最近よく耳にするようになった「気候変動」という言葉。
近年の異常気象や豪雨災害は、気候変動と深く関係しています。
気候変動への対応は、メディアで多く取り上げられたり、先日の衆議院選挙のマニュフェストで以前より具体的に示されるようになったりと日本での関心も高まりつつあります。
世界ではスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん筆頭に、若者の間でも気候変動についての環境運動が盛んにおこなわれています。
今回の記事で分かるのは、以下の内容です。
・気候変動とは
・気候変動とSDGsの関係
・気候変動の原因と日本での影響
・気候変動への取り組み
・気候変動に対応していくためにできること
この記事を読めば、気候変動についてより深く知りたいと思えるでしょう。
気候変動とは?
気候変動とは、気温や湿度、降水量、空気中の二酸化炭素の濃度など、地球上の大気の状態の変化を意味します。
特に、温室効果ガス(注)の増加によって引き起こされる「地球温暖化」は様々な問題の原因になっているため、気候変動と密接な関係にあります。
海外では、しばしば気候変動≒地球温暖化として話されたりもしています。
地球温暖化については日本でも以前から注目されていましたが、因果関係のある問題すべてに注視し、対策をしていく動きに代わってきています。
(注)温室効果ガス・・・大気圏にある二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどです。二酸化炭素の割合が最も高いと言われています。
SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」
誰もが幸せに暮らし、地球の限りある資源を大切にしていくために世界共通で設定したのが「SDGs(Sustainable Development Goals)」
2030年までに達成するべき17項目の目標を掲げています。
その中にあるのが、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」です。
「気候変動による災害が起きた時に、各国でしっかりと対応したり立ち直ったりできるようにする」や「気候変動への対応をそれぞれの国が政策や戦略に反映させる」、「気候変動のスピードを緩めるために組織や人を教育していく」ことを大きな3つの目標として掲げています。
気候変動の原因
気候変動の原因は「自然的要因」と「人的要因」の大きく2つに分けられます。
自然的要因は、火山の噴火による大気の状態の変化や太陽活動の変化による天候の変化、海流や海面水温の変化による大気の状態の変化など、それぞれのスピードで常に変化しながら安定した「気候」を保つための地球全体の活動です。
一方で人的要因は、石油や石炭などの人類が便利なくらしをするために大量に消費してきたエネルギーが二酸化炭素を増大させたことで地球温暖化が起こり、森林伐採により二酸化炭素が増え続けています。
気候変動の日本での影響
日本では夏は暑く、冬は寒いといった気候の変化で、四季折々の行事を楽しんだり、季節ごとの豊かな食材や自然があったりしたのが当たり前でした。
しかし、近年では春夏秋冬のタイミングのずれや異常な温度の猛暑日、大規模な台風、食物の不作やなどが起こっています。
環境省のデータによると、世界の平均気温が100年あたり0.68℃ずつ上昇しているのに比べ日本の平均気温は1.15℃の割合で上昇していたり、最高気温35℃以上の猛暑日や最低気温25℃以上の熱帯夜が続いたりと影響は顕著に表れています。
また、降水量にも変化があり降水日数は減少傾向にあるものの、日降水量100mm以上の大雨の日は増加傾向にあります。
温室効果ガスの増減による環境変化の将来予測を表す「RCPシナリオ」では、このまま二酸化炭素が増加してしまうと、2100年には最大4℃気温が上昇すると言われています。
急激な気候変動は、自然環境や人体にも多大な影響を与えてしまうため、対策が必須です。
参照元:日本の気候変動とその影響|環境省
日本での気候変動への取り組み
気候変動への対策は、「緩和」と「適応」の二本柱で行っていく必要があります。
緩和は、気候変動の原因になっている温室効果ガスを削減していくこと。
適応は、緩和対策を行ったとしても、防げない気候変動への影響に対応したり利用したりしていくことです。
具体的には、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの普及拡大などを緩和対策として、熱中症対策や農作物の高温障害対策などを適応対策として掲げています。
温暖化や豪雨災害など、既に日本でも一個人の努力だけでは避けることのできない影響が出てきています。
やはり影響力が大きいのは、行政や企業です。
日本でも、株式会社リコーが日本で初めてRE100(注)に加盟し2050年までに再生エネルギー100%を目指していたり、積水ハウス株式会社がエネルギー消費を最小限にし、再生可能エネルギーを搭載した住宅を多数販売したりすることで2050年のCO2排出ゼロの脱炭素社会を目指す取り組みをしています。
(注)RE100・・・事業に必要な電気エネルギーを100%再生可能エネルギーを使用することを目標にした企業が参加する国際的な取り組みです。
選挙で誰のマニュフェストを聞き、どの党の考えを選ぶのかや、どの企業のどんな商品を購入するのかから今一度考えていく必要があると思います。
気候変動に対応していくための施策を行政がどこまでしてくれるのか、企業が気候変動に対してどういう動きをするかにまで関心を持ち、自分の意志で選択していくことが必要です。
気候変動対策のために日本も動き出している「フライデーズ・フォー・フィーチャー」
当時15歳だった環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが気候変動に真剣に向き合うよう大人たちを動かすため、毎週金曜日にスウェーデンの国会議事堂前に座り込んだ活動を「フライデーズ・フォー・フィーチャー」と言います。
2018年からスタートしたこの活動は、当初はグレタさんたった一人で行われましたが、瞬く間に世界に広がりました。
日本でも「フライデーズ・フォー・フィーチャー・ジャパン」と言って、各地で若い世代を中心に政策提言や普及活動を自主的に行っています。
若い世代の方々ならではのフットワークの軽さもあるかもしれませんが、情報社会で自分なりに知識を得て、自分たちの未来のために行動に移すという点は見習うべきだと感じます。
参照元:フライデーズ・フォー・フィーチャー・ジャパン|公式HP
まとめ
日本に居ても、海外に居ても、地球のために今から私たちにできることはあります。
CO2削減のために、電気をこまめに消したり、車に乗らずに歩いたり、使わない電化製品のプラグを抜いておいたりといったこまめな対策が大切です。
また、一個人の努力だけではなく、待ったなしの状況だからこそ影響力の大きい組織や人物が動く可能性が高い大きなチャンスでもあります。
政策提言をしたり気候変動対策のためのビジネスを始めたりするのはハードルが高いかもしれませんが、今までより政治に興味を持ち当事者として選挙に行ったり、気候変動対策に積極的な企業の商品を選んだりすることはできます。
情報収集をしながら、自分にできる範囲で、少しずつ行動に移してみてはいかがでしょうか?