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SDGs

世界で21億人が安全な水を使えない現実|SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」を今こそ知る

できることから少しずつ!安全な水とトイレを世界中に届けるために

蛇口をひねれば清潔な水が出て、当たり前のようにトイレを使える。その日常が、実は世界では当たり前ではありません。2025年8月にユニセフとWHOが発表した最新報告書によると、世界で21億人が今なお安全に管理された飲み水を使えない状態にあります。2030年に迫るSDGs目標6の達成期限。このまま進んでも間に合わないという厳しい現実を前に、私たちに何ができるか、一緒に考えてみましょう。

SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」とは

SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は、2015年の国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき17の国際目標です。その6番目に掲げられているのが「安全な水とトイレを世界中に」です。

この目標は、すべての人が安全で安価な飲料水や衛生的なトイレを利用できるよう、水質の改善や水資源の持続可能な管理、各国間の協力を進めることを求めています。ターゲットは8項目あり、飲料水へのアクセス確保から、排水処理の改善、水生態系の保護まで幅広い内容を含んでいます。

国連の2025年版SDGsレポートによると、2015年から2024年にかけて安全に管理された飲料水の利用率は68%から74%へ、衛生施設(トイレ)の利用率は48%から58%へと改善が見られています。一方で、このペースを大幅に加速しなければ2030年までの目標達成は極めて困難な状況です。

世界と日本の「水とトイレ」の現状

2025年8月24〜28日に開催された「世界水週間」に合わせ、ユニセフとWHOは共同報告書「家庭用飲み水と衛生状況の進展(2000年〜2024年):不平等に焦点を当てて」を発表しました。

この報告書では、次の現状が明らかになっています。

飲み水について、2024年時点で世界人口のおよそ4人に1人にあたる約21億人が安全に管理された飲み水を利用できておらず、このうち約1億600万人は河川や湖などの未処理の地表水をそのまま飲用しているとされています。

トイレについては、2024年時点で34億人が安全に管理された衛生施設を利用できていません。このうち約3億5,400万人は家や近所にトイレがなく、屋外で用を足す「屋外排泄」を余儀なくされています。

手洗い設備については、17億人が石けんと水の備わった基本的な手洗い設備を自宅に持っていません。

不衛生な環境は感染症の拡大に直結します。ユニセフは、世界では年間およそ52万5,000人の5歳未満の子どもが下痢によって命を落としているとしています。

日本では蛇口をひねれば清潔な水が出て、トイレの衛生環境も高水準で保たれています。しかしその一方、農村部での状況は都市部との格差が依然として大きく、屋外排泄をしている人の10人中9人が農村部に暮らしているとされています。

水問題が私たちに突きつける2つの課題

課題1|衛生格差を縮める取り組みの加速が必要

現状のペースのままでは、2030年時点でも20億人が安全な飲料水なしに、30億人が安全な衛生施設なしで生活し続けることになると、国連は試算しています。目標達成には現在の改善ペースをそれぞれ大幅に引き上げる必要があるとされています。

こうした課題に対し、企業や団体による支援も広がっています。例えば株式会社LIXILは、設置が簡単で洗浄に必要な水量を少量に抑えた簡易トイレ「SATO(Safety Toilet)」を発展途上国に導入する取り組みを続けています。こうした民間企業の技術を活かした支援は、インフラの整っていない地域での衛生改善に有効なアプローチとして注目されています。

課題2|「日本には関係ない」では済まないバーチャルウォーターの問題

水資源が比較的豊かな日本にとって、世界の水不足は遠い話に感じるかもしれません。しかし環境省と特定非営利活動法人日本水フォーラムが算出したデータによると、2005年に海外から日本に輸入されたバーチャルウォーターの量は約800億立方メートルにのぼり、これは日本国内の年間水使用量とほぼ同程度です。

バーチャルウォーターとは、輸入した食料をもし国内で生産していたとしたら必要になる水の量を指します。例えば、環境省の公表データによるとトウモロコシ1kgの生産には約1,800リットル、牛肉1kgにはその約20,000倍もの水が必要とされています。カロリーベースの食料自給率が低い日本は、それだけ多くのバーチャルウォーターを海外に依存していることになります。

淡水資源は2030年までに必要量の40%不足するという推計もあり、水不足は日本にとっても無縁の話ではありません。海外の水問題は、食卓に並ぶ食品の安全性や価格を通じて、私たちの暮らしに直接影響します。

安全な水とトイレのために、私たちにできること3つ

1|情報をアップデートしながら、日々の水の使い方を見直す

水問題は気候変動や食料自給率、物流コストとも複雑に絡み合っています。世界でいま何が起きているかを定期的に確認し、自分の行動との接点を意識することが第一歩です。

具体的には「蛇口を出しっぱなしにしない」「すすぎ回数を減らせる洗剤を選ぶ」「食べ残しをしない」「地産地消の食品を選ぶ」といった行動が、水資源の節約につながります。小さな積み重ねですが、日々の習慣として続けることに意味があります。

2|水・衛生支援に取り組む団体への寄付や参加

個人の節水努力には限界があります。安全な水やトイレの整備を支援するNPO・NGOへの寄付は、自分では直接届けられない地域への間接的な支援になります。

水・衛生分野に特化したNGOウォーターエイドのように、現地に合った技術で給水設備やトイレを設置し、衛生習慣を広める活動を続けている団体もあります。まずは少額の寄付や、オンラインでのボランティア参加など、できる範囲から始めてみることが大切です。

3|自分の行動や学びをSNSで発信する

SNSで水問題について発信することも、意識変容のきっかけになります。「バーチャルウォーターを初めて知った」「節水を始めた」といった自分の小さな変化を共有することで、同じ関心を持つ人とつながったり、誰かの行動を後押ししたりすることがあります。

情報が広がることで、支援の輪が拡大したり、取り組みへの関心が高まったりする可能性もあります。発信内容の大小よりも、継続的に話題にし続けることが社会全体の意識底上げにつながっていきます。

まとめ|2030年まで残りわずか、今できることを始めよう

ユニセフとWHOが2025年8月に発表した最新報告書は、進展はあるものの依然として重大な格差が存在することを改めて示しました。このペースでは2030年の目標達成は難しいというのが国際社会の共通認識です。

日本に住む私たちも、バーチャルウォーターという見えない水を通じて、世界の水問題と深くつながっています。まずは現状を知ること、そして蛇口一つ、食卓一つの選択から行動を変えてみてください。2030年という期限は目前ですが、今からでもできることは必ずあります。

  • 記事を書いたライター
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河川海洋ごみ問題解決を目指すNPO法人にて勤務。 海洋プラスチックを使用したアップサイクルアクセサリーブランドの立ち上げ責任者や広報担当として活動。 出産を機にSDGsに興味を持ち、前職の人材業界や金融業界などでの経験を活かして「わたしたちにできること」にフォーカスしながら情報を発信中。

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