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SDGs

任天堂のSDGs・サステナビリティ取り組みまとめ|2025年最新版

【任天堂】SDGsの取り組み内容とは?人気ゲームで環境問題と向き合おう

「ゲームで世界を笑顔にする」という理念を掲げる任天堂株式会社が、気候変動対策やリサイクル、サプライチェーン管理といった環境・社会課題にどう向き合っているのかをまとめました。製品設計の段階から販売後のリサイクルまで、グループ全体で取り組む内容を2024〜2025年の最新情報とあわせて整理しています。

任天堂のCSRの柱|「関わる全ての人を笑顔にする」とは何か

任天堂のCSRの根幹にあるのは「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする」という一文です。 この言葉は単なるスローガンではなく、「お客様」「サプライチェーン」「社員」「環境」の4つを重点項目に据えた具体的な活動指針 として、有価証券報告書にも記載されています。

この取り組みには製品の品質向上と安全の確保、お子様に安心して遊んでいただくための環境整備、取引先との対話を通じたCSR調達、社員が能力を発揮できる職場環境づくり、そして製品と事業活動における環境負荷の低減が含まれます。 ゲーム会社としての強みであるコンテンツ発信力と、製造業としての製品設計・調達管理を組み合わせることで、SDGsの複数ゴールに同時にアプローチしている点が任天堂の特徴です。

なお、エシカル消費やサプライチェーン全体でのSDGs推進に関心がある方は、MIRASUSのエシカルカテゴリーもあわせてご覧ください。

気候変動への対応|CO2排出量の把握とサステナビリティ委員会の設置

任天堂グループは温室効果ガスの排出量をScope1・2・3にわたって計測・公開しています。 2024年度分よりデータの集計対象を任天堂グループ全体に拡大しており、CO2排出量の算定には電力会社が公表する係数(日本)や国際エネルギー機関(IEA)が提供する係数(海外)を使用しています。 排出量の算定方法を段階的に精緻化しているのは、開示の質を高めようとする姿勢の表れといえます。

米国任天堂では、サステナビリティに関する取り組みを推進する新たな機会を追求することを目的として、社内のさまざまな部門から選ばれたメンバーで構成される「サステナビリティ委員会」を設置しています。この委員会では、米国任天堂の事業全体および事業分野ごとの温室効果ガス排出量の割り出しやCO2排出量の抑制に注力しているほか、事業活動における使い捨てプラスチックやバージンプラスチックの削減について検討しています。

また、 任天堂の公式CSRページでは2025年12月に「気候変動への対応」の内容が更新されており、継続的な情報開示が行われています。気候変動対策に取り組む企業事例をもっと知りたい方は、MIRASUSの環境カテゴリーもご参照ください。

社員が動く「グリーンチーム」|2024年の具体的な活動内容

トップダウンの方針だけでなく、社員一人ひとりが環境問題を自分事にする仕組みが各拠点で動いています。

2024年は環境をテーマにしたイベントやボランティアの機会の創出、オンライン勉強会の開催のほか、社員が環境に関する考えや疑問、地球環境に負荷をかけないためのヒントや提案について共有できる意見交換の場を設けることにより、環境に対する意識の向上を図りました。

グリーンチームが主導した主な活動は次のとおりです。

  • 社員が扱う電子機器リサイクルの実地イベントを開催し、2024年は合計4.43トンの電子廃棄物を社員の自宅からリサイクル用に回収しました。
  • 地域での植林活動や外来種の駆除ボランティアも行われています。
  • 飢餓の緩和や食品廃棄物の削減推進を目的とするNPO主導のボランティアイベントにも参加しています。
  • アースデイ記念行事として、チャリティマラソンや米国の環境保護庁(EPA)主催のカーボンフットプリント計算コンテスト、持続可能性を高める行動を習慣化するための社員による宣誓なども実施しました。

さらに、 欧州任天堂(ドイツ)は電子機器リサイクルへの社員の理解を促すため毎年「リサイクル・デー」イベントを開催しており、社員が処分したい電子機器を各家庭から持ち寄る形式で運営されています。 また、2024年7月には任天堂オーストラリアが地元企業やコミュニティグループからの参加者200人とともに、市議会が開催したナショナル・ツリー・デーの植樹イベントに参加しました。

パッケージ・物流の脱プラ|FSC認証とPCR素材の採用

製品そのものだけでなく、梱包材や輸送資材にも環境配慮の視点が入っています。

欧州任天堂は2022年、欧州で調達する輸送用ダンボールをすべてForest Stewardship Council(FSC:森林管理協議会)の認証付きダンボールに切り替え、適正な方法で維持・管理されている資源から作られたダンボールを利用するようにしています。すべての輸送用ダンボールにはFSCラベルと適切な廃棄方法を示すためのリサイクルラベルが印刷されています。

加えて2024年には、PCR素材(消費後にリサイクルされた再生材)を30%含むプラスチック製パレットカバーを利用し始めました。 輸送段階での素材見直しは一見地味に見えますが、大量の製品を世界規模で届ける企業にとってはCO2削減や廃棄物削減に直結する取り組みです。

国内でも同様の方向性が進んでいます。ハードウェアパッケージにはリサイクル可能な紙素材を、ソフトウェアパッケージにはリサイクル可能なプラスチック素材を使用し、 設計から販売後の修理・サポート、リサイクル対応に至るまで製品に関するさまざまな側面で環境負荷低減に取り組んでいます。

省エネ設計とグリーン調達|製品づくりの根幹にある環境配慮

任天堂は製品開発の段階から、エネルギー効率と部材の環境負荷を設計要件に組み込んでいます。Nintendo Switchには「明るさの自動調整」機能が搭載されており、携帯モードやテーブルモードでのバッテリー消費を抑える設計になっています。バッテリー持続時間については、従来モデルから現行モデルへの移行によって大幅に改善されており、充電回数の削減にもつながっています。

部材の調達面では、有害物質が含まれていないか、環境配慮が行われているかを確認する「グリーン調達基準」を設けています。生産パートナー(グリーンサプライヤ)の認定にあたっては、製造する部品の化学物質汚染リスクに応じた書類確認にとどまらず、現場の実地確認も行ったうえで認定する仕組みを採っています。

製品設計において複合素材の使用を削減し、部材の分解性を向上させることで、廃棄時のリサイクルを容易にする取り組みも継続しています。材料表示の徹底や省資源素材の使用拡大も、この流れの一部です。企業のSDGs調達について詳しく知りたい方は、MIRASUSのSDGsカテゴリーも参考にしてみてください。

ゲームコンテンツで社会課題を伝える|あつ森の「フローティングシティー」授業

製造や物流だけでなく、コンテンツそのものを環境教育のプラットフォームとして活用した事例もあります。

ニンテンドースイッチの人気ゲームソフト「あつまれどうぶつの森(あつ森)」内に水上都市「フローティングシティー」を建設し、環境問題を見つめなおす特別授業「Special Lessons in ACNH」が実施されました。

気候変動や環境問題、食料問題などのSDGsの課題を解決するための水上都市を、ブルーフロンティアズ社Co-Founderが南半球へ建設を目指しており、同社の監修を受けてゲーム内に制作した都市が「フローティングシティー」です。目的はゲームソフトを活用した特別授業によって、若年層の環境問題への関心を深めることでした。

ゲームという親しみやすい媒体を通じてSDGsの課題を体験させるアプローチは、教科書や講義とは異なる没入感をもたらします。特に「あつ森」は世界中で数千万本以上が販売された作品であり、そのリーチを社会課題の啓発に転用した点は、エンターテインメント企業ならではの発想です。

各国のリサイクル対応|使い終わった製品の正しい手放し方

製品を販売して終わりではなく、使用後の廃棄・リサイクルまで責任を持つ仕組みが各国で整えられています。

日本国内では、ゲーム機や付属のACアダプター、専用ケーブル、周辺機器などの一部製品が「小型家電リサイクル法」の対象です。廃棄する際は各自治体の指示に従って処理する必要があります。詳細は任天堂公式のよくあるご質問ページで確認できます。

米国とカナダでは、あらゆるビデオゲーム製品を対象としたリサイクルプログラム「テイクバックプログラム」のもと、R2認証(電子リサイクル規格)を取得した業者を通じた回収が行われています。 任天堂オーストラリアは、任天堂の商品が安全で適切に処理されるために自治体の電子廃棄物回収場の利用をお客様にお勧めしています。

また、 任天堂は欧州委員会との間で、Nintendo SwitchとNintendo Switch Liteのコントローラーに対する修理権を全てのユーザーに無償で提供することに合意しています。 修理権の保障は製品寿命を延ばし、廃棄物削減にも直結する重要な取り組みです。

任天堂のSDGsをどう読むか

各社のサステナビリティ情報を整理すると、任天堂の取り組みにはいくつかの特徴が見えてきます。

まず、「コンテンツ×環境教育」という組み合わせは他の製造業にはあまり見られません。「あつ森」を使った授業のように、自社の最大の強みであるゲームを啓発ツールにする発想は、SDGsゴール4(質の高い教育)とゴール13(気候変動への対策)を同時に射程に入れています。

一方で、 消費者を対象とした「企業版SDGs調査2024」では、情報・教育・その他業界において任天堂はSDGs投資意欲の高い企業として挙げられており、消費者からの期待値も高い状況にあります。その期待に応えるためには、CO2排出量の数値目標や再生可能エネルギー比率など、より定量的な開示がさらに求められていく段階にあるといえます。

ゲームを遊ぶ側の私たちにできることも小さくありません。使わなくなったゲーム機を自治体の小型家電回収ボックスに持ち込む、パッケージのダンボールを正しく分別するといった行動の一つひとつが、企業のサプライチェーン全体の負荷を下げることにつながっています。

まとめ|任天堂のSDGs・サステナビリティ取り組みのポイント

  • CSRの柱は「関わるすべての人を笑顔にする」で、お客様・サプライチェーン・社員・環境の4領域が重点項目
  • 米国ではサステナビリティ委員会がCO2排出量の把握とプラスチック削減を推進、2024年以降はグループ全体にデータ集計対象を拡大
  • グリーンチームが2024年に社員宅から4.43トンの電子廃棄物を回収するなど、社員主体の環境活動が各国拠点で展開されている
  • 欧州ではFSC認証ダンボールへの全面切り替えと、PCR素材30%含有パレットカバーの導入を2024年に実施
  • 「あつまれどうぶつの森」を活用した環境授業など、ゲームコンテンツを教育ツールに転用するアプローチが独自性を持つ
  • 日本では小型家電リサイクル法、欧州では修理権の無償提供など、各国の法制度に沿った販売後対応を整備している

まず手元にある使わなくなったゲーム機を、自治体の小型家電回収ボックスに持ち込むところから試してみてください。

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