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すべての人に健康と福祉を

世界の医療格差について、その現状と解決に向けてできることとは?

世界が取り組むべき持続可能な開発目標(SDGs)の3「すべての人に健康と福祉を」では、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」という目標が掲げられています。

しかし昨今の新型コロナウイルスの流行により、世界のすべての人が必ずしも平等に適切な医療サービスを受けることができない「医療格差」という課題がより深刻化しました。

今世界に存在する医療格差とはどのようなもので、その原因は何なのでしょうか。

世界の医療格差の現状

世界の医療格差の現状

途上国や新興国においては、いまだに基本的な医療サービスを受けられず、救える命が失われる現状があります。

地球規模での医療保健、いわゆるグローバルヘルスの問題は大きく以下の3つに分けられます。

・妊産婦保健:開発途上地域の妊産婦死亡率は先進国の14倍にものぼり、適切な医療を受けられる女性は全体の半分に過ぎません。

・小児保健:世界で毎年500万人を超える子どもが5歳の誕生日を待たずに命を落としており、そのうちの8割はサハラ以南アフリカと南アジアの2地域で暮らす子どもです。
その原因の多くは栄養不足や、はしかのようなワクチン接種で予防可能な感染症などです。[1]

・感染症:途上国ではHIV/エイズやマラリアといった感染症が主な死亡原因となっています。
これらの感染症は、ワクチン接種での予防や治療によって治るものも多々ありますが、地理的・経済的な理由から医療サービスに多くの人がアクセスできず、命を落としているのです。

新型コロナウイルスの流行で顕在化した、世界の医療格差

新型コロナウイルスの流行で顕在化した、世界の医療格差

昨今の新型コロナウイルス感染予防対策においても、世界間の医療格差が表面化しています。

新型コロナウイルスワクチン接種を完了した人は、2021年6月時点でいまだ世界人口の10%にも及びません。
その内訳を見ると、北米や欧州では約30%が接種を完了したのに対し、南米は11%、アジアでは8%、アフリカでは1%にも満たず、明らかに接種率には地域間に大きな偏りがあります。[2]

しかも途上国においては感染状況について情報共有を拒む国や、そもそも医療が疲弊していて十分な検査能力を持たない国が存在するため、新型コロナウイルス対策における医療格差は、さらに大きいものであると考えられます。

参照元:接種は世界人口の10%のみ、数字が物語るワクチン格差の実態|CNN.co.jp 

世界の医療格差の原因とは

世界の医療格差の原因とは

世界の医療にこのような格差を生み出す原因として、途上国の衛生環境の不十分さがまず挙げられます。

国連の報告によれば、世界人口の10人に3人は、安全に管理された飲料水サービスを利用できず、10人に6人は安全に管理された衛生施設を利用することができません。

また、医療機関にアクセスすることが難しく医療従事者の数・レベルが十分でないことも原因として挙げられます。
薬や医療物資は輸入品であることが多く、高価であるうえ供給も不安定なので、貧困状態にある人にとっては手に入れることが難しい状況にあります。

参照元:SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは? 17の目標ごとの説明、事実と数字|国際連合広報センター

世界の医療格差を解消する~ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ~

世界の医療格差を解消する~ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ~

このような世界の医療格差を解消し、すべての人の健康と福祉を保障するため、SDGs目標3に付随する個別ターゲットとして「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成」が掲げられています。

UHCとは、すべての人が経済的な困難を伴うことなく適切な医療サービスを受けられることを意味します。

UHCを達成するためには、保健医療サービスが身近に提供されていることや、保健医療サービスの利用にあたって費用が障壁とならないことが満たされる必要があります。
これは当事者である途上国だけで達成できるものではなく、国際的な支援や協力が必要不可欠です。

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを実現するための行動とは

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを実現するための行動とは

世界の医療格差を解消するために必要とされているユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を加速化させる方法として、世界銀行がいくつかの提案をしています。

例えば、以下のようなものです。

テクノロジーを医療に援用し、イノベーションを起こす

ルワンダではドローンを輸血用血液の搬送に用い、輸送時間を短縮する試みが行われました。

同様に、様々なIT技術を医療に援用し、従来の方法に変革をもたらす必要があると提案しています。
オンライン診療や遠隔画像診断などもその一例でしょう。

ステークホルダーが一体となった行動を促す

利害関係の垣根を取り払い、政府をはじめとしたすべてのステークホルダーが一体となって積極的に行動を起こすことを求めています。

その一環として、世界銀行自らもWHOと共同で保険システム構築のアクションを起こしています。

まとめ:世界の医療格差~私たちにできることは~

まとめ:世界の医療格差~私たちにできることは~

この2年間で世界中に広がった新型コロナウイルス感染によって、世界のすべての人が必ずしも平等に適切な医療サービスを受けることができない世界の医療格差の現状がより顕在化しました。

また、ウイルスの感染は個人や1国の努力で食い止められるものではなく、医療技術やワクチンを含む薬・物資の提供など、各国間の協力なしに事態が収束しないことは明らかです。

この医療格差を解決するため、私たちは格差が存在するという現実を注視し、自分にできることを模索し続ける必要があります。

そして、SDGsの3番目の目標「すべての人に健康と福祉を」が他人事ではなく、自らを含む世界すべての人のための目標であることを再認識し、国際社会全体で対策に取り組んでいくことが求められているのです。

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事

ICU卒業後、出版社にて女性誌の編集・ライティングに約10年間従事。その後NPOや財団法人で機関誌の編集・執筆を担当するなかで、社会貢献・慈善活動についての知見を深める。米・ペンシルバニアに滞在経験があり、現地の人々の寄付活動の熱心さに感銘を受ける。得意分野は、SDGs、多様性、フィランソロピー。

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