地球温暖化や気候変動という言葉は、ニュースや日常会話でよく耳にします。しかし、世界中の国々がこの問題にどのように取り組んでいるのか、その基本的な枠組みについて、ご存じでしょうか?ここでは、「気候変動枠組条約」という、地球規模での気候変動対策を定めた重要な国際条約について、わかりやすく解説します。
気候変動枠組条約の基本的な定義
気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)は、1992年5月に国連総会で採択され、同年6月3日から14日まで、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された地球サミットにおいて署名のために開放された、地球温暖化問題に関する国際的な枠組みを設定した環境条約です。
1994年3月に発効し、現在の締約国数は198か国・機関に上ります。
気候変動枠組条約は、日本では「気候変動枠組条約」「地球温暖化防止条約」とも呼ばれており、国連の略称「UNFCCC」で表記されることもあります。
この条約の最も大切な目的は?
この条約の目的は、大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素など)の増加が地球を温暖化させ、自然の生態系などに悪影響を及ぼすおそれがあることを人類共通の関心事として確認し、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、現在および将来の気候を保護することです。
つまり、温室効果ガスが増えすぎて地球が危険な状態にならないよう、その濃度をバランスの取れた状態に保つ、というのが最終目標なのです。
「枠組み条約」って何が特別?
重要なポイントとして、この条約は「枠組条約」という名が示すとおり、地球温暖化防止についての枠組を規定しており、具体的な削減義務までは規定されていません。そのような部分は、条約の締約国が集まって開催される締約国会議(COP)に委ねられました。
つまり、気候変動枠組条約は基本的なルール(枠組み)を決め、具体的な削減目標は後の会議で決める、という柔軟な構造になっています。
締約国会議(COP)との関係
第1回締約国会議は、1995年3月にベルリンで開催され、その後、概ね毎年1回のペースで開催されています。
有名なものとしては、1997年12月の京都におけるCOP3で採択された「京都議定書」があり、2005年2月に発効しました。この議定書では、国連気候変動枠組条約の附属書I国(先進国など)に対して、一定期間における温室効果ガス排出量の削減義務が課せられました。
より最近では、2015年12月のパリにおけるCOP21で採択された「パリ協定」があり、2016年11月に発効しました。この協定は、先進国、途上国の区別なく、すべての国が温室効果ガス排出削減などの気候変動の取組に参加する枠組みです。
先進国と途上国の責任は異なる
気候変動枠組条約の重要な原則として、「共通に有しているが差異のある責任及び各国の能力」という原則により、先進国・途上国の取扱いを区別しています。
わかりやすく言うと、温室効果ガスの排出責任は国々の経済状況や能力に応じて、段階的に求められるということです。
私たちに何ができるのか?
気候変動枠組条約は、国や大企業だけの問題ではありません。個人レベルでも、毎日の選択の積み重ねが重要です。例えば、エネルギー効率の良い家電を選ぶ、公共交通機関を利用する、地元産の食べ物を食べるなど、私たちの暮らしの中にも気候変動対策につながる行動があります。また、気候変動の影響を受けやすい途上国を支援する商品やサービスを選ぶことも、この枠組みの趣旨に沿った行動です。
まとめ|世界が一丸となって取り組むための基盤
気候変動枠組条約は、地球温暖化という人類共通の課題に対し、世界の国々が協力するための基本的な約束の書です。1992年の採択から30年以上経った今、この条約の下で、京都議定書やパリ協定といった具体的な取り組みが進められています。完璧ではないかもしれませんが、この枠組みがなければ、各国がバラバラに行動するだけで、地球規模での対策は実現しません。一人ひとりが気候変動について学び、自分たちの選択が未来の地球をどのように変えるのかを意識することが、条約の目的達成を支える力になるのです。

