気候変動に具体的な対策を

海面上昇はどうして起こる?原因や地球に与える影響を解説

近年、地球温暖化の影響で急速な海面上昇が起こっています。
なかには「海の水が多くなっただけでしょう?」とあまり気にしていない人もいるかもしれません。

たしかに海水の量は増加します。
しかし海面上昇の影響は、それだけではないのです。

例えば1mの海面上昇により、秋田県・山形県・東京都・福井県・京都府・大阪府・和歌山県の砂浜が完全に消えてしまうと予測されています。

海に近い砂浜や低地は海面よりも水位が低くなると飲み込まれてしまうのです。
そして付近に暮らす人々や建物は、大きな被害を受けるでしょう。

海面上昇による被害は、日本にとどまらず世界中で発生しています。
悪化を防ぐためには原因や現状を知ることが欠かせません。

今回は、海面上昇が起こる原因や地球に与える影響などを見ていきましょう。

参照元:温暖化とは‐環境省へようこそ!日本への影響その4|環境省

海面上昇とは?

海面上昇とは

海面上昇とは、地球上の雪や氷が溶けて海水量が増加する現象です。

海水量が増加することによって海面の水位も上昇します。
これにより地球上のさまざまな場所で、人や環境に被害がでているのです。

1850年から海面水位の計測が開始され、世界平均で約20cm上昇していることが分かりました。
そして2000年頃から上昇する速度も上がっています。

このまま何も対策を行わずにいると、21世紀中に海面水位が最高で82cm上昇するという予測も発表されました。

すでに海抜の低い国では問題が深刻化しており、

・高潮による被害の増加
・満潮になると建物や道路に海水が侵入する
・田畑や井戸に海水が入り込み農作物が育たない
・飲料水に海水が混ざり飲めなくなる

などの被害がでています。

これは日本でも起こる可能性のある問題です。
他人ごとと思わず、海面上昇に対する対策を考え取り組まなければなりません。

まずは何が原因で、地球上の雪や氷が溶けているのかを知りましょう。

海面上昇の原因は?

海面上昇の原因は?

海面上昇の原因は、下記の2つが挙げられます。

・氷河や氷床に蓄積された氷が溶けて海水量が増える
・海水の温度が高くなり体積が膨張する

海水の量が増えることによって、海面の水位が上がる現象は何となく想像ができます。
しかし、海水の体積が膨張するとはどのような現象でしょうか。

この2つの原因について詳しく見ていきましょう。

氷河や氷床の融解

地球温暖化によって氷河や氷床の氷が溶かされ、海水と混ざり海面が上昇します。
しかし、海中にある氷が溶けても海面は上昇しません。
海中の氷は海の一部である海水が凍ってできているため、溶けたとしても海水量への影響はほとんどないのです。

注意しなければならないのは陸上の氷が溶けることです。

グリーンランドや南極の陸地は氷河や氷床で覆われています。
そのため気温が上昇すると陸地の氷河や氷床が溶け、海水と混ざり合うのです。
これにより今まで陸にあった氷が、海水に加えられるため水位も上昇します。

参照元:Q3海面上昇とゼロメートル地帯-ココが知りたい地球温暖化|地球環境センター

海水温の上昇による熱膨張

熱膨張とは、固体・液体・気体などの物質が、温められて体積が増える現象を言います。
そして、これは海水の熱膨張も同じ仕組みです。

熱膨張による海面上昇は、下記のような流れで起こります。

地球温暖化の影響で海水の温度が上昇する
温められた海水は体積が大きくなる
海水の体積が大きくなる分、海面の水位も上昇する

地球の表面に蓄積された熱エネルギーの90%は、海に貯められています。
このように膨大な熱エネルギーを貯め込んでいるため、海水温は上がり体積も増えているのです。

また20℃の海水が1℃上昇するたびに、体積は約0.025%膨張するということも分かりました。

参照元:気候変動に伴う海面上昇量に関する最近の議論|気象庁

海面上昇が私たちに与える影響

海面上昇が私たちに与える影響

ここからは海面上昇が私たちに与える影響を、予測と現状の両方から見ていきます。

グリーンランドの氷が消えると7mの海面上昇が起こる

先述した通り、海面上昇は、陸上の氷河や氷床が溶けると起こります。

そのため現在も、地球温暖化の影響により南極やグリーンランドの氷がゆっくりと溶けだしています。
もし、このまま何も対策をせずにいると、ゆくゆくはグリーンランドの氷も完全になくなってしまうでしょう。

1000年以上先の話になりますが、グリーンランドの氷が完全に溶けた場合、海面の水位は約7m上昇すると予測されています。
1000年後の海抜0mの地域は、水没する可能性が高くなるということです。

私たちが生きている時代に水没する可能性は低いですが、未来に大きな問題を残してしまいます。

参照元:Q3海面上昇とゼロメートル地帯-ココが知りたい地球温暖化|地球環境センター

環境ストレスが原因で起こるサンゴ礁の白骨化

地球温暖化により引き起こされる海面上昇や海水温度の上昇は、さまざまな生態系に影響を与えています。

そのうちの1つがサンゴ礁です。
サンゴ礁は海の生態系にとって、重要な存在です。

主な役割として、

・多様な生物のすみかになる
・二酸化炭素を循環させる機能
・防災機能

などが挙げられます。

しかし海面上昇や海水温の上昇など環境面のストレスが原因となり、サンゴ礁の白骨化が止まりません。

【サンゴ礁の白骨化前と白骨後】

サンゴ礁の白骨化前と白骨後

参照元:国際サンゴ礁年2018|環境省

なかには白骨化が進み、死滅するサンゴ礁もいます。

そこで日本はサンゴ礁を保全するために、

・自然の状態に近い形でのサンゴの移植事業
・海洋保護区の設置
・サンゴ礁のモニタリング調査
・世界8ヶ国と連携し、サンゴ礁の保全と持続可能な利用を目指す「国際サンゴ礁イニシアティブ」を設立

などを行いサンゴ礁の保全に努めています。

ここまでは水没やサンゴ礁の白骨化など、温暖化による海面上昇が引き起こす影響を見てきました。
続いては海面上昇を改善するために、私たち1人ひとりにできることを紹介します。

私たちが海面上昇防止のためにできることは

私たちが海面上昇防止のためにできることは

日本はほかの国と比較すると、海面上昇の被害をあまり受けていない国です。
しかし、これから先も絶対に被害を受けないという保証はありません。

日本も現在被害にあっている国々と、同じ状況になる可能性があります。
そうならないためにも、下記のような1人ひとりができることを着実に行いましょう。

【家庭でできること】

エアコンの温度を冷房は28℃、暖房は20℃に設定 設定温度を1℃変えることで、二酸化炭素を年間29.2㎏削減
使わない部屋の照明は消す 12Wの蛍光灯の点灯時間を1時間短くすると、二酸化炭素を年間1.5㎏削減
炊飯器を長時間使わない場合はコンセントを抜く 二酸化炭素を年間37・6㎏削減
シャワーは流したままにしない 45℃のお湯を流す時間を1分短縮すると、二酸化炭素を年間29.1㎏削減
使わない時はパソコンの電源を切る 1日に使用する時間を1時間減らすと、二酸化炭素をデスクトップ型で年間11.0㎏削減、ノート型で年間1.9㎏削減

参照元:
家庭でできる地球温暖化対策|知多市
省エネコラム・食生活でひと工夫|ECCJhome

上記の他にも、

・過剰包装やプラスチック製品を避ける
・クリーンエネルギーを選択する
・観葉植物を飾る
・目的地が近い場合は徒歩か自転車にする
・エコラベルが付いた製品を購入する

などがあります。

海面上昇を止めるためには、1番の原因である地球温暖化を止めなければいけません。
そのためには、二酸化炭素の排出量削減が効果的です。

テレビや照明をこまめに消すなど、普段の生活で見過ごしてしまいそうなことを注意するだけで、海面上昇の防止につながります。

まとめ

まとめ

本記事では海面上昇の原因や現状、私たち個人にできる取り組みを紹介しました。

海面上昇は地球温暖化によって「陸上の氷河や氷床が溶け海水の量が増える」や「温められた海水の体積が膨張する」ことによって起きる現象です。

海面の水位が増すと、海岸沿いの砂浜や低地は海水に飲み込まれ消えてしまいます。
それだけでなく、サンゴ礁の白骨化など生態系にも被害がおよぶことが分かっています。

このまま私たちが環境のことを考えず今の生活を続けると、自然環境は悪化し世界の陸地が次々と水没していくでしょう。

そうならないためにも、それぞれが環境のことを考え生活しなければいけません。

1人ひとりの行動は小さなものです。
しかし全員が取り組むことによって、環境を変えるほどの大きな力になるのです。

あなたの小さな行動が、未来の地球を作ります。

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