産業と技術革新の基盤をつくろう

アフリカの交通インフラ整備を通じて、持続的な成長の実現を目指す

2050年には、20億人にまで増えるといわれているアフリカの人口。

アフリカの問題の一つは、海に面していない国が多いため、国境を越えた交通インフラの整備が成されていないことです。
物資の輸送がままならず、多大なコストがかかることが、貧困の大きな原因ともなっています。

この記事では、アフリカの交通インフラの実情と、現在なされている日本からの支援の取り組みについて解説します。

アフリカの交通事情が貧困を招いている?

アフリカの交通事情が貧困を招いている?

アフリカの中で「マグレブ」と呼ばれる北アフリカ5カ国(アルジェリア・リビア・モーリタニア・モロッコ・チュニジア)を除いた49カ国を「サブサハラアフリカ」といいます。

この地域は、世界の約5分の1の面積にあたり、その人口も約8分の1を占めるのですが、そのGDPは世界全体の2%以下。
さらに、そのうち30%以上は南アフリカ共和国が占めているという、世界の中でも最貧の地域です。

アフリカの豊かな国土や成長性については、世界中から注目されています。
しかし、その経済発展を阻むものが「交通インフラの未整備」です。

サブサハラアフリカ地域は、列強の植民地政策によって国境を設定されたことにより、小さい国が多く、海に面していない内陸国が16カ国もあります。

内陸と港湾を結ぶ鉄道・幹線道路のほとんどは、かつての植民地時代に宗主国によって建設・整備されました。
しかし、そもそも土地が広いこともあり、鉄道も道路も世界の他の地域に比べて密度が低い状況です。

道路や鉄道などのインフラは、維持のためには整備しなくてはなりません。
しかし、独立した国にはそのノウハウも費用もないため、老朽化によって状況が悪化している状況です。

道路の舗装率はわずか9%であり、劣化も目立ちます。
さらに、各国で交通ルールや鉄道の規格が異なったりするため、スムーズな輸送を困難にしているのが現状です。

アフリカの資源や労働力が注目されても、工場を作ろうにも物資を輸送できないし、輸出に膨大なコストがかかるとなれば、企業も参入をためらってしまいます。

交通インフラ不足は、アフリカの貧困にまつわる多くの問題をはらんでいるのです。

アフリカの交通インフラを今後どうすべきか

アフリカの交通インフラを今後どうすべきか

広大なサブサハラアフリカ地域のインフラについて、注目されているのが「クロスボーダー交通インフラ(CBTI: Cross Border Transport Infrastructure)」です。

交通インフラとは、鉄道や道路といったハード面だけでなく、それらを⻑期的に、効率よく運営・維持管理するための組織体制や法制度などのソフト面も重要となります。

CBTIは、ハードとソフト両面から交通インフラ整備を行っていこうとするものです。
CBTI整備によって、国境・越境交通制度の改善を行い、世界とサブサハラアフリカ地域を繋ぐことで、地域一帯の経済状況を劇的に変化させることができるかもしれません。

日本によるアフリカの交通インフラ整備支援について

日本によるアフリカの交通インフラ整備支援について

現在、国際開発金融機関だけでなく、JICA(国際協力機構)の円借款、無償支援やJBIC(国際協力銀行)の投融資の多くの部分はインフラ整備に向けられています。

特に、注目されているのはワンストップボーダーポスト(以下OSBP)

両国の国境施設を1つに統合するか、どちらか一方の国にだけ手続き場所を設ける通関運営方式です。
これによって、通関にかかる所要時間を大幅に短縮できます。

【OSBPによる所要時間短縮例】
・ザンビア~ジンバブエ間は、4~5日の国境通過時間が、数時間~3日程度に短縮
・タンザニア~ルワンダ間では貨物の通関所要時間が9時間から2時間に短縮

結果、JICAの試算では年間約140万ドルの輸送費用削減につながるそうです。

さらに、民間企業との提携によってインフラ改善に取り組んでいる例もあります。

例えば、豊田通商株式会社では、アンゴラ南部の港湾包括開発に参画しました。
ナミベ湾包括を開発することで、現地での雇用創出、南部地域の経済活性化、産業多角化に寄与するとともに、内陸国の輸出入を担う窓口港になるポテンシャルを向上させることにもつながります。

また、タンザニアにおいでは、道路に街灯がないため夜間事故が多発していました。
しかし、電力供給が安定していないため普通の街灯ではその役割を果たせそうにありません。

そこで、辻プラスチック株式会社により、太陽光パネルによって日中に蓄電池に充電し、夜になると発光する自発光道路鋲が敷設されています。

さらに、ナイジェリアでは、予算・技術力不足等により道路のコンクリートの劣化状況がわからず、橋やトンネルがある日いきなり崩落するかもしれない危険性がありました。

そこで、コンクリートの非破壊検査を行う日東建設株式会社から「非破壊によるコンクリート構造物の圧縮強度推定装置」を納入。
簡便かつ高精度の検査が実現しています。

今後の事業展開についても検討中とのことです。

まとめ

まとめ

この記事でご紹介してきたように、日本のノウハウが求められている事例は多くあります。

アフリカの交通インフラの改善により、地域一帯の開発も実現する可能性は高いです。

交通インフラの整備は、アフリカのポテンシャルを引き出すための基盤になると言えるでしょう。

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