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SOCIETY

飢餓ゼロに向けて私たちにできること|食品ロス削減から寄付まで具体的な行動を解説

飢餓ゼロを目指すためには?私たちにできることから始めよう

世界では今も7億人以上が慢性的な飢餓状態にあり、「食」の問題は遠い国の話ではありません。日本国内でも年間約472万トンの食品が廃棄され、食料自給率は約38%にとどまっています。飢餓の構造は複雑ですが、個人の行動が積み重なれば確実に変わります。この記事では、最新データをもとに飢餓の現状を整理したうえで、今日から実践できる具体的な行動を紹介します。

世界の飢餓の現状|2024年最新データ

FAO(国連食糧農業機関)が2024年に発表した「世界の食料安全保障と栄養の状態(SOFI 2024)」によると、2023年時点で慢性的な飢餓・栄養不足に苦しむ人口は約7億3,300万人と報告されています。これは世界人口の約9人に1人に相当します。2015年の持続可能な開発目標(SDGs)採択当初に比べて飢餓撲滅への進捗は停滞しており、気候変動・武力紛争・経済的ショックの三重苦が主な要因とされています。

地域別では、サハラ以南アフリカで飢餓率が特に高く、全人口の約20%以上が食料不足の状態にあると推計されています。アジア・太平洋地域でも絶対数は多く、改善ペースは鈍化していると報告されています。さらに、「隠れた飢餓」と呼ばれる微量栄養素(鉄・亜鉛・ビタミンAなど)の不足は世界で20億人以上に影響しており、カロリーだけを見た統計では実態が見えにくい点も課題です。

一方で食料廃棄の問題も深刻です。FAOの推計では、世界で生産される食料のうち約3分の1にあたる年間約13億トンが廃棄または損失されています。飢餓に苦しむ人が7億人以上いる一方で、年間13億トンの食料が捨てられているという矛盾は、供給量そのものよりも「分配・アクセスの失敗」が飢餓の本質的な原因であることを示しています。

日本と世界の食料格差|身近な数字で考える

日本の食品ロスは、農林水産省・環境省の2022年度推計で約472万トンです(2024年公表値)。前年度比51万トン減とやや改善傾向にありますが、依然として東京ドーム約4杯分に相当する量が毎年廃棄されています。1人1日あたりに換算すると、茶碗約1杯分の食料を毎日捨てている計算になります。

食料自給率(カロリーベース)は2023年度に38%と報告されています(農林水産省)。食料の6割以上を海外に依存している状況は、輸入先となる途上国の農業構造とも無関係ではありません。輸出向けに大量の農地・水・労働力が使われることで、現地の食料安全保障が圧迫されるケースも指摘されています。日本が消費する食料の「裏側」にある構造的な問題を知ることは、個人の選択を考えるうえでも重要です。

こうした数字を「他人事」にせず、自分の日常と結びつけるところが出発点になります。

食品ロスを減らす|日常でできる7つの行動

食品ロスの削減は、飢餓問題への直接的な貢献であると同時に、家計の節約にもつながります。環境省は個人・家庭レベルの食品ロス削減を「もったいない削減アクション」として推進しており、以下のような行動が有効とされています。

  • 消費期限・賞味期限の近い商品から購入する(手前取り)
  • 冷蔵庫の在庫を確認してから買い物に出かける
  • 必要な量だけ購入し、作りすぎない
  • 野菜の皮や茎など捨てがちな部分を活かすレシピを取り入れる
  • 食べ残しはすぐ保存し、翌日の料理に回す
  • フードシェアリングサービス(規格外品・訳あり品の購入)を利用する
  • フードバンク・フードドライブに未使用食品を提供する

フードバンクとは、安全に食べられるにもかかわらず包装の破損や賞味期限が近いなどの理由で市場に流通できない食品を、企業や農家から寄付してもらい、生活困窮世帯や福祉施設に無償で提供する活動です。フードドライブは、家庭に余っている未開封食品を職場や学校に持ち寄り、フードバンクを通じて届ける取り組みで、2024年以降は全国の自治体・スーパーで常設回収ボックスを設置する動きが広がっています。

地産地消と食料自給率の引き上げ|選ぶだけで構造が変わる

「地産地消」とは、地域で生産された農林水産物をその地域で消費する取り組みです。農林水産省は地産地消を食料自給率向上策の一つと位置づけており、ファーマーズマーケット・産直市場・スーパーの地産地消コーナーなど、購入の場も広がっています。

地産地消には、食料自給率を引き上げる効果だけでなく、輸送距離(フードマイレージ)の短縮によるCO₂削減という環境面のメリットもあります。2024年度の農林水産省の資料では、フードマイレージ削減への意識が高まり、地元産野菜を選ぶ消費者が増えているとされています。

輸入先の途上国では、輸出向け農作物(コーヒー・カカオ・バナナなど)の生産に多くの農地・水・労働力が集中するため、地域住民の食料確保が二次的な優先事項になってしまうことがあります。日本の消費者が国産・地域産の食料を選ぶことは、こうした構造的な問題を緩和する一助になります。まず「外国産より国産」という意識から始め、慣れてきたら「国産より地元産」へとステップアップするのが現実的です。

飢餓と食料自給率の関係についてさらに知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

フェアトレード商品を選ぶ|生産者の生活を支える消費

飢餓の背景には、農業従事者が適切な対価を受け取れない貿易構造があります。フェアトレードは、途上国の生産者が最低価格(フェアトレード最低価格)と社会開発のためのプレミアムを受け取れるよう設計された取引の仕組みです。

フェアトレード認証機関「Fairtrade International」の報告によると、2023年時点でフェアトレード認証を受けた農家・労働者は世界200万人以上にのぼります。フェアトレードプレミアム(割増金)は農村インフラの整備・学校建設・農業研修などに使われており、生産者コミュニティの食料安全保障を高める効果も確認されています。

日本国内でもフェアトレードコーヒー・チョコレート・バナナ・コットン製品は入手しやすくなっています。スーパーのオーガニック・エシカルコーナーや、オンラインショップで取り扱いが増えており、日常の買い物の中で選択できる機会は確実に広がっています。「少し高くても、誰かの生活を守る価格を払う」という視点で商品を選ぶことが、飢餓の構造的な解決につながります。

フェアトレードの仕組みと選び方をより詳しく知りたい方には、こちらの記事が参考になります。

寄付・募金で直接支援する|信頼できる団体を選ぶポイント

個人の行動変容と並行して、専門機関への支援も飢餓解決に直結する手段です。WFP(国連世界食糧計画)の試算では、1食あたりの食料支援コストは約50円から150円程度とされており、月に数百円〜数千円の定期寄付でも継続的な支援につながります。

寄付先を選ぶ際には、以下のポイントを確認することが大切です。

  • 活動報告・財務報告が公開されているか(透明性)
  • 認定NPO法人・公益財団法人など第三者認証を受けているか
  • 支援内容が緊急食料支援だけでなく農業・教育・インフラ整備など自立支援も含むか
  • 寄付金控除(所得税・住民税)が適用されるか

国内では「認定NPO法人ハンガー・フリー・ワールド」「公益財団法人日本ユニセフ協会」「WFP国連世界食糧計画日本事務所」などが飢餓支援の代表的な窓口です。定期的な少額寄付はNGOの予算計画を安定させ、緊急時だけでなく平時の農業支援や食育にも充てられます。

栄養の質を意識した食生活|「隠れた飢餓」を自分ごとにする

飢餓は「食べるものがまったくない状態」だけを指しません。カロリーは足りていても微量栄養素(鉄・亜鉛・葉酸・ビタミンAなど)が不足している状態を「隠れた飢餓(Hidden Hunger)」と呼び、WHO(世界保健機関)は世界で20億人以上が該当するとしています。

日本でも、若い世代を中心に朝食の欠食や偏った食生活が課題です。厚生労働省「国民健康・栄養調査2023」によると、20代〜30代の野菜摂取量は目標値(350g/日)を大きく下回り、とくに20代女性では鉄分不足による貧血傾向が指摘されています。先進国でも「隠れた飢餓」は決して無縁ではありません。

1食の目安として、主食(米・パン・麺)・主菜(肉・魚・卵・大豆)・副菜(野菜・きのこ・海藻)・汁物の4点を揃えることが、農林水産省の「食事バランスガイド」でも推奨されています。自分の食生活を整えることは、途上国の栄養問題を「自分ごと」として捉え直すきっかけにもなります。

「隠れた飢餓」と途上国の栄養問題の実態については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

まとめ|今日から始められる飢餓ゼロへの5つのアクション

飢餓という複雑な問題に対して、個人ができることには限界があります。しかしその限界の中でも、日々の選択の積み重ねが生産者の収入・食料廃棄の量・食料自給率・寄付先の活動規模に確実に影響します。まず1つだけ選んで今週から実践してみてください。

  • 買い物前に冷蔵庫を確認し、手前取りを習慣にして食品ロスを減らす
  • スーパーで国産・地元産コーナーを意識して手に取り、地産地消を日常にする
  • コーヒーやチョコレートを買うときにフェアトレード認証マークを探す
  • 月100円からでも定期寄付で支援団体の活動を安定させる
  • 主食・主菜・副菜・汁物をそろえ、栄養バランスを整えた食事を意識する

  • 記事を書いたライター
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鹿児島県在住のフリーライター。コーヒーをきっかけにSDGsを知り、興味をもつように。普段は、ライフスタイルやSDGsに関する記事を執筆しています。

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