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エシカルファッションの10の基準とは?企業の取り組み事例とあわせてご紹介

最近、SNSでも「エシカルファッション」という言葉をよく見かけるようになりました。
いわゆるファストファッションと呼ばれる、安く簡単に手に入る大量生産の商品とは真逆の位置にあるエシカルファッションは、どのようなファッションのことを表しているのでしょうか。

これからの地球環境保全やSDGsの取り組みにおいても欠かせないエシカルファッションについて、一人一人が認知していくことが大切です。
この記事では、エシカルファッションの基本情報や取り組みについて紹介します。

エシカルファッションの10の基準

エシカルファッションについて

エシカルファッションとは、端的にまとめると人や環境、社会に優しいファッションです。
2006年に設立されたEthical Fashion Forumでは、10の基準を設けてエシカルファッションの定義付けをしています。

まずは、エシカルファッションを知るために、10の基準について紐解いていきましょう。

ファストファッションではない

エレン・マッカーサー財団とステラ・マッカートニーによって発足されたCircular fibers Initiativeによると、世界中で毎秒トラック1台分の衣服が破棄されているといいます。
さらに、破棄された服の70%は焼却処分されるか、埋立地に埋められるそうです。

このように安く手に入るけれども、耐久性がなく季節に合わせて使い捨てするようなファストファッションではなく、長く使えて無駄のないファッションを取り入れようという考え方です。

参照元:Circular fibers Initiative

生産者の権利を尊重する

エシカルファッションの特徴は、生産にまつわる過程において、生産者の権利を尊重していることです。
生産者の賃金や権利はもちろん、整った労働環境の中で働いていることがポイントとなります。

今着ている服が、どういった経緯で生産されているのかを知り、生産者に注目することもエシカルファッションを把握する上で大切な一歩といえるでしょう。

持続性可能な生活を基盤におく

エシカルファッションは、服を選ぶことが、環境問題への興味につながります。
例えば、服の素材や作り方を通して、消費者に持続可能なライフスタイルや社会について伝えることができるブランドは、エシカルファッションといえるでしょう。

また、ポリエステルフリーなファッションやオーガニック素材を使うことで、地球環境に配慮したライフスタイルをサポートしてくれるファッションにもなります。

有毒な農薬や化学薬品の問題に取り組んでいる

世の中に溢れている安価なファッションの中には、素材を作ったり加工したりする段階で有毒な農薬や化学薬品を使っているケースが多く見られます。
これらの薬品は、生産者に対しても悪影響を及ぼし、自然環境にとっても良くありません。

こうした、健康に害があったり地球環境を破壊したりするような薬品を使っていないファッションも、エシカルファッションです。

エコフレンドリーな素材を使っている

ここ近年は、様々なブランドが新しいエコ素材の開発に取り組んでいます。
例えば、ペットボトルやポリエステルを再利用して作られた生地もその一つです。

また、自然分解される繊維を活用して作られた素材も、エコフレンドリーといえるでしょう。

こうした、地球環境に配慮した素材を使って作られた洋服も、エシカルファッションと呼ばれています。

水の使用を抑えて作る

洋服を作る上で、水を大量に使うことはあまり知られていません。
しかし、実際はデニムのパンツを一本作るだけでも、莫大な量の水が使われています。

水は、地球における限られた資源の一つです。
そのため、エシカルなファッションは、水の使用をできるだけ抑えて作られています。
例えば、サステナブルなコンセプトをおいているロンドンのデニムブランド「I AND ME」では、水の使用量を約6割抑えているのが特徴です。

こうしたブランドが増えていくことで、地球環境全体を守ることができるでしょう。

再生可能エネルギーが使われている

洋服を作る過程では、水だけではなく様々なエネルギーが使われます。
これは、洋服に限ったことではなく、どんな業種でもいえることであり、最近はできる限り再生可能なエネルギーを使って生産を行う企業も増えているでしょう。

その方法の一つとして、小規模生産で洋服を作る手段があります。
必要なだけのエネルギーを使い、無駄遣いすることなく長く来られる服を作るのも、エシカルファッションにおいて欠かせない要素です。

持続可能性を促進する活動をしている

例えば、世界的なブランドGUCCIでは、少女や女性のために「CHIME FOR CHANGE」というグローバルプロジェクトを立ち上げています。
ジェンダーの平等を求める声を集めて、強化するためのプロジェクトで、国境や世代を超える取り組みです。

その他にも、エシカルファッションを促進する取り組みを行っているブランドは多く見られ、そういったブランドや商品を選ぶことも、エシカルファッションに参加していることになるでしょう。

エシカルファッションに関する取り組みを報告する

自社が生産した洋服が、どのように生産されたのかを、具体的に公開するのもエシカルファッションの特徴です。

そうすることで、消費者はエシカルファッションを選びやすくなり、世界がエシカルファッションへ向かうための糸口となります。

動物の権利を守っている

ファッションに関わる企業が、製造販売だけではなく、企業の理念として動植物保護を掲げているかどうかもエシカルファッションの基準となります。

また、地球環境にも配慮し持続可能なビジネスモデルを生み出し、実際に行っているかという点もエシカルファッションには欠かせません。

エシカルファッションが生まれた背景

エシカルファッションが生まれた背景

近年、ファッション業界のトレンドにもなっているエシカルファッションですが、流行の一つではありません。

エシカルファッションは、非常に悲しい出来事がきっかけで注目されるようになったことを知っておく必要があります。
それが、2013年にバングラディシュで起きた「ラナ・プラザの悲劇」です。

当時、ラナ・プラザと呼ばれるビルの中では、欧米のファストファッションの一旦を担う縫製工場が入っていました。
兼ねてから崩壊の危険性が指摘されていたにも関わらず、彼らの労働は続けられ、ついにビルが崩壊します。

この事故で、1,000人を超える死者と2,500人を超える負傷者が出ました。
そのほとんどは、18~35歳の若い女性だったと言います。

どの労働者も、休みなく働かされ残業時間も法外なものでした。
このような劣悪な環境にも関わらず、貧困に苦しむ労働者たちは、ただ働き続けることを選択するほかありません。
ファストファッションにおける、生産者の人権を無視した労働が招いた悲惨な事故でした。

こうした悲劇を再び起こさないために、大手のファッションメーカーでも労働環境を整え、エシカルファッションへの取り組みを始めました。

エシカルファッションに取り組む企業

エシカルファッションに取り組む企業

ここ近年、エシカルファッションへの取り組みを始める企業は軒並み増えています。

自然素材をつかうだけではなく、様々なエリアにおいて大切にされてきた伝統的な手法を取り入れることで、発展途上国に暮らす人たちへ正当な仕事の機会を作っているのもそうした企業です。

続いては、エシカルファッションの取り組みを行っている企業を紹介します。

People Tree

フェアトレードブランドとして、いち早く労働環境や地球環境に着目したのがPeople Treeです。
チョコレートでも有名ですが、エシカルファッションも多く取り扱っています。
環境に配慮し、手織りや草木染めといった手仕事にこだわった商品は非常に人気です。

また、自然素材にもこだわっており、遊牧で育てたアルパカの毛やオーガニックコットンなどバリエーションが豊富なのも特徴でしょう。

Tennen

日本のブランドの中でも、エシカルファッションに関する取り組みを積極的に行っているのがTennenです。
「ゴミにならず、土に還る服であること」というコンセプトのもと、展開を行っています。

また、服づくりにおけるアクションだけではなく、新しいリサイクルシステムへのチャレンジも手がける企業です。

ashuhari

こちらも日本国内でエシカルファッションを展開するブランドの一つです。
持続性可能な素材をメインとして導入しており、愛着を持って長くきられる日常着を提案しています。

また、リユースマーケットも展開し、本やレコードなどのリユースアイテムの取り扱いも行っているのが特徴です。

まとめ

まとめ

エシカルファッションの認知度は、ここ近年で随分と高まっています。

初めは「流行」から入ったとしても、服を好きになることで、エシカルな暮らしを知ることができれば、エシカルファッションが浸透していく上で何ら問題ないでしょう。
おしゃれで可愛いエシカルファッションも増えているため、これからますます幅広い世代に広まることが予想されます。

エシカルファッションを選ぶことは、SDGsに直結する行動の一つです。
誰もが楽しく取り組める行動でもあり、気がつけばエシカルについて理解していたという人も多いでしょう。

無理にSDGsの取り組みをするよりも、はるかに自然に浸透する流れともいえます。

  • 記事を書いたライター
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