深い緑に囲まれた奈良県東吉野村の小さな集落、深吉野(みよしの)。この地は、歴史ある風景と共に、日本古来の詩情を映し出す場所です。
そんな深吉野で、ある夫婦がプロジェクトを立ち上げました。亡き祖母から受け継いだ古民家を、訪れる人々が日常の喧騒から解放され、心身ともにリフレッシュできるような場所に変えるため、クラウドファンディングに挑戦中ですのでご紹介します。
以下、林美穗子さんの掲載文章から引用
はじめに…
こんにちは!この度は、私たちのクラウドファンディングページを見ていただき、誠にありがとうございます!
店主の美穗子と、料理担当で夫の知佳良です。
みぃちゃんとリッキーと呼ばれています。
私たち夫婦が住む奈良県の東吉野村がある深吉野(みよしの)という場所は、百人一首にも詠まれ、山々と鮎釣りで有名な高見川を一望できる美しい場所です。
昔から奈良の山間部は奥(おく)といって八百万の神が住む土地。
そんな伝統深い土地にある、とある場所を祖母から相続し、この場所の美しさと神秘性に癒され、ノスタルジーに浸ることで、来てくださる方々が、自然体に戻れる場所を作りたいと考え、クラウドファンディングを立ち上げました。
奈良県東吉野村の現状
冒頭でも書かせていただきましたが、この東吉野村がある深吉野(みよしの)という場所は本当に美しい場所です。
ですが、村の過疎化はどんどん進んでいます。
令和5年12月末 の時点で村の人口は1538人、2023年は東吉野で観測を始めて以来、子どもが誰一人生まれなかったらしいです…。
病院や医療関係においても、ちょっと診てもらえる個人病院はありますが、専門的な総合病院は山を降りなければありません。
今は便利になりインターネットで何でも買える時代になったとはいえ、ちょっとの買い物をするコンビニやスーパーなどは歩いて行ける距離にはありません。
その過疎地でこそ必要なインターネット問題も場所によっては限定のキャリアの電波しか入らないという現状もあります。
▼そんな東吉野村で始めようと思ったわけ
元々この東吉野村は私、美穗子の祖母の家があり、小さい時の夏休みや冬休みに訪れた、思い出の場所です。
夏は前の川で思い切り泳いだり、縁側でスイカを食べたり、冬には雪で遊んだり。
進学に連れて足が遠のいた時期もありましたが、やっぱりこの場所が好きすぎて、大学生の時に車の免許を取って、またこの場所に足繁く通うようになりました。
春は桜が満開でとても美しく、秋には紅葉で山が色づきます。
そんな思い出深い場所で、自分の中でも、日々蓄積するストレスを自然とリセットしに来ていたこの場所が、祖母の他界による空き家問題で手放すことになるかもしれないと、両親から告げられました。
実は私はガンを患ったことがあり、長い闘病生活を送った経験があります。
転移も経験し、半年で2度の手術を経て本当に前を向くのがしんどい時もたくさんありました。
そんな私が、どうしても日常で蓄積するストレスをゼロに戻す、癒しの場所であった祖母の家がなくなるのはなんだか嫌だ!と感じたんです。
直感ですね。笑
そこで、ふと、夫が「将来ホテルをやりたい」って言ってたのを思い出したんです。
私自身はその頃保育士を10年以上していて、自分がそれ以外の仕事をするなんて考えてもいなかったんです。
子どもが本当に大好きで就いた仕事で、本音を言えばもちろん自分の子どもも欲しかった…
だけど、ガンが原因で、子どもが産めない体になり、その「子どもが欲しい」という夢は叶わなくなりました。
本当に本当にすごく悲しかったけど、自分の体一つでどこでもなんでもやっていける!
と夫とポジティブに前を向いていた時期だったんです!
そこで、私は料理人でもある彼の作るごはんが大好きだったし、夫のその夢を叶えたい!夫と2人で何かやりたい!と、
この東吉野村で2人で宿泊施設を作りたい気持ちが高まっていったんです。
私がガンを患っていなかったら、彼と出会っていなかったら、絶対この「ひなたや」は今存在していません。
この家が今、私たちの“子ども”のように感じています!!
▼東吉野村で宿をやると決めてからの出会いとInstagram
実は、その当時父に大反対されていて。笑
わざわざあんな人の少ない場所で宿なんてやらなくても、、、ってずっと怒ってました。
そりゃあ、飲食や宿泊業の経験がない娘が急にそんなこと言い始めたら反対するし心配しますよね。笑
だから、まずは1年間、「東吉野を見てみよう」と、私の心が決まりました。
春、夏、秋、冬、それぞれの季節はどう過ごすのか?景色や気温はどう変わるのか?
村にはどんな人たちがいるのか?彼らはどんな風に生活をしてるのか?
とにかくそれをまずは私たちが知らないと!と。
とにかく時間を見つけて、祖母の家に行き大掃除をしたりゴミ出しをしたり解体作業をしたりする日々が始まりました。
すでに東吉野村で商売をしてる先輩たちもたくさんいたので、顔を出しに行ったり。
その期間、父に私たちの片付けたりする実際の様子を見てもらったり、
今後宿をOPENするに当たっての予算の見積りや資金の計画を立てて父にプレゼンしに行って。
結局、父が直接「応援してる」と私たちに言ってくれるまで2年かかったんです。
その一方で片付けを始めたばかりの頃、夫は転職したばっかりだったんですよね。
環境が変わったばっかりということもあって、全く興味を持ってくれていなかったというか、、、そういうキャパもなかったっていう言い方が正しいのかな?
私が古民家の片付けや掃除をしている間、夫は縁側で寝てたりで。笑
その後、無事夫は「ひなたや」のことを徐々に乗り気になってくれたんですけど、、、乗り気になってくれるまでは私一人で作業を進めていたので、なかなか大変でした。笑
1年間、東吉野村で、片付けをしたり、住民の方にご挨拶しに行ったりという活動を続ける中で、出会った人たちにもっと私たちを知るきっかけになって欲しいな、とインスタグラムを始めたんです。本当に最初はそれも試行錯誤で、、、。
ただ、少しずつではあるんですけど、アカウントを見た東吉野村の住人の方々や、奈良県にお住まいの方々からDMをいただいてお手伝いに来てくださったり、
わざわざ関東の方からも来てくださる方がいらっしゃったり、、、
もちろん、昔からの友人たちも久しぶりに会いがてら、掃除や片付けのお手伝いにきてくれたり、、、!
本当に本当にいろんなフォロワー(ひなたや応援団)の方々に励ましていただきました!!!
実際に「ひなたや」でイベントに出店させていただいた時や、2023年の夏に東吉野村の村営チャレンジショップKAMEYA(かめや)さんにてチャレンジショップという形で「プチひなたや」を営業させてもらった時も、
たくさんのフォロワーの方々に遊びに来ていただけたんです!
もちろん、東吉野村の住人の方々もたくさん遊びに来ていただいて、、、
村の人たち、いつもインスタ見てるで〜!と声をかけてくださるんです!!
本当に本当に感無量でした!!!
古民家再生というカテゴリーの横のつながりだけじゃなくて、「何かにチャレンジしてる」という方々との繋がりができたり、本当に輪が広がりました。本当に村の人たちがアドバイスしてくれたり、応援してくれたり、陰ながら見守ってくれてたり、、、
その村の人たちの存在がなかったら、今活動を続けていたかわかりません。
今ではそんな私たちのアカウントも2000人を超えるフォロワーの方々に応援していただけるようになったんです!
もっともっと、私たち「ひなたや」のアカウントも、このクラウドファンディングを通して皆さんに知っていただくきっかけになるといいなと思っています!
▼ クラウドファンディングの詳細についてはこちらから
空き家になった祖母宅を自然と食と酒を通して人々が集い『心が晴れる場所』にしたい!