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世界のヴィーガン人口の割合は約3%|日本の食品業界の変化と続けやすい始め方

世界のヴィーガン人口の割合は約3%?理由や背景をくわしく解説

「ヴィーガン」とは、肉や魚だけでなく卵や乳製品、はちみつなど動物由来の食品を避ける食生活のことです。動物愛護や環境保護、健康管理など理由はさまざまですが、実際に世界でどれくらいの人がこの食生活を送っているのか、正確な数字を知っている人は多くありません。本記事では、国の公開資料をもとにした世界のヴィーガン人口の目安と、日本の食品メーカーやコンビニの変化、そして無理なく続けるための具体的なステップを整理します。

世界のヴィーガン人口はどのくらいか|3%調査から読み解く目安

世界のヴィーガン人口を正確に数えた統計は存在しませんが、参考になる調査があります。イギリスの市場調査会社Ipsos MORIが2018年に世界28カ国の成人男女20,313人を対象に実施したウェブアンケートで、回答者自身が食べる・食べない食品をもとに食生活のタイプを集計しました。この調査結果は農林水産省の「令和2年度 フードテック振興に係る調査委託事業の報告書」でも紹介されており、世界のヴィーガン割合は約3%という数字が示されています。

この調査は大規模な国際比較として現在も広く引用される代表的なデータですが、実施から数年が経っており、その後同規模で全世界を横断的に調査した公的統計は限られています。そのため「約3%」という数字は、あくまで2018年時点の目安として捉える必要があります。

2018年の3%から今の人口で試算するとどうなるか

参考として、当時の3%という割合をそのまま現在の世界人口に当てはめて試算してみます。国連の人口推計(World Population Prospects)によると、世界人口は2018年時点で約76.3億人、2024年時点では約81億人まで増えています。単純に同じ3%という比率が続いていると仮定すると、2018年の約2.3億人に対し、2024年時点では約2.4億人相当という計算になります。これはあくまで比率が変わらないと仮定した粗い試算であり、実際の割合が上下している可能性はある点に注意してください。それでも、世界人口の増加とともに母数としてのヴィーガン人口も増えている可能性がある、という一つの見方として参考にできます。

なお同じ調査では、ヴィーガン以外の食生活タイプも定義されています。動物性・植物性を問わず食べる「オムニボア」、肉や魚は控えつつ卵や乳製品は食べる「フレキシタリアン」、肉は食べないが魚や卵、乳製品は食べる「ペスカタリアン」、肉や魚は食べないが卵や乳製品は食べる「ベジタリアン」の4つが並んで示されており、ヴィーガンはこの中でもっとも動物性食品を避ける区分に位置づけられています。

ヴィーガン・ベジタリアン・ペスカタリアン・フレキシタリアンの違いを整理する

「肉を食べない人」とひとくくりにされがちですが、実際には避ける食品の範囲によっていくつかのタイプに分かれます。混同すると外食や贈り物の場面で相手に失礼になることもあるため、違いを押さえておくと役立ちます。

  • オムニボア:動物性・植物性を問わず幅広く食べる、いわゆる一般的な食生活
  • フレキシタリアン:肉や魚を減らしつつ、卵や乳製品は日常的にとる柔軟な食生活
  • ペスカタリアン:肉は食べないが、魚や卵、乳製品はとる食生活
  • ベジタリアン:肉や魚は食べないが、卵や乳製品はとる食生活
  • ヴィーガン:肉・魚・卵・乳製品・はちみつなど動物由来のものを避ける食生活

ヴィーガンはこの中でもっとも制限が広く、白砂糖の精製過程で動物の骨炭が使われる場合があることを理由に白砂糖を避ける人もいます。一方でフレキシタリアンのように「完全にはやめないが減らす」という緩やかな選択をする人も増えており、ゼロか百かではなく、どこまで動物性食品を減らすかという幅の中で選べる考え方だと理解しておくと、自分に合った食生活を見つけやすくなります。

日常の食習慣を少しずつ見直したい人は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

日本でヴィーガン対応が広がっている背景|食品メーカーとコンビニの動き

日本では欧米ほどヴィーガン人口が多いとはいえませんが、食品メーカーやコンビニエンスストアの対応は着実に広がっています。訪日外国人の受け入れや、健康志向・環境志向の高まりを背景に、動物性食品を使わない選択肢が食卓やお店の棚に増えてきました。

大豆ミートなど植物性食品を展開する食品メーカー

大塚食品は大豆を主原料とした植物性食品ブランド「ゼロミート」を展開し、ハンバーグやハムといった加工食品を植物性原料で再現しています。マルコメも大豆ミート商品「ダイズラボ」シリーズを継続的に展開しており、大豆由来の原料をひき肉やブロック肉の代替として使えるようにしています。また、大手食品素材メーカーの不二製油グループも、大豆を使った肉様食品の原料メーカーとして長年ノウハウを蓄積しており、外食チェーンや惣菜メーカー向けに植物性原料を供給しています。こうした企業の取り組みが積み重なることで、消費者が普段の買い物のなかで植物性の選択肢に出会う機会が増えています。

コンビニ・スーパーでの取り扱い拡大

コンビニエンスストアやスーパーでも、大豆ミートを使った惣菜やサラダ、乳を使わない植物性ミルクなどの取り扱いが増えてきました。以前は専門店や輸入食品店でしか手に入らなかった商品が、日常の買い物のなかで選べるようになってきている点は、ヴィーガンを続けやすくする環境づくりとして重要な変化です。ただし、店舗や地域によって品揃えに差があるのも実情で、原材料表示を確認しないと乳成分や卵由来の添加物が使われているケースもあるため、パッケージの表示を確認する習慣は引き続き必要です。

企業のサステナビリティに関する取り組みをもっと知りたい人は、こちらもチェックしてみてください。

ヴィーガン食を選ぶ理由|動物愛護・環境・健康の3つの視点

宗教上の理由やアレルギーで選択の余地なく動物性食品を避ける人がいる一方、自らの意思でヴィーガンを選ぶ人には主に3つの動機があります。

動物愛護のため

牛や豚などの家畜、魚の命を守る目的で動物性食品を避ける人は多くいます。ヴィーガンの場合、ミツバチの労働によって得られるはちみつや、精製過程で動物由来の骨炭が使われることのある白砂糖の摂取も避け、動物の保護をより徹底する考え方をとります。

環境保護のため

家畜の飼育にともなうメタンガスの発生や、放牧・飼料生産のための森林伐採が、気候変動の要因の一つとして指摘されています。また、水産資源の乱獲が海の生態系に影響を与えているとの指摘もあり、環境保護を目的にヴィーガンを選ぶ人も見られます。地球環境と食生活のつながりについてさらに知りたい人は、次の記事も参考になります。

ダイエットや体調管理のため

欧米では脂質やカロリーの高い食事が日常的で、揚げ物やパスタ、ピザなどを口にする機会も多いとされています。そのため、体調管理やダイエットを目的に動物性食品や脂質・糖質の摂取を控える人が増えました。一方、日本は欧米と比較してもともと摂取する脂質や糖質が少ない食文化のため、ダイエット目的だけでヴィーガンを選ぶ人は相対的に少ないといわれています。

ヴィーガンを選ばない・続けにくい理由|栄養・価格・選択肢の壁

ヴィーガンに関心があっても、実際に選ばない、あるいは続けられない人には共通する壁があります。

栄養バランスへの不安

動物性食品をとらないヴィーガンでは、たんぱく質やビタミンB12、鉄分などを効率よく摂りにくく、栄養が偏りやすいと指摘されています。体質には個人差があり、動物性食品を控えて体調がよくなったと感じる人もいれば、必要な栄養素が不足して不調を訴える人もいます。始める場合は、大豆製品やナッツ、緑黄色野菜などをバランスよく組み合わせる工夫が欠かせません。

外食や購入できる場が限られる

日本でもヴィーガン対応のレストランは増えているものの、地域や店舗によってはまだ選択肢が少なく、外食できる場が限られるという課題があります。職場や友人との食事の場で対応メニューが見つからず、人間関係の悩みに発展するケースも見られます。スーパーやコンビニでの取り扱いも広がりつつありますが、忙しい毎日のなかで一から手作りする時間を確保できず、継続が難しいという声も少なくありません。

価格の高さ

ヴィーガンを続けにくい理由には、価格の高さも関係しています。野菜や果物は、直売所などが近くにない限り旬でない時期は価格が上がりやすく、オーガニック食品を選ぼうとすればさらに費用がかさみます。加工食品でもヴィーガン対応の商品は種類が少ないため、一般的な商品と比べて割高になりがちです。今後、需要の高まりとともに大量生産が進めば、手に取りやすい価格になる可能性はあります。

明日からできる実践のステップ|完全なヴィーガンでなくてもできること

ヴィーガンになるかどうかは、体調や価値観によって答えが変わります。動物愛護や環境保護の観点では望ましい選択とされる一方、栄養バランスの面では注意が必要です。すべてを一度に変える必要はなく、自分の生活に合わせて段階的に取り入れる方法もあります。

  • 週に1日だけ動物性食品を使わない「ミートレスデー」を決めてみる
  • コンビニやスーパーで大豆ミート商品を試し買いしてみる
  • 原材料表示を確認し、乳成分や卵由来の添加物が入っていないか見る習慣をつける
  • 外食する店を選ぶときに、あらかじめヴィーガン対応メニューの有無を調べておく

大切なのは「完璧なヴィーガンになる」ことではなく、自分の体調や暮らしに無理のない範囲で、動物性食品との付き合い方を見直してみることです。

まとめ

世界のヴィーガン人口は、2018年のIpsos MORIの調査をもとにすると約3%、人数にすると当時の世界人口で約2.3億人という規模感でした。この比率をそのまま現在の世界人口に当てはめると約2.4億人相当という試算になりますが、実際の割合は変動している可能性があり、あくまで目安として捉える必要があります。日本でも大豆ミートなどの植物性食品を扱う食品メーカーやコンビニが増え、ヴィーガンを取り入れやすい環境が少しずつ整いつつあります。一方で、栄養バランスや価格、外食できる場の少なさといった課題も残っています。まずは週に1日、動物性食品を使わない食事を選んでみることから、自分に合った食生活を探してみてください。

  • 世界のヴィーガン割合は2018年のIpsos MORI調査で約3%、以降を大規模に更新した公的な国際比較調査は限られる
  • ヴィーガンはオムニボア・フレキシタリアン・ペスカタリアン・ベジタリアンの中でもっとも動物性食品を避ける区分
  • 日本でも大豆ミートを扱う食品メーカーやコンビニが増え、選択肢は少しずつ広がっている
  • 栄養バランス・価格・外食できる場の少なさが続けにくい主な理由になっている
  • 完全に切り替えなくても、週1日の「ミートレスデー」から無理なく始められる

この記事はMIRASUS編集チームが公的資料・企業公式情報をもとに作成しています。(執筆メンバー: https://mirasus.jp/members/ )

参考文献

  • 農林水産省ウェブサイト「令和2年度 フードテック振興に係る調査委託事業の報告書」(2021年、https://www.maff.go.jp/)
  • Ipsos「An exploration into diets around the world」(2018年、https://www.ipsos.com/)
  • 国連 World Population Prospects(人口推計、https://population.un.org/wpp/)
  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事

会社員とのパラレルキャリアを経て、独立。 執筆ジャンルは主に、SDGs、旅行、ファッション。現在、複数のメディアで記事を掲載。 SDGsに関心を持ったきっかけは、ハワイへの語学留学中、日本のSDGsに関する取り組みの遅れを感じたこと。 より多くの人に、環境への取り組みを知ってほしいと思い、2021年6月より「MIRASUS」にて執筆を開始。

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