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陸の豊かさも守ろう

日本で森林破壊は起きている?日本の森林の現状についてご紹介

SDGs(持続可能な開発目標)の15番目のゴールは「陸の豊かさを守ろう」です。このゴールについて語られる際によく挙げられる課題は森林破壊ですが、我々の住む日本においては森林破壊は起きているのでしょうか?

また、世界の森林破壊との関係や、日本の森林に起きている問題には何があるのでしょうか?今回は、日本における森林破壊の現状や森林の問題についてご紹介したいと思います。

日本の森林の現状

日本の森林の現状

日本は国土面積の3分の2を森林が占めていて、世界でも有数の森林大国と呼ばれています。まずは日本の森林の現状を確認していきましょう。

森林とは?天然林と人工林

森林は、主として自然の力で成り立った天然林(自然林)と、木材生産を目的として人工的に作られた人工林に分けられることが多いです。

人工林の多くは戦後の経済成長期に植林によって造られており、日本の森林資源を蓄える「木材の畑」の役割をしています。

過去50年間の森林面積

日本は国土面積の3分の2、約66%を森林が占めていると説明をしましたが、実は過去50年間、この森林面積の増減はほとんどありません。

しかし、人工林は昭和40年代から比べると約30%増えていて、その分天然林やその他の森林面積は15%程度減少しています。世界では1年間で日本国土の半分以上の森林面積が失われていることを考えると、日本の森林資源の豊かさを実感できるのではないでしょうか。

森林蓄積量の変動

日本の森林面積が変わらない一方で、増え続けている物もあります。それは「森林備蓄」です。

森林備蓄とは、森林資源量の目安のことであり、森林備蓄量が増加しているということは、木材として活用できる木が増えているということを意味します。

過去50年間の間で森林面積は増えていないのに備蓄だけが増えているという事実は、国内の森林伐採が減少し、「使うべき資源」が余剰となっていることを示しています。

自国の森林資源の活用量

では日本は自国の森林資源をどれだけ活用しているのでしょうか。実は日本はOECD加盟国の中でも最下位の自国森林資源の伐採量の国となっています。

これには国内の森林資源を活用するかわりに、海外の安い木材や木工製品を輸入しているという背景があります。

日本の森林における問題

日本の森林における問題

ここまでお話した日本の森林の現状は、一見すると特に問題が無いように感じますが、実は様々な問題を引き起こしています。その原因と、具体的な問題とは何なのでしょうか。

原因

先述したように、日本では自国の森林資源の伐採が十分に行われていません。森林伐採が行われずに人工林を放置してしまうと、環境問題や自然災害を引き起こす可能性が高まります。

これは海外の木材輸入増加や後継者問題により林業が衰退し、計画的な森林の手入れが行われなくなったことが原因です。

問題1:地球温暖化の防止機能低下

一般的に森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を作り出す役割をになっています。

若い樹木であれば二酸化炭素吸収量が呼吸による排出量を上回りますが、樹木も歳をとると二酸化炭素吸収量が減り、呼吸による二酸化炭素排出量のほうが多くなってしまいます

伐採を行わないほうが地球温暖化防止に役立つような気がしますが、樹齢の長い木が残ることは温暖化防止機能を低下させてしまうのです。

問題2:土砂災害の増加

人工林は、効率的に「木材を育てる」ために木を密集させて植林しています。そのため「収穫」、つまり間伐や伐採などの適切な管理を怠ると、太陽の光が地表に届かなくなってしまい、土草が育たずに土壌が痩せ、大地の保水力が弱まってしまいます。

この状態で台風や大雨がおこると、雨水が一気に流れることによる土砂災害が起こるリスクが増加します。

日本の森林の問題の解決に向けて

日本の森林の問題の解決に向けて

日本では森林伐採が減ったことによる環境問題を解決するために、どのような対策が取られているのか、どのようなことができるのか、考えてみましょう。

国産木材を活用しよう

まずは、国内の森林資源を自国内で活用する機会を増やすことが大事だとされています。

国産木材加工品は外国製の木材の加工品よりも高価なことが多いですが、国内の間伐材を使用していますという表記のある紙やパルプ、割りばしなどを使うことで、国内森林伐採量の増加を手助けすることができます。

また、世界有数の森林資源をもつ国としての強みを活かして外国への国産木材の輸出も増えています。

森林環境税の導入

日本の森林を整備する目的として、2024年度より森林環境税が導入されることがきまっています。森林の整備を適切に行うことは、自然災害の防止・地球温暖化の抑制などにつながることはご説明しました。

一人当たり年間1000円の徴税がされ、森林資源の管理や後継者の育成資金などに使われていく予定です。必要な徴税であるからこそ、その使い道や活用のされ方には注目をしていかなければいけませんね。

まとめ

まとめ

本記事では、日本の森林の現状について、そして抱える問題についてご紹介しました。

世界の多くの国では森林伐採を止めるための活動が行われるのとは違い、森林大国ならではの悩みを抱える日本の現状を知ることができたのではないでしょうか

日本の林業と国産木材の消費を再生していくことが、森林の再生にもつながり、豊かな国土を守ることにもつながっていきます。国内で木材を賄うことは、世界の森林伐採を食い止めるきっかけにもなるでしょう。

まずは日々手に取る商品がどこから来た木材なのか、意識をしてみることから始めてみませんか?

  • 記事を書いたライター
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大手カフェチェーンで人材育成に携わり、青年海外協力隊としてアフリカのルワンダにて2年間活動、その後は国際協力機関での勤務経験あり。過去の経験をもとに現在はフリーランスとして途上国支援やキャリア教育の講師・メンター業をメインとして活動しながら執筆活動も行う。趣味は旅とコーヒーと料理。海の街に暮らし始めたことで日々大量の魚をさばく生活を楽しんでいる。

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