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SOCIETY

ジェンダー主流化とは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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ジェンダー主流化という言葉を聞いたことはありますか?これは「女性活躍」や「男女平等」とはやや異なる、より広い視点で社会全体を見直すための考え方です。政策や事業のあらゆる段階で、ジェンダー平等の視点を組み込むことを目指しています。この記事では、ジェンダー主流化の意味、歴史、そして私たちの日常生活との関わりについてわかりやすく解説します。

ジェンダー主流化とは何か

1997年の国連経済社会理事会(ECOSOC)は、ジェンダー主流化を「あらゆる領域と段階において、立法、政策、プログラムを含むすべての行動計画の男性と女性に対する影響を評価するプロセス」と定義しています。
つまり、政策や事業を立案・実施・評価するときに、それが男性と女性にどのような異なる影響を与えるのかを常に意識して取り組むということです。

女性の関心と経験を、男性のそれと同じく、あらゆる政治、経済、社会の分野における政策とプログラムをデザインし、実施し、モニターし、評価するにあたっての不可欠な部分にするための戦略であり、その結果、男女は平等に利益を受けるようになり、不平等は永続しなくなる。主流化の最終の目標は、ジェンダー平等を達成することです。

簡潔に言うと、ジェンダー主流化は「女性だけを支援する」というアプローチではなく、社会のすべての分野にジェンダー平等の視点を組み込み、社会全体の構造を見直す取り組みです。

従来のアプローチとの違い

「男女同権」と「ジェンダー主流化」の違いは、ジェンダー主流化は単純に女性の地位を男性並みに引き上げることを目指すものではなく、あらゆる政策や事業は、異なるジェンダーに異なる影響を及ぼすという前提で、それぞれのニーズや影響を考えることを、計画から実施といったあらゆる段階で、かつ、社会のあらゆる分野で徹底すべきとする考え方です。

例えば、教育や雇用、保健などの領域では、一見「男女関係なく同じ」に見える政策であっても、実際には性別によって異なる影響が生じることがあります。ジェンダー主流化の視点では、そうした差異を事前に予測して政策を設計するのです。

国際的な発展の歴史

1995年に開催された第4回世界女性会議で「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」が国際社会共通の新たなゴールになり、1997年、国連経済社会理事会(ECOSOC)は、ジェンダー平等達成の手段として、「ジェンダー主流化」を定義づけました。
この定義以降、国連開発計画(UNDP)を始めとする国際機関や各国政府が、ジェンダー主流化を具体的に進める取り組みを始めました。

SDGsは目標5としてジェンダー平等の実現をうたい、具体的に6つのターゲットを設定しており、全ての政策・領域にジェンダーの視点を取り込んでいくことを「ジェンダーの主流化」と称し、社会において、ジェンダーと関係ないものはないという共通理解が根底にあります。

実践の場面での具体例

ジェンダー主流化は理論だけではなく、実際の事業や政策で実践されています。例えば、開発支援における農業事業では、女性農民のニーズや労働環境を考慮した設計が求められます。また、職場環境では、育児休業の制度設計や長時間労働の是正、セクシュアルハラスメント対策など、ジェンダーの視点から各種施策を整備することが必要です。

さらに、災害時の支援や紛争後の復興においても、女性特有のニーズ(例えば月経管理用品へのアクセスやプライバシーの確保)に配慮した対応が含まれます。

日本における現状と課題

日本では、内閣府男女共同参画局を中心にジェンダー主流化の取り組みが進められています。しかし、国際社会ではジェンダー平等がジェンダー主流化とセットで語られ、あらゆる法律・政策やシステムを見直し、社会の中の性差別を解消し、女性の人権を保障しつつ、豊かな社会を構築していくかという議論になるところが、日本では「女性活躍」と政府が音頭を取ってはいるものの、ジェンダー平等や女性の人権という視点から切り離され、女性活躍が単独で語られることが多いとされています。

私たちにできること

ジェンダー主流化は、政策や企業の取り組みだけでは進みません。個人レベルでも、日常生活の中にどのようなジェンダーの固定観念が存在するのかに気づくことが大切です。子ども教育、職場での言動、家事分担など、身近な場面で「これは本当に必要な性別役割分担か」と問い直す姿勢が、社会全体のジェンダー平等に向けた一歩につながります。

また、政策や企業の取り組みに対して、ジェンダーの視点が組み込まれているかを注視し、改善を求めていくことも重要です。一人ひとりの声が、社会を変えていく力になるのです。

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