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ENVIRONMENT

ナノプラスチックとは?人体への影響をわかりやすく解説

ナノプラスチックとは?人体への影響をわかりやすく解説

私たちの身の回りにあふれるプラスチック製品が、目に見えないほど小さな粒子となって環境中に広がり、知らず知らずのうちに人体に取り込まれている可能性があることをご存じでしょうか。マイクロプラスチックよりもさらに微細な「ナノプラスチック」は、血液中にまで侵入し、これまで以上に深刻な健康リスクをもたらす可能性が指摘されています。本記事では、この新たな環境問題について、最新の研究成果とともに詳しく解説します。

この記事で学べるポイント

  • ナノプラスチックの定義とマイクロプラスチックとの違い
  • 人体への取り込み経路と血液中への移行メカニズム
  • 日常生活でできる具体的な対策と予防方法

ナノプラスチックとは?基本的な定義と特徴

ナノプラスチックとは?基本的な定義と特徴

ナノプラスチックとは、マイクロプラスチックよりもさらに小さなプラスチック粒子のことを指します。その大きさは想像を絶するほど微細で、肉眼では全く見ることができません。

一般的にマイクロプラスチックは直径1マイクロメートル(1mmの1,000分の1)から5mmまでのプラスチック粒子とされています。一方、ナノプラスチックの定義については研究機関によって若干の違いがありますが、現在最も広く受け入れられているのは「直径1ナノメートルから1マイクロメートル未満」とする定義です。

1ナノメートルは1mmの100万分の1という途方もない小ささです。例えば、髪の毛の太さを80マイクロメートルとすると、ナノプラスチックはその8万分の1以下ということになります。この極小サイズゆえに、ナノプラスチックは従来のプラスチック汚染とは全く異なる特性と危険性を持っています。

マイクロプラスチックとの違い

ナノプラスチックとマイクロプラスチックの最も重要な違いは、生物の体内での挙動にあります。マイクロプラスチックの場合、摂取されても消化系から排出される可能性が高いとされています。しかし、ナノプラスチックは粒子が極めて小さいため、消化管の壁を通過して血液中に侵入し、さらには細胞や組織の内部にまで到達する可能性があります。

また、ナノプラスチックは表面積の占める割合が非常に大きいため、海水中の有害物質をより多く吸着する特徴があります。このため、有害物質を運ぶ「運び屋」としての役割がマイクロプラスチック以上に強くなる可能性が指摘されています。

実際に、東京農工大学の研究チームが行った分析では、複数の人の血液中からナノプラスチック粒子が検出され、同時に紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害物質も見つかっています。これは、ナノプラスチックが有害化学物質を体内に運び込んでいる証拠として注目されています。

ナノプラスチックの発生メカニズム

ナノプラスチックが環境中に生成される過程は、主に既存のプラスチック製品の劣化によるものです。太陽光に含まれる紫外線、風雨による物理的な摩擦、温度変化などの影響で、プラスチック製品は徐々に劣化し、小さな破片に分解されていきます。

興味深いことに、東京大学の研究では、水中でのプラスチック劣化が特に深刻であることが明らかになっています。水中で紫外線にさらされたポリプロピレンは、表面が「うろこ状」に変化し、削り節のように薄くはがれやすい構造になることが確認されています。この現象は陸上では起こらず、水中特有の劣化プロセスとして注目されています。

プラスチック製品が海洋に流出し、波の作用と紫外線の影響を受け続けることで、マイクロプラスチックからさらに細かなナノプラスチックへと分解が進んでいくのです。この過程は不可逆的であり、一度生成されたナノプラスチックが自然に分解されることはほとんどありません。

ナノプラスチックの種類と環境中での存在状況

ナノプラスチックの種類と環境中での存在状況

ナノプラスチックは、その発生源によって「一次ナノプラスチック」と「二次ナノプラスチック」の2つに大別されます。それぞれ異なる特徴と環境への影響を持っているため、区別して理解することが重要です。

一次ナノプラスチックと二次ナノプラスチック

一次ナノプラスチックは、製造段階から意図的にナノサイズで作られたプラスチック粒子です。化粧品のスクラブ剤、歯磨き粉の研磨剤、医療用のドラッグデリバリーシステム、工業用コーティング材料などに使用されています。これらは特定の機能を持たせるために設計されたものですが、使用後に排水や廃棄を通じて環境中に放出される可能性があります。

一方、二次ナノプラスチックは、もともと大きなプラスチック製品が環境中で劣化・分解されて生成されるものです。ペットボトル、レジ袋、タイヤ、衣類の化学繊維など、私たちの日常生活で使われているあらゆるプラスチック製品が、時間の経過とともにナノプラスチックの発生源となります。

環境中に存在するナノプラスチックの大部分は、この二次ナノプラスチックであると考えられています。特に問題となるのは、プラスチックごみの不法投棄、河川の氾濫による拡散、農業用プラスチック資材の劣化、建設現場での摩耗などによる環境への流出です。

海洋・河川・土壌・大気中での分布状況

ナノプラスチックは、その小ささゆえに地球環境のあらゆる場所に広がっています。最新の研究により、その分布状況が徐々に明らかになってきました。

海洋においては、中国で行われた研究により、河川水1リットルあたり0.28〜0.79マイクログラムのナノプラスチックが含まれていることが判明しています。これを粒子数に換算すると、1リットルあたり数千万個のナノプラスチックが存在している計算になります。海洋に流れ着いたこれらのナノプラスチックは、プランクトンによって摂取され、食物連鎖を通じて魚類などの海洋生物に蓄積されていきます。

驚くべきことに、ペットボトル飲料水からも大量のナノプラスチックが検出されています。アメリカのコロンビア大学の研究によると、市販のペットボトル飲料水1リットルあたり平均約24万個のプラスチック粒子が含まれており、その90%がナノプラスチックであることが明らかになりました。この数値は、従来の推定値をはるかに上回るものでした。

大気中にもナノプラスチックは広く拡散しています。プラスチック製品を扱う工場からの放出、海上の波しぶきによる拡散、自動車タイヤの摩耗粉塵、衣類の化学繊維からの脱落、農業用肥料や農薬に含まれるプラスチック成分の飛散などが主な発生源となっています。これらは風によって広範囲に運ばれ、呼吸を通じて人体に取り込まれる可能性があります。

陸上の土壌中にも相当量のナノプラスチックが存在すると推定されています。産業技術総合研究所が開発した新しい測定技術により、土壌中のナノプラスチック濃度を正確に測定することが可能になりました。今後この技術を活用した調査により、土壌汚染の実態がより詳しく明らかになることが期待されています。

人体への取り込み経路と健康への影響

人体への取り込み経路と健康への影響

ナノプラスチックが人体に与える影響は、マイクロプラスチック以上に深刻である可能性が高いと考えられています。その極小サイズゆえに、従来のプラスチック汚染では起こり得なかった健康リスクが新たに浮上してきているのです。

体内への侵入ルート(呼吸・摂取・接触)

ナノプラスチックは主に3つのルートを通じて人体に侵入します。最も懸念されているのが呼吸による取り込みです。大気中に浮遊するナノプラスチックは、呼吸とともに肺に到達し、肺胞壁を通過して毛細血管に直接侵入することが確認されています。通常の異物であれば肺の防御機能によって排除されますが、ナノプラスチックは粒子が小さすぎて、この防御システムをすり抜けてしまいます。

飲食による摂取も重要な侵入ルートです。ペットボトル飲料水に含まれるナノプラスチックをはじめ、プラスチック容器に保存された食品、海産物を通じて摂取される可能性があります。特に魚介類の場合、海洋中のナノプラスチックが食物連鎖を通じて蓄積されているため、継続的な摂取により体内濃度が高くなるリスクがあります。

皮膚接触による侵入については、現在研究が進められている段階ですが、化粧品や日用品に含まれる一次ナノプラスチックが皮膚を通じて体内に取り込まれる可能性も指摘されています。

血液中への移行と蓄積のメカニズム

ナノプラスチックの最も危険な特徴は、血液中に移行し、全身に循環する能力にあります。従来のマイクロプラスチックは消化系から比較的短期間で排出される可能性が高いとされていましたが、ナノプラスチックは異なります。

東京農工大学の高田秀重教授らによる画期的な研究では、複数の人の血液からナノプラスチック粒子が実際に検出されました。これは国内初の発見であり、ナノプラスチックが血液脳関門や胎盤関門を通過する可能性を示唆する重要な発見でした。同時に、血液や腎臓、肝臓から紫外線吸収剤やPCBなどの有害物質も検出され、ナノプラスチックが有害化学物質の運搬役として機能していることが明らかになりました。

さらに衝撃的な発見として、ニューメキシコ大学の研究では、調査した妊婦のすべての胎盤からマイクロプラスチックが検出されたと報告されています。ナノプラスチックの場合、さらに小さいため胎盤を通過しやすく、胎児への直接的な影響が懸念されています。

生殖機能や細胞への影響

ナノプラスチックが人体に与える健康影響について、現在世界中で研究が進められていますが、すでにいくつかの深刻な影響が明らかになってきています。

細胞レベルでの影響として、ナノプラスチックが赤血球を破壊し、細胞内に侵入してミトコンドリアDNAに損傷を与えることが実験で確認されています。ミトコンドリアは細胞のエネルギー産生を担う重要な器官であり、その機能が損なわれることで細胞の正常な活動が阻害される可能性があります。

生殖機能への影響も重要な懸念事項です。高田教授は研究結果を受けて「摂取量が増えたり長期間蓄積したりすれば、生殖作用などに影響を与えることが懸念される」と指摘しています。ナノプラスチックは生殖器官にも到達する可能性があり、精子や卵子の形成に影響を与える可能性が研究されています。

免疫系への影響も見逃せません。ナノプラスチックが体内に蓄積することで慢性的な炎症反応が引き起こされ、免疫機能の低下や自己免疫疾患のリスクが高まる可能性が指摘されています。特に子どもや妊婦の場合、発達中の器官系への影響がより深刻になる可能性があります。

ナノプラスチックが生態系に与える深刻な問題

ナノプラスチックが生態系に与える深刻な問題

ナノプラスチックによる環境汚染は、単に人間の健康問題にとどまりません。地球全体の生態系に広範囲かつ深刻な影響を与え、生物多様性の維持を脅かす重大な環境問題となっています。

食物連鎖を通じた有害物質の濃縮

ナノプラスチックが生態系に与える最も深刻な影響の一つが、食物連鎖を通じた有害物質の生物濃縮です。このメカニズムは従来の環境汚染よりもはるかに複雑で危険性の高いものとなっています。

海洋中のナノプラスチックは、その表面積の大きさから、海水中に微量に存在するPCB、重金属、農薬などの有害物質を効率的に吸着します。一般的なプラスチック片と比較して、ナノプラスチックは単位重量あたりの表面積が圧倒的に大きいため、吸着できる有害物質の量も格段に多くなります。

これらの有害物質を吸着したナノプラスチックは、まず食物連鎖の最下位に位置するプランクトンによって摂取されます。プランクトンにとって、ナノプラスチックは通常の餌と区別がつかないため、大量に摂取してしまいます。プランクトンの体内では、ナノプラスチックに吸着された有害物質が放出され、体組織に蓄積されていきます。

このプランクトンを小型魚が捕食し、小型魚を中型魚が、中型魚を大型魚が捕食するという食物連鎖の過程で、有害物質の濃度は段階的に増加していきます。これは生物濃縮と呼ばれる現象で、食物連鎖の上位にいる生物ほど、体内の有害物質濃度が高くなります。

人間は多くの場合、食物連鎖の最上位に位置するため、最も高濃度に濃縮された有害物質を摂取することになります。これは従来の環境汚染では考えられなかったレベルの汚染物質暴露を意味し、長期的な健康への影響が深刻に懸念されています。

海洋生物と陸上生態系への影響

海洋生物への直接的な影響も深刻です。ナノプラスチックを摂取した魚類では、消化器官への物理的ダメージが報告されています。従来のマイクロプラスチックと異なり、ナノプラスチックは消化管の壁を通過して体組織に侵入するため、内臓器官への直接的な損傷を引き起こす可能性があります。

プランクトンへの影響は特に深刻で、ナノプラスチックの摂取により栄養吸収が阻害され、成長の遅れや繁殖能力の低下が確認されています。プランクトンは海洋生態系の基盤を支える重要な生物群であり、その個体数や健康状態の悪化は、海洋生態系全体のバランスを崩す可能性があります。

陸上生態系においても、土壌中のナノプラスチックが微生物や植物に影響を与えることが明らかになってきています。土壌微生物は植物の栄養吸収を助ける重要な役割を担っていますが、ナノプラスチックの存在により、その機能が損なわれる可能性があります。植物の根系がナノプラスチックを吸収した場合、光合成能力の低下や成長阻害が起こる可能性も指摘されています。

農作物への影響は、人間の食料安全保障にも直結する問題です。土壌中のナノプラスチックが農作物に取り込まれることで、食品を通じたナノプラスチックの人体摂取がさらに増加する悪循環が生じる可能性があります。

生物多様性への長期的な影響も懸念されています。特定の種がナノプラスチック汚染に対して脆弱である場合、その種の個体数減少や局所的な絶滅が起こる可能性があります。生態系は複雑な相互作用によって成り立っているため、一つの種の減少が連鎖反応を引き起こし、生態系全体の安定性を脅かす可能性があります。

日常生活でできる対策と予防方法

日常生活でできる対策と予防方法

ナノプラスチックの完全な回避は現実的ではありませんが、日常生活での工夫により暴露量を大幅に減らすことは可能です。個人レベルでの対策から、より効果的な予防方法まで、実践しやすい方法をご紹介します。

プラスチック使用を減らす具体的な方法

最も効果的な対策は、プラスチック製品との接触機会を減らすことです。まず飲食の面では、ペットボトル入り飲料水の使用を控え、浄水器を通した水道水や、ガラス瓶入りの飲料を選ぶことが重要です。研究によりペットボトル飲料水から大量のナノプラスチックが検出されているため、この対策は特に効果的です。

調理器具の選択も重要なポイントです。プラスチック製の調理器具は避け、木製や金属製(ステンレス鋼、鉄、銅など)の器具を使用しましょう。特に熱を加える調理では、プラスチックからナノプラスチックが放出される可能性が高くなるため、フライパンや鍋、お玉、菜箸などは非プラスチック素材を選ぶことが大切です。

食品保存についても見直しが必要です。プラスチック容器での食品保存を避け、ガラス容器や陶器、ホーロー容器を使用することを推奨します。また、電子レンジでの加熱時には、プラスチック容器は絶対に使用せず、耐熱ガラスや陶器を使用しましょう。

使い捨てプラスチック製品の使用も控えるべきです。コンビニエンスストアでもらうプラスチック製のスプーンやフォーク、ストローなどは、代わりに携帯用の金属製カトラリーや竹製ストローを持参することで回避できます。

衣類の選択にも注意が必要です。化学繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリルなど)の衣類は洗濯時にマイクロファイバーを放出し、それがナノプラスチックの発生源となります。可能な限り天然繊維(綿、麻、ウール、シルクなど)の衣類を選び、化学繊維の衣類を洗濯する際は専用の洗濯ネットを使用することで、繊維の脱落を減らすことができます。

空気清浄機の活用と呼吸器保護

大気中に浮遊するナノプラスチックから身を守るには、室内環境の改善が効果的です。高性能なHEPAフィルターを搭載した空気清浄機は、ナノサイズの粒子を効率的に除去する能力があります。特に寝室やリビングルームなど、長時間過ごす空間では空気清浄機の設置を検討しましょう。

換気の方法にも工夫が必要です。交通量の多い道路沿いや工業地域では、タイヤの摩耗粉塵や工場からのプラスチック粒子が多く飛散している可能性があるため、これらの時間帯や風向きを避けて換気を行うことが大切です。

屋外での活動時には、特に大気汚染の激しい地域や日において、高性能マスクの着用を検討することも一つの対策です。ただし、ナノプラスチックは極めて小さいため、一般的なマスクでは完全な防護は期待できないことを理解しておく必要があります。

住環境の選択も長期的な暴露量に影響します。可能であれば、プラスチック工場や大型道路から離れた場所での居住を検討し、室内では天然素材の家具やインテリアを選ぶことで、室内でのナノプラスチック発生を抑制できます。

今後の課題と研究の方向性

今後の課題と研究の方向性

ナノプラスチック問題の解決に向けては、まだ多くの課題が残されており、世界中の研究機関で活発な研究が進められています。科学技術の進歩と国際的な協力により、この問題への対応策が模索されています。

測定技術の開発状況

現在最も重要な課題の一つが、環境中や生体内のナノプラスチック濃度を正確に測定する技術の開発です。従来の測定技術では1マイクロメートル以上のプラスチック粒子しか検出できませんでしたが、産業技術総合研究所が開発した新しい技術により、土壌中のナノプラスチック濃度を測定することが可能になりました。

この技術は、ナノプラスチックと土壌粒子の吸光度スペクトルの違いを利用するもので、従来法では不可能だった土壌試料中のナノプラスチック濃度の直接測定を実現しています。測定下限は0.2mg/gで、変動係数10%以内の精度を達成しています。

国立環境研究所でも、5種類の主要な汎用樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなど)について、標準的なナノプラスチック粒子の作製技術を開発しています。これらの標準物質により、環境中のナノプラスチック分析や毒性試験の信頼性が大幅に向上することが期待されています。

今後は、海水、河川水、大気、生体組織など、より多様な試料中のナノプラスチックを迅速かつ正確に測定できる技術の開発が急務です。また、ナノプラスチックの種類を特定し、付着している有害物質まで同時に分析できる技術の確立も重要な課題となっています。

国際的な取り組みと規制動向

ナノプラスチック問題は地球規模の環境問題であり、一国だけの取り組みでは解決できません。現在、国際的な枠組みでの対策が検討されています。

環境省では、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた政府間交渉が進められており、2024年12月には第5回政府間交渉委員会が開催されました。この条約では、マイクロプラスチックやナノプラスチックの発生抑制も重要な議題として取り上げられています。

ヨーロッパでは、微小なプラスチック粒子(マイクロビーズ)の使用制限が進んでおり、歯磨き粉や化粧品への使用が段階的に禁止されています。これらの規制は、一次ナノプラスチックの環境への放出を削減する重要な取り組みです。

日本国内でも、2019年に制定されたプラスチック資源循環促進法により、プラスチックのライフサイクル全体を通じた3R(リデュース、リユース、リサイクル)+リニューアブル(再生可能資源への代替)の推進が進められています。

今後は、ナノプラスチックの人体や環境への影響に関する科学的知見の蓄積、効果的な除去・回収技術の開発、生分解性プラスチックの普及促進、そして消費者の行動変容を促す教育啓発活動が重要になります。

特に重要なのは、プラスチック代替素材の研究開発です。海洋で完全に分解される生分解性プラスチックや、植物由来のバイオプラスチックの技術革新により、根本的な解決策が見つかる可能性があります。

ナノプラスチック問題は、私たちの便利な生活を支えてきたプラスチックとの付き合い方を根本的に見直すことを求めています。個人レベルでの対策と、社会全体での取り組みを両輪として、持続可能な未来に向けた行動を起こすことが今求められているのです。

参照元
・国立研究開発法人国立環境研究所「マイクロプラスチックより小さい”ナノプラスチック”とは」 https://www-cycle.nies.go.jp/magazine/mame/202303.html

・国立研究開発法人産業技術総合研究所「土壌中のナノプラスチック濃度の測定技術を開発」 https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20240614/pr20240614.html

・国立研究開発法人国立環境研究所「5大汎用樹脂のナノプラスチック標準粒子の作製に成功」 https://www.nies.go.jp/whatsnew/20211102/20211102.html

・東京大学海洋アライアンス「海の雑学」 https://www.oa.u-tokyo.ac.jp/column/trivia/0029/index.html

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