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ファストファッションが原因で起こる環境問題。現状や取り組みも紹介!

近年、日本でもファストファッションが浸透してきています。

「服にあまりお金をかけたくない」「質よりも量を重視したい」などの理由から、手に取る人も少なくないでしょう。
また服には流行があるため「短期間しか着ないから、流行のアイテムは安いファストファッションですます」という人もいます。

このようにファストファッションは、買う側のさまざまな希望を満たし重宝される存在です。

しかし、そのファストファッションが、環境問題を引き起こしていると言われています。

本記事では、環境問題の現状や私たちにもできる取り組みなどをまとめました。

ファストファッションとは?

ファストファッションとは?

ファストファッションとは、流行を取り入れた服を安く大量に生産し、短期間で販売するブランドや業態を指す言葉です。
「安い」「早い」「おいしい」を特徴とした「ファストフード」になぞられてできた言葉になります。

また、ファストファッションは、

・商品の入れ替えが早いため、お客さんが何度も店頭に足を運んでくれる
・お客さんのニーズに素早く対応できる
・幅広い年齢層を対象としている

などの特徴もあります。

それでは、ファストファッションがどのようなものか理解した所で、続いては日本の現状を見ていきましょう。

ファストファッションの需要が高まる日本

ファストファッションの需要が高まる日本

現在日本では、1年間に購入する洋服の枚数は増えているのに対し、1着にかける金額は減っています。

そして、この原因の1つにファストファッションの普及が関係しているのです。

求められたのは安く購入できる服

2000年代以降になると海外のアパレル企業は、洋服の制作を世界各地に建設した工場で行うようになります。
人件費の安い国に発注し、仕事も分業制にすることで、コスト削減につながりました。

これにより、洋服1着の価格も大幅に下げられます。
これが、ファストファッションを安く購入できる秘密です。

そして通常、洋服の制作には企画から販売まで半年から1年かかりますが、ファストファッションは数ヶ月で完成。
製作期間が短い分、トレンドを反映しやすいメリットもあります。

そのため、通常の洋服と比べると多少の質は劣りますが、流行の洋服を安く購入できる点が注目され需要は増えていきます。

こうしてファストファッションは、日本に広まっていきました。

参照元:
サステナブルファッション|環境省
大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実|仲村和代 藤田さつき著

買った洋服は短期間で捨てられる

ファストファッションの普及により、大量生産・大量消費の流れができあがりました。
買う側が「安さ」を理由に洋服を購入すると、作る側も「安さ」を意識して作ります。

しかし、この流れは新たな問題を生むことになるのです。

人が1年間に購入する洋服の枚数は約18枚と言われています。
「高いからもう少し考えよう」となる所を、安さにつられて購入してしまう。
このような経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか。

このように、価格が購入のハードルを下げていることも原因の1つと言えます。

そして購入後、1度も着ていない洋服は約25枚、手放す洋服は約12枚にもなるそうです。

必要以上に購入すると、当然クローゼットの中は増え続けます。
最終的には、しまう場所がなくなり手放す選択をすることになるでしょう。

その後、手放された洋服の68%は、ごみとして廃棄されます。

ファストファッション 環境問題

参照元:サステナブルファッション|環境省

このように大量生産・大量消費の流れができあがると、新たに大量廃棄の問題も出てきました。
そして可燃ごみとして廃棄される際に出るCO2は、環境に悪影響を及ぼします。

このように、ファストファッションは環境問題にも関わってくるのです。

続いては、ファストファッションが環境問題の原因とされる理由について触れていきます。

ファストファッションが環境問題の原因に

ファストファッションが環境問題の原因に

ファストファッションを安く大量に生産・販売する裏で、さまざまな問題が発生しています。

1つずつ見ていきましょう。

製造から廃棄までの間に大量のCO2が発生

工場では、洋服を大量に効率よく生産するために機械を導入しています。
その機械を動かすためには、電気が必要です。

発電する際に化石燃料を使用しているのであれば、CO2が発生します。
特に合成繊維であるポリエステルやアクリルは、原材料に石油を使用しており繊維にする過程で大量の電気を使用。
同時に大量のCO2を排出しているのです。

また洋服を販売する店舗に輸送する際もCO2は発生し、店舗が工場から遠いほどCO2の排出量も増加。

そして、先述した通り、洋服を手放し可燃ごみとして廃棄する過程でもCO2は発生しています。

参照元:ゼロから学ぶファッションと環境問題|グリーンピース・ジャパン

水の大量消費と汚染

環境省によると、洋服1着をつくるために浴槽約11杯分、約2,300リットルの水を消費しているそうです。
そして水は、原料となる植物の栽培・染色・洗浄・加工などを行う際に使用されます。

また消費されると同時に、汚染されていることも忘れてはいけません。

染色や洗浄に使用された水の一部は、排水溝を通り河川に流され、やがて海へ辿り着きます。
汚染された水が流されることによって、河川や海の環境・生態系に影響を及ぼすのです。

汚染された水の放出は法律によって厳しく規制されていますが、完全になくなったわけではありません。

マイクロファイバーによる海洋汚染

ファストファッションは、アクリルやポリエステルなどの合成繊維を使用する頻度が多いことも1つの特徴です。

天然素材よりも安く手に入れられる合成繊維は、大量生産が基本のファストファッションに適した素材と言えます。
しかし、合成繊維に含まれるマイクロファイバーが、海洋環境や生態系に悪影響を及ぼしています。

マイクロファイバーとは、直径1デニール以下の細かい合成繊維です。
その多くが分解されにくい性質を持ち、河川や海に捨てられると分解されずに水中を漂います。

さらに水中を漂うマイクロファイバーを、生き物がエサと間違え飲み込み体内へ蓄積。
何も罪のない生き物たちが、影響を受けます。
その生き物を、私たちが食べる可能性もないとは言い切れません。

農薬や化学肥料を大量に使う天然繊維にも注意が必要

天然繊維は麻や綿・絹などのように、自然界に存在する素材から作られたものを指します。
しかし栽培する際に、農薬や化学肥料を使用しているため完全に環境に優しいとは言い難いことも事実です。

なかにはオーガニックコットンのように、化学肥料を一切使用していない素材も存在しますが、通常の天然繊維には農薬と化学肥料が使用されています。
特に綿花栽培では、害虫駆除剤・防カビや殺菌消毒をする薬剤・落葉剤などを大量に散布し栽培しているのです。

なかでも害虫駆除剤の使用量は、全世界の4分の1を占めています。

そして、過剰に薬剤をまくことで、

・化学物質による土壌汚染
・地下水の汚染
・土壌に生息する微生物の消滅
・土自体の作物を育てる力が弱まる

などの影響もでています。

ここまでは、ファストファッションが関係する環境問題についてお伝えしました。
ファストファッションが普及することによって、海洋汚染やCO2の増加などの問題が発生しています。

もちろん企業側も、改善するためにさまざまな取り組みを行っています。

そして、取り組みを企業だけに任せるのではなく、私たちも行動しなければいけません。
続いては、私たち個人にもできる取り組みを紹介します。

参照元:
繊維の種類と特徴1 ~分類及び天然繊維編~|生地屋・マスダ株式会社が語る繊維の世界|マスダ株式会社
オーガニックコットンとは|日本オーガニックコットン協会

環境問題を改善するために私たちにできること

環境問題を改善するために私たちにできること

ファストファッションが引き起こす環境問題を改善するためには、「新品の洋服を購入する回数を減らす」「洋服をごみとして出さない」が鍵となります。

洋服のシェアリングサービスを活用しよう

洋服のシェアリングサービスでは、定額料金を毎月支払うと設定プランの範囲内で洋服や小物を自由に借りられます。
なかには、プロのコーディネーターが、あなたに似合う服をコーディネートしてくれるサービスも。

必要以上に洋服を購入することもなくなり、流行の服も購入せずに楽しめるお得なサービスです。

長く着られる品質を選ぼう

洋服の購入基準を流行で決めている人は、品質に目を向けてみましょう。
質にこだわり手間をかけた洋服は、それに見合った値段になっています。

ファストファッションのように、大量には買えないかもしれません。

しかし、丁寧に手入れをすれば長く着られます。
長い目で見ると、1年で買い替えるよりも経済的です。

大切に選んだお気に入りの洋服が、少しずつ増えていく楽しみも味わえます。

古着を楽しもう

誰かが大切に着ていた洋服は味があり、同じものは存在しないため特別感もあります。
着ていくうちに自分の肌に馴染み、愛着も湧いてくるでしょう。
そのうえ、ごみとして廃棄されないため環境にも優しいと言えます。

日本では不要になった洋服を手放す際に、古着として提供する割合は約11%。

「着なくなったから捨てる」のではなく、誰かにつなげる気持ちで古着という選択をすることは環境問題の改善にもつながります。

参照元:サステナブルファッション|環境省

まとめ

まとめ

私たちの暮らしに浸透しているファストファッション。
たしかに、流行の洋服を安く手に入れられることは、魅力的に感じるかもしれません。

しかし、大量に購入し短期間で廃棄する流れができてしまい、環境悪化の原因となっています。

これ以上の悪化を防ぐためには、洋服の買い方や着なくなった後のことを考えなければいけません。

シェアリングサービスの利用や古着として誰かに提供するなど、私たちにできることはあります。

まずは、今持っている服を長く大切に着ることからはじめてみましょう。

  • 記事を書いたライター
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鹿児島県在住のフリーライター。コーヒーをきっかけにSDGsを知り、興味をもつように。普段は、ライフスタイルやSDGsに関する記事を執筆しています。

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