常生活にアップサイクルをどのように取り入れるかについてのアイデアや共感は、参加者一人ひとりの中に持ち帰られ、今後の新たな行動へとつながっていくことが期待されます。