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SOCIETY

エコーチェンバー現象とは?「共感」が生むSNSの危険性を考えよう

TwitterやInstagram、Facebookなど、今やSNSは世代を問わず親しまれるコミュニケーションツールに成長しました。
皆さんは、普段SNSを使っているでしょうか。

SNSを通じて、共通の興味関心を軸としたコミュニティを形成し、日常生活では出会えない人々とのつながりを作ることができます。
しかし、SNSの醍醐味である“つながり”が、大きな危険性をはらんでいることも知っておくべき事実です。

その1つが、今回のテーマ「エコーチェンバー現象」。
本記事では、「エコーチェンバー現象とは何なのか?」「私たちはどんなことに気をつけるべきなのか?」などSNS社会に生きる多くの人に知っていただきたい内容を詳しく解説します。

ぜひ最後までご覧ください!

エコーチェンバー現象とは?

エコーチェンバー現象とは?

エコーチェンバー現象とは、SNSなどの閉鎖的な空間で発される意見や思想に対し、共感が繰り返されることで、自分の主張が世の中的に一般論であり世論そのものであるように捉えてしまう現象のことです。
また、それに付随して自分と異なる主張に対して過剰に否定的に捉える傾向があります。

元々、エコーとは「反響」を意味するため、似た情報ばかりが飛び交う閉じた空間(共鳴室)の中で、音が反響するイメージから名付けられた言葉です。

ワンクリックで共感を表現できる「いいね!」機能のあるSNSはもちろんですが、不特定多数の人が意見を書き込むことができるネット掲示板などでもエコーチェンバー現象は起こります。

同じ意見や価値観を持つ仲間とつながることは、本来悪いことではありません。
しかし、近年のSNS普及率の高まりに伴い、オンライン上でのコミュニティ形成が一般的になっている背景から、“共感”が生む負の側面について以前よりも危険視されているのです。

エコーチェンバー現象の問題点

エコーチェンバー現象の問題点

エコーチェンバー現象が起きると、どんな問題が生じるのでしょうか?

主な問題としては、意見や価値観の多様性を失わせてしまうことです。
米国の法学者サスティーンは、著書の『インターネットは民主主義の敵か』においてインターネット上での「集団極性化」について述べており、その中でエコーチェンバーについても触れています。

エコーチェンバー現象は、過激な主義・主張に対して生じやすいことから、特に政治領域で問題が起こるケースが多々あります。
実際に、サスティーンは無作為に選んだ60の政治系ウェブサイトを対象に各ウェブサイトのリンク先を調査すると、反対意見へのリンクは2割に満たない一方で、同意見へのリンクは約6割と高くなっていることを明らかにしました。

さらに、反対意見へのリンクがある場合も「相手の見方がいかに危険で、愚かで、卑劣であるかを明らかにするのが目的」となっていることが示されました。

このような状況下で意見を交わせば、当然自分たちの反対意見に対して排他的・攻撃的になることは言うまでもありません。

参照元:情報通信白書 令和元年版「インターネット上での情報流通の特徴と言われているもの」|総務省HP

エコーチェンバー現象と似て非なる言葉

エコーチェンバー現象と似て非なる言葉

近年、エコーチェンバー現象と同様に問題視されているものとして、「フィルターバブル」「確証バイアス」というものがあります。

合わせて理解を深めましょう。

①フィルターバブル

フィルターバブルとは、ネット検索のアルゴリズムによって、個人の検索傾向やサイトの閲覧履歴などから表示される情報が限定的になる状況を指します。

こうした個人に最適な情報やコンテンツを表示するフィルタリング機能やパーソナライゼーション機能は、近年マーケティング戦略の一環として積極的に導入されています。
適切で効率的な購買などにつながる意味では大きな問題はありませんが、知らない間に偏った情報しか受け取っていない状況が生まれている可能性があります。

フィルターバブルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

フィルターバブルとは?メリットとデメリットを分かりやすく解説!

②確証バイアス

確証バイアスとは、個人的に何らかの主義主張を持っている場合、それを立証するために肯定的な情報ばかりが目に入り、自身の考えが正しいという認識が強まってしまうことを指します。

確証バイアスは元々認知心理学・社会心理学の用語であり、インターネット上に限定された問題ではありません。
しかし、SNSなどで簡単に情報収集ができるようになった昨今、確証バイアスが起きやすい環境がより身近になったため、気をつけなければなりません。

エコーチェンバー現象の具体事例

エコーチェンバー現象の具体事例

実際にエコーチェンバー現象によって起こった問題について、世界と日本の具体的な事例をご紹介しましょう。

事例①:アメリカの大統領選

エコーチェンバー現象は政治領域で発生しやすいということは先述のとおりですが、アメリカの大統領選において問題が表面化した事例があります。

アメリカでは、オバマ前大統領の時代からSNSを駆使した選挙活動が積極的に行われていましたが、私たちの記憶に新しいのはトランプ前大統領の選挙戦ではないでしょうか。
トランプ前大統領はSNSでの過激な発言で有名ですが、当時もこの過激な発言に共感した人々が生み出したエコーチェンバー現象によって大きな支持を集め、大統領選に勝利しました。

トランプ前大統領は、大統領就任後もSNS上での過激な発言を続け、アメリカ国内に大きな分断を作りました。
エコーチェンバー現象によって、異質な考えを徹底的に排除しようとする大きなムーブメントにつながってしまったのです。

事例②:コロナ禍の情報拡散

昨今のコロナ禍においても、SNSは貴重な情報入手経路となりました。
しかし、ここでもエコーチェンバー現象によって、マスクやワクチンの必要性などに対する分断が生じていたのが事実です。

日本人の国民性として、協調性を重んじ同調圧力が強い傾向があります。
同調圧力によって異質なものに対して過剰に反応し、自分と同じ意見を持つことを期待してしまう側面があります。

コロナ禍というイレギュラーな状況と、こうした元々の特性も相まり、SNS上においてもまだ実証されていない事象に対して肯定派・否定派の対立が多く見受けられました。

あなたは大丈夫?情報との向き合い方を見直してみよう

あなたは大丈夫?情報との向き合い方を見直してみよう

今回は、エコーチェンバー現象の概要や問題点、具体的な事例についてご紹介しました。
本記事を読んで、もしかしたら普段の自分自身に少し思い当たる節があった方もいるかもしれませんね。

私たちの生活においてSNSは非常に身近であり、多くの人が交流できる場であるからこそ無意識のうちに起きてしまう問題は多々あります。
そして、そうした問題は規模が大きくなればなるほど、政治的・社会的な分断を引き起こします。

今一度、情報に触れる際は「偏った物の見方をしていないか?」「異質なものに対して過剰に否定的になっていないか?」など、自分自身の行動を見直してみましょう。
一人ひとりが正しく情報に向き合うことで、多様性のある豊かなコミュニケーションの場を築くことにつながるのではないでしょうか。

  • 記事を書いたライター
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ビジネス専門ライター。大企業のサステイナビリティー推進担当として、SDGsやESGに関する業務に携わった経験を持つ。インナーコミュニケーションやSDGs・ESGなどのテーマを中心に執筆しています。近年のトレンドには常にアンテナを張り、情報収集に勤しむ日々。一見難しそうに感じるテーマを、読者の方にとって身近に感じてもらうことが目標です。

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