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人権DDとは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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「人権DD」という言葉を聞いたことはありますか。最近、企業のニュースやサステナビリティ報告書で目にする機会が増えています。でも、実際のところ、何をするものなのか、なぜ大事なのか、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、人権DDについて、難しい言葉を避けながら、わかりやすく解説します。

人権DDとは|人権リスクを調べて対策するプロセス

人権DD(人権デューデリジェンス)とは、企業がサプライチェーン上を含めた事業における人権リスク(例:強制労働など)を特定し、その防止・軽減を図り、取組みの実効性や対処方法について説明・情報開示する、という一連の行為を指します。

もっと簡単に言うと、企業が「自分たちの事業で人権侵害がないか?」を調べて、問題があったら対策する、というプロセスです。

「デューデリジェンス」ってどういう意味?

デューデリジェンス(Due Diligence)という言葉は、「Due(十分な、正当な、しかるべき)」「Diligence(努力、注意、勤しむ)」という意味があり、投資対象となる企業のリスク・リターンを把握するために、事前に調査を行うことです。もともとはM&Aなどの金融取引で使われていました。この「リスクを調査して対策する」という考え方を、人権問題に応用したのが「人権DD」なのです。

人権DDで調べる具体的なリスク

企業が人権DDで調べる「人権リスク」には、どのようなものがあるのでしょうか。
外国人技能実習生の過酷な労働環境や賃金未払い問題、下請け工場での強制労働・児童労働問題、新疆ウイグル自治区やミャンマーなどにおける人権侵害問題などが挙げられます。

つまり、単に自社の従業員だけでなく、取引先や下請け業者、さらに世界中のサプライチェーン(製造・販売の流れ)全体で、人権侵害がないかを確認することが重要です。

なぜ今、人権DDが注目されているのか

人権デューデリジェンスの重要性が認知されるようになったのは、2011年に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」が一つのきっかけとされています。この指導原則では、国だけでなく、すべての企業に人権を尊重する責任があると定めています。

また、日本では、政府により「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」(2020年)、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(2022年)が策定されるなど、国として企業の人権DDの実施を促進しています。これは、グローバルに事業を展開する日本企業が国際的な基準に対応することの重要性を示しています。

さらに、ソーシャルメディアの発達により、企業の人権に関する問題が世界中で瞬く間に拡散される時代になりました。人権侵害が明らかになると、SNSでの批判や不買運動が起きる可能性があり、これが企業経営に大きな打撃を与えることもあります。

人権DDの進め方|4つのステップ

人権DDは、以下のようなステップで進められます。

ステップ1:人権方針の策定

企業は、「人権を尊重する責任を果たす」というコミットメントを、企業方針として社内外に表明することが求められます。これは、企業が人権尊重に真摯に取り組む姿勢を示す第一歩です。

ステップ2:人権リスクの特定と評価

企業は、自社やサプライチェーン全体で、どのような人権リスクが存在するかを調査します。アンケートや面談、現地視察などを通じて、従業員や取引先からの情報を収集し、人権侵害のおそれがないかを確認します。

ステップ3:予防・軽減策の実施

特定したリスクに対して、予防策や改善策を講じます。例えば、労働環境の改善、給与体系の見直し、研修の実施など、具体的な対策を取ります。

ステップ4:実効性の評価と情報開示

企業は、実施した人権デューデリジェンスの結果や取り組みをまとめ、HPや報告書などで情報公開します。情報を公開することにより、企業の透明性と信頼性が向上し、ステークホルダーとの信頼関係が築かれます。

人権DDは継続的な取り組み

重要なポイントとして、人権デューデリジェンスは一時的な取り組みではなく、持続的な活動が求められます。将来にわたって人権侵害のない状態を維持するために、体制やプロセスの継続的な改善が重要です。つまり、一度対策を打ったら終わりではなく、常に改善し続ける必要があります。

日本企業にとって人権DDはなぜ大事か

現時点(2024年10月)で、日本では人権DDの義務化はされていません。前述した経済産業省のガイドラインは企業の自主的な取り組みを促すための指針であり、法的拘束力を持つものではありません。しかし、ローバルサプライチェーンに組み込まれている日本企業は取引先からの要請に応える必要性があり、EUやその他の国々で人権DD関連の法規制が進んでいる以上、それらの市場での事業継続には対応が必須です。

つまり、法律で義務付けられていないからやらなくてもいい、というわけではありません。グローバル企業との取引を続けたい、国際市場で競争力を持ちたい、という企業であれば、人権DDへの対応は避けて通れない課題なのです。

私たちにできること

消費者の立場からも、人権DDは他人事ではありません。
人権DDをはじめとする人権尊重の取組みを企業が推進することは、社会課題の解決につながるとともに、投資の呼び込みなど自社にも好影響を与えると考えられる一方で、取組みが不十分と判断された場合には経営リスクにもなりえます。

私たちが商品を購入するときに、その企業がどのような人権尊重の取り組みをしているかに目を向けることで、企業の意識を高めることができます。また、企業の透明性や人権への配慮を評価する投資家が増えれば、さらに多くの企業が人権DDに本気で取り組むようになるでしょう。

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