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日本の研究開発費が少ないのはなぜか?その理由と影響を調査

どの国においても、研究開発進めていくためには費用が不可欠です。
しかし昨今、日本における研究開発費が少ないという現状があります。

これは大学や研究機関にとっても大打撃であり、国だけでは無く世界的にみても問題であるといっても過言ではありません。

世界中の先進国が続々と研究開発費に予算を割いている中で、日本の研究開発費が横ばい状態であり、少ないのはなぜでしょうか。

こちらの記事では日本の研究開発費が少ない理由を細かく解説し、その影響を紹介します。

日本の研究開発費が少ない理由

日本の研究開発費が少ない理由

2017年に発行されたイギリスの科学ジャーナル誌「ネイチャー」では、日本人の論文が2017年から遡ること5年間で8.3%も減少していると記されています。
また、世界最大の抄録・引用文献データベースである「スコーパス」においても、日本人の論文の割合が著しく低下していることを示しました。

この背景には、2004年に実施された国立大学の法人化があると言われています。

法人化より前は、ある程度の研究開発費が大学側から支給され、大きな研究はできないものの、細々と研究を継続することができました。

この法人化が実施されて以降は、大学に対する運営費交付金という国から支払われる予算が低下の一途をたどり、反面、営業成績に対応した競争的資金が増加していったという事実があります。

参照元:スコーパス|ELSEVIER 

削られたのは研究開発費

少ない運営費交付金の内訳として、大部分を占めるのは職員の給与や運営において不可欠とされる費用が挙げられるでしょう。

つまり、大学運営に直接影響のない研究開発費は削減される一方ということになります。
その代わり、競争社会となった大学において、研究開発費を増やしたければ、勝ち抜いていかなければならないという厳しい現実が突きつけられたのです。

この裏には、昔から問題であった一部の大学職員に対する怠慢がありました。
そこに、あえて競争原理を取り入れることで、研究者を淘汰して情熱の高い研究者を残すという流れがあったと言われています。

日本の研究開発費が少ないことによる影響

日本の大学が法人化されたことにより、研究開発費も少なくなっていきました。

当然、これによる影響は少なからずあります。
研究開発は、継続してこそ意味があるというのが大半の研究における実情です。

しかし、少ない研究開発費では、継続自体が難しくなり論文も書けません。
こうなると、さらなる予算を取ることも困難となり悪循環に巻き込まれる一方です。

これまでは着々と成果を上げていた研究者たちも、研究が継続できない状況が続くとモチベーションが下がります。

昨今は若者の研究者が減っているという問題もありますが、活力を維持できない背景が影響しているでしょう。

世界的に見る日本の研究開発費

世界的に見る日本の研究開発費

UNESO(国際連合教育科学文化機関)が2018年に発表した「世界の研究開発費における国別ランキング」によると、トップに立っているのがアメリカで581,553百万米ドルの研究家初費を投じています。

2位に躍り出たのが中国で、465,162百万米ドル。
その次に日本がランクインしたものの、その金額は171,294百万米ドルとアメリカや中国との差が大きいことがわかります。

さらに、研究者一人当たりの開発費で見ていくと、日本の世界ランクは16位にまで下がり、日本の研究開発費が少ないことが浮き彫りです。

参照元:世界の研究開発費 国別ランキング・推移(UNESCO)|UNESCO・グローバルノート

資金源のバリエーション

資金源のバリエーション

競争的資金が導入され、成果が目に見えて出やすい研究や、社会的にわかりやすいものや実用化されやすい研究に対しては研究開発費を獲得しやすい現状がある一方で、長いスパンをかけて研究を進めなければならないものに対しては研究開発費を獲得するのが困難になりました。

つまり、国自体の研究開発費が増えたとしても、競争に勝たなければ研究費を得られない研究者が出てくるため、格差が生まれます。

ところが近年は、研究開発費における資金源のバリエーションが豊富になってきており、行政からの資金だけに頼る必要がなくなりました。

例えば、大学や研究機関が独自に基金を立ち上げたり、財団や企業からの助成も増加傾向にあります。

学術系クラウドファンディング

近年主流となりつつあるクラウドファンディングには、学術系も登場しています。
実際、クラウドファンディング獲得した研究開発費によって成功した研究も多く見られ、その効果は歴然でしょう。

いきなり大きな研究開発費を得るのではなく、少ない研究開発費だとしても民間の基金やクラウドファンディングなどで獲得し、少しずつ研究を広げていくという手法が可能になったことは、長いスパンでの研究をしている研究者にとって非常に有効な流れと言えます。

研究開発費を獲得するには

いくら研究開発費に窓口が増えたとしても、その獲得方法を知らなければ意味がありません。
また、そのバリエーションも多く、研究内容や目的によって選ぶ必要があります。

例えば、政府基金に基づいて助成される「科学研究費助成事業」は、自然科学から人文学まで様々なジャンルにおいて学術研究を発展させるためのものです。
いわゆる、競争的研究資金であり、場合によっては獲得が難しい研究もあるでしょう。

しかし、団体や民間企業も多く助成を公募しており、公募情報サイトにて情報を得ることができます。
日頃から公募情報サイトをチェックしておくことで、意外なところから研究開発費を得ることができる可能性もあるでしょう。

また、研究活動自体を維持するためのサポートとして、国際的なシンポジウムに参加する費用を支援するものや奨学金なども見られます。
自分の研究において必要なサポートを見つけるのも、研究開発を継続していく秘訣でしょう。

まとめ

まとめ

日本の研究開発費が少ないと言った現状の中でも、新しいサポートの仕方が広まっているのは朗報と言えるでしょう。
クラウドファンディングや企業によるサポートは、現代だからこそ得ることができるチャンスとも言えます。

ただし、自分に見合ったチャンスを得るためには、日頃から情報取集しておくことが必須です。

チャンスは、一瞬で過ぎていくと言われますが、情報も日々更新しています。
公募情報サイトやSNS等をしっかりとチェックし、チャンスを逃さないようにしていきたいものです。

また、クラウドファンディングであれば、個人で研究者をサポートすることできます。
自分が興味を持っている分野や、必要としている分野の研究を見つけたら、小さい額からでもサポートするとよいでしょう。

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