『あなたの選択が誰かの明日をつくる』
この理念を掲げ、2023年に設立された学生団体IRIS(アイリス)は、神田外語大学の学生にてフェアトレードというテーマに取り組んでいます。発展途上国の生産者を支援し、持続可能な社会の実現を目指すIRISは、自主性を重視した運営スタイルとユニークな商品展開で、消費者と生産者をつなぐ架け橋となるべく活動を広げています。
今回は、IRISの設立経緯や活動内容、団体メンバーが描く未来について、神田外語大学3年生の中島さんと工藤さんにお話を伺いしました。
「フェアトレード推進団体IRIS」設立の経緯
―団体の設立年、設立目的、立ち上げの経緯を教えてください。
IRISは2023年に神田外語大学にて設立しました。設立の目的は大きく2つあります。1つ目は、主に発展途上国の生産者を継続的に応援すること。2つ目は、消費者に『フェアトレード』という考え方や、それに関連する商品の魅力を広め、認知を向上させることです。
団体設立のきっかけとして、フィリピンでの現地インターンを経験したことが挙げられます。そのインターンで、多種多様なフェアトレード商品が存在することを知りました。また、フェアトレードには持続可能な社会を実現する可能性があると感じ、これをもっと広めたいという想いが強くなり、この経験が、IRISを立ち上げる原動力になりました。
―団体名の由来を教えてください。
団体名である「IRIS」は、アイリスの花に由来しています。この花には「よき便り」という花言葉があり、その意味に大きな共感を抱きました。また、私たちの理念として『あなたの選択が誰かの明日をつくる』を掲げています。この理念のもと、フェアトレードという消費者の選択を生産者につなげる“橋渡し”の役割を担いたいという想いを込めて「IRIS」と名付けました。
―団体のビジョン・ミッションを教えてください。
私たちのビジョンは、広く持続可能な社会を実現することです。そのために、フェアトレードの観点から社会の変革を促していきたいと考えています。フェアトレードを通じて、生産者と消費者がより良い関係を築ける社会を目指し、一歩ずつ活動を進めています。
具体的な活動内容
―現在の主な活動を教えてください。
IRISの活動の中心は、フィリピンや熊本から仕入れたフェアトレード商品を大学内外で販売することです。ジュースパックやペーパービーズなど、一般的なフェアトレード商品とは異なるユニークな品揃えで、購入者に新鮮な驚きやワクワク感をお届けしています。
また、ワークショップを開催し、小さな子どもたちにブレスレット作りを体験してもらうなど、多角的なアプローチでフェアトレードを広めています。
―活動への想いについて教えてください。
IRISは『あなたの選択がだれかの明日をつくる』という理念を掲げ、フェアトレード商品を通じて消費の在り方を見直し、持続可能な社会の実現に貢献したいという想いが活動の根底にあります。
消費者が何気なく手に取る商品に、フェアトレードという選択肢が増える日を目指し、そのために、商品の魅力を伝えるだけでなく、その背後にあるストーリーを知ってもらうことが重要だと考えています。
フェアトレード商品が当たり前に受け入れられる社会が訪れることを願い、私たちはその実現に向けて、普段の活動に取り組んでいます。
―現在のメンバー数と組織構成を教えてください。
IRISは現在、38名のメンバーで活動を進めています。組織は6つの部署に分かれており、総務部、広報部、企画部、外務部、会計部、そしてビジネス戦略部がそれぞれの役割を担いながら活動を支えています。
団体活動の特徴とは?
―他団体と違う何かユニークな特徴があれば教えてください。
IRISのユニークな特徴の1つ目は、扱うフェアトレード商品の”意外性”です。消費者に「こんなフェアトレード商品もあるのか!」と驚きを提供することを重視しており、ペーパービーズのブレスレットやジュースパックのバッグなど、一般的なフェアトレード商品とは異なるアイテムを主要商品として扱っています。
2つ目は『産官学の連携』です。他大学の組織や地域のフェアトレード事業者、行政とのパートナーシップを築き、地域全体でフェアトレードに取り組む体制を構築しています。その結果、単独の組織では実現が難しい10以上の共同企画を成功させてきました。このように、多様なパートナーとの連携を活かして活動を展開している点が私たちの強みです。
さらに、IRISはすべての活動を学生主体で運営しています。商品の仕入れから販売、会計管理に至るまで、学生たち自身が主導し、責任を持って実施している点も他団体との大きな違いです。自主性を重視し、メンバー一人ひとりが責任を持って活動に取り組んでいて、この自主性が、団体の一体感や成長に繋がっています。
―活動を行う中でのやりがいや、反対に大変なことを教えてください。
やりがいを感じる瞬間は、出店販売を通じてお客様が商品や私たちの活動に魅力を感じ、商品を購入していただけるときです。その瞬間には、お客様のワクワク感、メンバーの達成感、そしてフェアトレードを通じて生産者を支援できるという実感が交差します。このような経験は、活動を続ける大きなモチベーションになっています。
一方で、活動の大変な点は、ビジネス活動として出店販売を行うこと自体が団体の存続に直結する点です。学生である私たちは出店販売の機会や時間が限られ、企画から実行まで全て自分たちで責任を持って取り組む必要があります。また、お客様に商品の魅力を伝え、購入していただくためには、商品そのものの価値や訴求方法を常に試行錯誤する必要があります。これらの課題を地道に克服しながら活動を続けています。
―団体に加入するのはどんな入会理由が多いですか?
入会を希望する学生の主な志望動機としては、大きく2つ挙げられます。1つ目はやはりフェアトレードへの興味や関心です。2つ目は、ビジネス活動に対する興味や関心を持つ学生が多いことです。フェアトレードというテーマを通じて、社会貢献とビジネスの両立を学びたいという学生が集まっています。
―最後に、今後の活動方針について教えてください。
今後は、団体をより強固なものにしていきたいと考えています。設立からおよそ1年半が経ちましたが、まだ改善の余地が多くあります。特に、世代交代に伴う引き継ぎが十分に整備されていない点が課題です。これらを一つずつ改善しながら、学内外での活動をさらに充実させ、多くの方々に私たちの活動を知っていただけるよう努力していきたいと思います。
また具体的活動として、今後は大学内の売店や学食にフェアトレード商品を置き、神田外語大学をフェアトレード大学にすることを目指しています。そのためには、学内外での認知度をさらに高めていく必要があります。
―今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。
▼今回活動をご紹介した「学生団体IRIS」のページはこちら
ホームページ:https://sites.google.com/kuis.ac.jp/iris-group/home
Instagram:https://www.instagram.com/kuis_iris/