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地方創生に関わる仕事とは?注目理由や仕事内容・種類・関わり方をデータで整理

地方創生に関わる仕事とは?注目理由や仕事内容を紹介!

地方創生に関わる仕事とは、人口減少や過疎化といった地域の課題に対し、観光・産業・移住支援・人材育成・計画づくりなどを通じて地域の持続性を高める仕事の総称です。自治体職員や地域おこし協力隊のように名前がはっきりした職種もあれば、民間企業やNPOの一部の業務として関わる形もあり、入口は一つではありません。

2025年6月には政府が「地方創生2.0基本構想」を閣議決定し、2025年度の地域おこし協力隊員は過去最多の8,196人に達しました。地方創生に関わる仕事を取り巻く状況は、数年前から大きく動いています。この記事では、仕事の内容と種類を整理したうえで、最新の制度や数字、誤解されやすい点、自分に合う関わり方の選び方までをまとめます。

この記事で学べること

  • 地方創生に関わる仕事が注目される理由を、最新のデータで確認できる
  • 仕事の3つの内容と、自治体・協力隊・企業人材・民間など入口ごとの違いが分かる
  • 地域おこし協力隊の最新の数字と、移住を伴わない関わり方も含めた制度を知れる
  • 自分に合う関わり方を選ぶ3つの問いと、今の時期にできる最初の一歩が分かる

地方創生とは何か|2014年の「1.0」から2025年の「2.0」へ

地方創生に関わる仕事を理解するには、まず政策の流れを押さえておくと全体像がつかみやすくなります。ここでは、制度の出発点と、2025年に起きた方針の転換を順に見ていきます。

地方創生の出発点とこれまでの経緯

地方創生は、地方の人口減少と東京圏への人口集中に歯止めをかけ、それぞれの地域で暮らしやすい環境を確保することを目的に始まりました。政府は2014年9月に「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、内閣総理大臣を本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」を設置しています。同年12月には長期ビジョンと総合戦略が策定され、2020年度からは第2期の総合戦略が動き出しました。

この10年あまりで、移住相談の窓口、地域おこし協力隊、企業版ふるさと納税など、地域に人や資金を呼び込む仕組みが数多く整えられました。地方創生に関わる仕事の多くは、こうした制度の現場を担うものです。

2025年6月に決まった「地方創生2.0」で何が変わったか

2025年6月13日、政府は「地方創生2.0基本構想」を閣議決定しました。内閣官房の資料によると、構想は今後10年を見据えた方向性を示すもので、14の定量的な目標と、5つの柱が置かれています。5つの柱は次のとおりです。

  • 安心して働き、暮らせる地方の生活環境の創生
  • 稼ぐ力を高め、付加価値を生み出す新しい地方経済の創生
  • 人や企業の地方分散
  • 新時代のインフラ整備とAI・デジタルなど新技術の活用
  • 広域での連携

大きな転換点は、人口が減ること自体を前提として受け止めたうえで、地域の経済や暮らしをどう維持するかに軸足を移したことです。基本構想では、1.0の反省点として自治体間の人口獲得競争が激しくなったことなどが挙げられています。また、都市と地方の交流を広げる指標として、関係人口を実人数で1,000万人、延べ人数で1億人とする目標も盛り込まれました。

仕事の現場にとっての意味

この転換は、地方創生に関わる仕事の中身にも影響します。移住者の数を競う仕事より、地域に関わる人を増やし、地元の事業者や住民と一緒に稼ぐ仕組みや暮らしの機能を守る仕事の比重が高まっていくと考えられます。移住しなくても関われる形が政策の中で位置づけられたことは、仕事を探す人にとって選択肢が広がったことを意味します。

地方創生に関わる仕事が注目される理由|データで見る地域の現状

仕事の種類を見る前に、なぜいま担い手が求められているのかをデータで確認します。理由は大きく、人口の見通し、暮らしの機能の縮小、担い手不足の3つに分けられます。

人口減少が地域の存続に直結している

2024年4月、民間有識者でつくる人口戦略会議は、2020年から2050年にかけて20〜39歳の女性人口が50%以上減ると推計される744の自治体を「消滅可能性自治体」として公表しました。全国の自治体の約4割にあたります。10年前の2014年に日本創成会議が示した896自治体からは減ったものの、出生数の低下という大きな流れは変わっていないと指摘されています。

この推計は将来の確定した姿ではなく、現在の傾向が続いた場合の試算です。裏を返せば、働く場や暮らしやすさを整える取り組みによって、数字を変える余地があるということでもあります。

暮らしを支える機能が少しずつ縮んでいる

人口流出が続く地域では、次のような変化が重なって起こります。

  • 少子高齢化の進行と、雇用先の減少
  • 行政サービス水準の低下
  • 医療機関や小売店など生活関連サービスの縮小
  • 公共交通機関の撤退や縮小
  • 空き家や空き店舗の増加
  • 地域の防災力の低下
  • 祭りなど伝統行事の担い手不足

どれか一つが原因というより、互いに影響し合って都市部への流出をさらに促す悪循環になりやすい点が課題です。この循環を断ち切るために、観光、産業、福祉、教育、インフラなど、それぞれの分野の専門性を持つ人が必要とされています。

人手不足と「関わる人」の確保が課題になっている

地方では、事業を続けたくても働き手がいないという声が多く聞かれます。そこで国は、移住という大きな決断をしなくても地域に関われる制度を増やしてきました。後ほど紹介する地域活性化起業人や特定地域づくり事業協同組合は、その代表例です。地方創生に関わる仕事が注目される背景には、地域の側が多様な形の担い手を求めているという事情があります。

地方創生に関わる仕事の3つの内容

地方創生に関わる仕事は幅広く見えますが、中身は大きく3つに整理できます。職種名が違っても、多くの仕事はこのどれかに当てはまります。

地域の魅力をつくり、発信する

移住者や訪れる人を増やすには、その地域ならではの魅力が必要です。観光スポットや体験プログラムをつくる、特産物を使った食品や工芸品を開発する、といった仕事がここに入ります。地元の人と一緒に進める点が大切で、外から来た人が一方的に企画を決める形では長続きしにくいとされています。

発信の仕事も重要です。自治体や事業者によるSNSや動画の発信が増え、遠くに暮らす人や若い世代にも情報が届きやすくなりました。ただし、情報を届けるだけでなく、問い合わせた人を受け止める窓口や体験の機会までつなげて初めて、関係づくりにつながります。

人を育て、迎え入れる

地域の外から人材を迎えることは有効ですが、外部の人だけに頼る形では、担い手が去ったときに活動が止まってしまいます。そのため、地元の人と協力して進めること、そして自分の専門性を地元の人に伝えて育てることが、この分野の仕事の核になります。商品開発、広報、ITなど、得意分野を地域に残していく役割です。

採用や受け入れの仕事もここに含まれます。移住希望者の相談を受ける、地元企業と求職者をつなぐ、受け入れ後の暮らしを支える、といった地道な支援が、定着率を左右します。

課題を調べ、計画を立てる

課題の根本原因を把握しないまま計画を立てても、成果は出にくくなります。人口や産業のデータを分析する、住民の声を聞く、他地域の事例と比べるといった調査を重ね、「どこを変えれば地域が動くのか」を見極めるのが、計画づくりの仕事です。自治体の総合計画づくり、コンサルタントによる調査、コミュニティデザイナーによる住民参加の場づくりなどが該当します。

地方創生に関わる仕事の種類|入口別に見る5つの関わり方

職種を一覧で並べるだけでは、自分にとっての入口が見えにくくなります。ここでは「どんな立場で関わるか」で5つに分けて紹介します。数字は総務省などの公表資料に基づく最新のものです。

自治体職員として関わる

観光課、産業振興課、企画課、移住定住の担当部署に配属されると、地域活性化の仕事に直接携わります。地方公務員は、制度や予算を使って継続的に地域を支える役割です。採用方法は自治体ごとに異なるため、受験を考える場合は各自治体の募集要項で確認する必要があります。

地域おこし協力隊として関わる

地域おこし協力隊は、都市部から過疎地域などに生活の拠点を移した人が、自治体から委嘱を受けて地域協力活動に取り組む制度です。総務省が2026年4月24日に公表した調査によると、2025年度の隊員数は過去最多の8,196人でした。前年の2024年度は7,910人で、取り組む自治体は1,176団体と、受け入れ可能な自治体の約8割にのぼります。

任期終了後の進路も公表されています。2019年4月から2024年3月までの5年間に任期を終えた8,034人のうち、約68.9%にあたる5,539人が、活動した地域と同じ市町村または近隣の市町村に定住しました。長野県のように、2025年度の受入隊員数が477人で全国2位、定住率が78.0%と高い水準を保つ県もあります。

企業に勤めながら関わる

地域活性化起業人は、三大都市圏の企業の社員が、自社のノウハウを生かして一定期間、地方自治体の業務に従事する総務省の制度です。総務省の2025年4月の公表資料によると、2024年度は企業派遣型が780人、副業型が91人の計871人で、活用した自治体は439団体でした。転職や移住をせずに、会社員のまま地域の課題に取り組める入口として広がっています。

地域内で複数の仕事を組み合わせて働く

特定地域づくり事業協同組合は、人口急減地域の事業者が組合をつくり、都市部からの移住者などを組合の職員として雇用する仕組みです。職員は、人手不足の組合員の事業所にマルチワーカーとして派遣され、季節ごとに農業、宿泊業、小売りなどを行き来して働きます。総務省は、2024年4月1日時点で派遣職員が833人、仕事を組み合わせた事業者が843事業者と報告しています。年間を通した仕事を一つの事業者では用意できない地域でも、安定した雇用を生む工夫です。

民間企業やNPOの専門職として関わる

この入口には、次のような職種があります。

  • コンサルタントやシンクタンク(地方創生の進め方の設計、調査)
  • プロモーションやブランディング会社(地域の魅力発信、アンテナショップ運営)
  • 建設業やインフラ事業者(道路、水道、建物の整備)
  • コミュニティデザイナー(ワークショップ運営、住民と行政の橋渡し)
  • 人材育成を担うNPOや一般社団法人

コミュニティデザイナーは、建物などの「もの」ではなく、人が集まる場や人同士のつながりをデザインする仕事です。地方創生という言葉からは想像しにくい職種ですが、地域に関わる専門職として重要性が増しています。

「地方創生の仕事」で誤解されやすい3つの点

仕事に興味を持った人が、実際に動き出す前につまずきやすい点があります。ここでは、よくある誤解を3つに絞って整理します。

「移住して地域に貢献する」だけが正解ではない

地方創生に関わる=地方に移住するというイメージを持たれがちですが、前章のとおり、会社員のまま関われる地域活性化起業人や、副業型の制度もあります。移住は一つの手段で、関わり方の全てではありません。生活の事情で移住が難しい人も、仕事の経験を生かす道があります。

地域おこし協力隊は「任期後の道」を自分で描く制度でもある

協力隊の任期は最長3年間です。定住率は約7割と報告されていますが、見方を変えれば、約3割は同じ地域に定住していません。定住率が高い=全員が地域に残るべき、というわけではなく、その地域で何を身につけ、任期後にどう暮らし、どう働くかを自分で考える必要があります。

また、協力隊の活動内容や待遇は自治体ごとに異なります。応募前に、活動内容、サポート体制、任期後の起業や就業の支援について、自治体に具体的に確認することが大切です。

外から来た人が「課題を解決する」わけではない

地方創生の現場では、外から来た人が地域を変えるというより、地域の人が長年続けてきたことを土台に、新しい視点や技術を持ち込んで一緒に形にする場面が多くあります。地域の歴史や人間関係に敬意を持ち、まず話を聞く姿勢が、信頼を得る近道です。

自分に合う関わり方の選び方と、今の時期にできる最初の一歩

選択肢が多い分、どこから動けばよいか迷う人も多いはずです。ここでは判断の軸と、10月の今から動ける行動を具体的にまとめます。

3つの問いで入口を絞る

次の3つに答えると、向いている入口が見えてきます。

  1. 生活の拠点を移せるか。移せるなら協力隊や特定地域づくり事業協同組合、移せないなら起業人や副業、専門職が候補になります。
  2. 自分のどんな経験を生かしたいか。広報、IT、営業、福祉、建築など、経験が活きる分野から探すと、地域との接点を見つけやすくなります。
  3. どのくらいの期間、地域に関わりたいか。数か月の副業から、3年間の協力隊、定住まで、期間によって制度が変わります。

今の時期にできる行動

募集時期は制度や自治体ごとに異なりますが、秋のこの時期は、来年度に向けた情報収集を始めるのに適しています。まず、関心のある地域の自治体サイトで協力隊や移住支援の募集情報を確認してみてください。移住相談会やオンライン説明会に参加すると、現地の担当者から暮らしや仕事の実情を直接聞けます。

その際は、短期の滞在やボランティア、ふるさと納税などで関係をつくってから、本格的な関わり方を決める方法もあります。「関係人口」としての小さな接点から始めて、合うと感じたら深めるという順番でも遅くはありません。

SDGs目標11とのつながり

SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」は、誰も排除せず、都市や居住地を安全で持続可能にすることを掲げています。日本では地方創生の観点から取り上げられることが多い目標で、地域の仕事に関わることは、この目標に具体的な形で貢献する行動の一つです。ただし、仕事に就いたからといって自動的に目標の達成に結びつくわけではありません。地域の人が望む暮らしを一緒に考え、続けられる形にしていく過程が大切です。

まとめ

地方創生に関わる仕事は、地域の魅力づくりと発信、人材の育成と受け入れ、課題の調査と計画づくりの3つに整理できます。担い手は自治体職員や協力隊に限らず、企業人材、地域内で働くマルチワーカー、民間の専門職など、入口が広がっています。2025年度の地域おこし協力隊は過去最多の8,196人となり、政策も「地方創生2.0」で関係人口や広域連携を重視する方向に進みました。

一方で、移住しなければ関われないわけではなく、協力隊の任期後は自分で道を描く必要があるなど、事前に知っておきたい点もあります。地域の人の声に耳を傾け、長く続けられる関わり方を選ぶことが、結果的に地域のためにも自分のためにもなります。

まず1つだけ試すなら、気になる地域の自治体サイトで、協力隊や移住相談の情報を一度のぞいてみてください。

  • 地方創生に関わる仕事は、魅力の発信、人材の育成と受け入れ、課題の調査と計画の3つに整理できる
  • 2025年6月に「地方創生2.0基本構想」が閣議決定され、人口減少を前提にした地域づくりへ方針が転換した
  • 2025年度の地域おこし協力隊は過去最多の8,196人で、任期後に約7割が同じ地域に定住している
  • 起業人、副業、特定地域づくり事業協同組合など、移住しなくても関われる入口がある
  • 生活拠点、生かしたい経験、関わる期間の3つの問いで、自分に合う関わり方を絞れる

参考文献

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事

鹿児島県在住のフリーライター。コーヒーをきっかけにSDGsを知り、興味をもつように。普段は、ライフスタイルやSDGsに関する記事を執筆しています。

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