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SOCIETY

ビジネスと人権とは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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企業が利益を追求する中で、労働者や地域住民の人権が侵害されるケースがあります。強制労働、児童労働、長時間労働による過労死、さらには採掘現場での暴力や搾取など、世界各地でビジネスに伴う人権問題が起きています。「ビジネスと人権」とは、こうした企業活動に関わる人権課題に対し、企業や国家が責任を持って向き合うべきだという国際的な枠組みです。本記事では、その意味と背景、企業・個人にできることを解説します。

ビジネスと人権の定義

「ビジネスと人権」という概念は、企業の事業活動全体(原材料調達、委託製造から流通過、製品の廃棄・リサイクル・再資源化まで)とステークホルダー(労働者、消費者、地域住民など)との関わりにおける人権課題を包括的にとらえる概念です。

より具体的には、労働搾取や児童労働などの労働問題、紛争鉱物、現代奴隷、さらには商品やサービス、事業活動を通じた人権の促進なども「ビジネスと人権」の関心対象となります。

国連指導原則|「保護・尊重・救済」の3本柱

2011年に承認された「国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」は、最も権威があり広く採用されている責任あるビジネスのための諸原則です。
この指導原則の中核は、3つの柱から成り立っています。

第一は、企業を含む第三者による人権侵害から保護するという国家の義務です。第二は、人権を尊重するという企業の責任で、企業が他者の権利を侵害することを回避するためにデュー・ディリジェンスを実施して行動すべきであることを意味します。第三は、犠牲者が実効的な救済の手段にアクセスできるようにする必要があるということです。

人権デュー・ディリジェンスとは

人権デュー・ディリジェンス(人権DD)とは、企業の人権尊重責任の中核となるもので、企業は強制労働や児童労働、ハラスメントといった人権侵害のリスクを特定して、予防策や軽減策を取ります。これは、社内だけでなく、供給網(サプライチェーン)も対象となります。
2020年10月、日本政府は「ビジネスと人権に関する行動計画」を策定し、企業に対し、企業活動における人権への悪影響の特定、予防・軽減、対処、情報共有を行うこと、人権デュー・ディリジェンスの導入促進への期待が表明されています。

企業と個人にできること

企業側の責任としては、まず自社およびサプライチェーン上の人権リスクを調査し、透明性を持って情報公開することが求められます。不正な労働慣行を発見した場合は、取引先に改善を要請し、その経過をモニタリングする必要があります。

一方、消費者である私たちにできることもあります。企業の人権方針や取り組み内容を確認する、人権侵害に関する情報をキャッチしたら企業に問い合わせる、そして人権を尊重する企業の製品やサービスを選ぶといった選択が、市場を通じて企業の行動を変えていきます。

外務省では、企業による人権尊重の取り組みを後押しすべく、国際機関とも連携して、海外進出の日本企業や中小企業を含む企業等を対象とした研修やセミナー等を実施しており、各企業の取り組みをまとめた好事例集の作成やビジネスと人権ポータルサイトの運用を通じた周知・啓発活動に取り組んでいます。

まとめ|グローバル経済における人権の尊重

ビジネスと人権は、単なる企業の社会的責任ではなく、グローバル化した経済社会において誰もが人間として尊厳を持ち、安全で公正な環境で働き、生活するための基盤です。企業が生み出す製品やサービスの背後に、どのような人権課題があるのかを認識し、企業・政府・消費者が一体となって取り組むことで、より公正で持続可能な社会へ向かいます。あなたの選択が、世界のどこかで誰かの人権を守る力になるのです。

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