2019年の設立以来、多様な活動を通じて、学内外でのSDGsへの理解と関心を深めるための努力を続けている「SDGs学生団体 綾いと」。今回は綾いとのビジョン、ミッション、そして日々の活動について、芝浦工業大学2年生の百瀬さんにMIRASUS編集部がお話を聞きました。
「SDGs学生団体 綾いと」設立の経緯
―団体の設立年、設立目的、立ち上げの経緯を教えてください。
団体設立は2019年です。SDGsを他人事化ではなく自分事化することを目的に、芝浦工業大学の学生によって設立されました。
―団体名の由来を教えてください。
「綾いと」とは美しい色とりどりの糸であり、様々な色を組み合わせることで多様な表情をします。 SDGsも17のゴールが複雑に関わり合いを成しているため、達成するには連携が必要不可欠です。 そこで、私達は多様な主体を紡ぎ、無限の可能性を生み出していきたいと考え、「綾いと」という団体名で活動をしています。
―団体のビジョン・ミッションを教えてください。
現在、日本全体で SDGs への関心が高まっています。そんな中、芝浦工業大学では一部SDGsを取り入れているものの、学内でSDGsを知らない人、あるいは、知っているが正しく理解していない人が多くいるというのが現状です。
そこで、私たち団体は「一人でも多くの人にSDGsを他人事とせずに 『問題意識』を持ってもらう」ことを目的に活動しています。
- 連携した活動を積極的に行う
- 「私達」の変革を図る
- 大学キャンパスを持続可能な環境にする
上記の3つを柱に、まず学生のSDGsへの関心や意識を高めるため環境を整え、 次に、学生が SDGs に関する意欲的な企画・実行ができる機会の提供に取り組んでいます。最終的に、この自発的な学生の活動が学内から地域や企業、さらには海外を巻き込み徐々に芝浦工業大学のSDGs 輪を広げることを目標としています。
具体的な活動内容
―現在の主な活動を教えてください。
東大宮ハレノテラスで地域の子どもたちを対象にペットボトルの工作を通じてSDGsに関して関心を持ってもらう活動を行いました。。
また、レモネードスタンド普及協会が提唱するレモネードスタンド活動に賛同し、芝浦祭という芝浦工業大学の文化祭では、例年3日間に渡ってレモネードスタンドを出店しています。
そして、そこでの売上を、レモネードスタンド普及協会を通じてJCCGなどの小児がん支援団体へ寄付しています。
―レモネードスタンド活動とはどのような活動でしょうか?
レモネードスタンド活動は、小児がんの支援を目的とした社会貢献活動です。アメリカで始まったこの活動は、子どもたちがレモネードを作って販売することで、小児がん治療のための寄付を集めるものです。
アメリカで小児がん患者の少女によって始められ、「自分と同じような病気の子どもたちのために治療の研究費を病院に寄付したい!」と自宅の庭にレモネードスタンドを開き、この活動がTVなどのメディアにも取り上げられ、全米に知られるようになったそうです。その後、日本にもその活動が広がりました。
―子どもたちにSDGsに関心を持ってもらうための活動とは具体的にどのような?
東大宮ハレノテラスという商業施設で、子どもたちが参加できるワークショップを開催しました。このワークショップでは、2リットルのペットボトルの下部を切り取り、10月でハロウィンということもあり、画用紙や包帯で装飾し、中にお菓子を入れられるものを作りました。
捨てられがちなペットボトルをリサイクルし、新たな用途で使用できることを子どもたちに伝えることが活動の目的です。1日で延べ50名ほどの子どもたちにワークショップに参加してもらいました。
―地域との連携もあるのですか?
はい、地域のクリーン活動について、青年会が主催するゴミ拾い活動に参加しています。地域の夏祭りに参加することもあり、地域交流を図っています。
―現在のメンバー数と組織構成を教えてください。
代表1名、副代表1名、会計1名、渉外2名を含む合計13名で活動を行っています。
団体活動の特徴とは?
―他団体と違う何かユニークな特徴があれば教えてください。
人数が少ない分全員が活発的に動いています。一人一人が何かしらの企画を持ち込み、うまく分業することで団体を動かしています。形としては代表がいますが、全員が代表のようにリーダーシップをもって活動しているのが大きな特徴です。
―活動を行う中でのやりがいや、反対に大変なことを教えてください。
大変なことは0から1を作り上げることです。文化祭のとき、来場者がよりSDGsに関心を持ってもらえるように、コップやポスターなどのデザインを工夫したり、ハレのテラスでのイベント時により子どもたちにSDGsについて関心を持ってもらうにはどうすれば良いかを考えたり、どれも初めての取り組みが多く、苦労した点は多かったです。
ただ、試行錯誤の上に行った企画が成功したときは、やはり苦労した分やりがいを感じられます。あとは、実際に自分たちの活動に参加してくれた人からかけてもらえる言葉は嬉しいですね。
レモネードスタンド活動では、募金をして下さった方が、今まで募金をする機会があまりなかったようで、今回募金ができたことに対して感謝の言葉を頂きました。
―団体に入ってからの学びや気づきなどがあれば教えてください。
大学に入って間もない頃は、社会人や大人の方との関わりが少なく、この団体での活動を通して、実際のやり取りや話し合いの進め方を学びました。また、SDGsに関しても自分が今まで知らなかった活動や、それまで気づかなかった新たな視点からの貢献など、多くの学びがありました。
―最後に、今後の活動方針について教えてください。
今後は学校祭でのSDGsイベントの開催、地域の方々と連携してショッピングモールでのSDGsイベント、普段廃棄されているおからを使用した商品の提案を企画中です。
―今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。
今回活動をご紹介した「SDGs学生団体 綾いと」のページはこちら
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