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プラスチック汚染条約とは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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毎年、世界中で膨大な量のプラスチックが生産され、廃棄されています。プラスチックは自然界で分解されにくく、海洋を含む環境中に蓄積し、生物や人間の健康に悪影響を与えています。
2022年3月に開催された第5回国連環境総会再開セッション(UNEA5.2)では、「プラスチック汚染を終わらせる:法的拘束力のある国際約束に向けて」が採択されました。これに基づいて進められているのが、「プラスチック汚染条約」です。この記事では、条約の意味と背景、どのような内容が検討されているのかをわかりやすく解説します。

プラスチック汚染条約とは

プラスチック汚染条約とは、海洋プラスチック汚染を始めとするプラスチック汚染対策に関する法的拘束力のある国際文書(条約)です。簡単に言えば、世界中の国々がプラスチック汚染に対処するために従わなければならない国際的ルールを作ろうとする取り組みです。

これまで、プラスチック汚染対策は各国政府や企業による自主的な取り組みが中心でした。しかし国際的な法的拘束力がないため、実効性が限定的だったのです。
条約が締結されることで、野心的で強制力を持つ取り組みへと変わることが期待されています。

なぜ条約が必要か

プラスチック汚染は、国や地域の境界を越えた地球規模の課題です。
都市中心部で発生するプラスチック汚染の約60%が海に流れ込んでいるとされています。海に流出したプラスチックは海生生物に害を与えるだけでなく、マイクロプラスチックとなって食物連鎖に入り込み、人間の健康にも影響を及ぼしています。

1つの国だけで対策を進めても、隣国からプラスチックが流れ込めば意味がありません。だからこそ、世界全体で協調し、同じルールの下で対策を進める必要があるのです。

条約の対象範囲|ライフサイクル全体

プラスチック汚染条約の特徴の一つは、単なる廃棄物管理に限らず、プラスチックの材料調達から製造、廃棄までの一連のライフサイクルを条約の対象としている点です。

具体的には、採掘・生産段階での持続可能性、製品設計の見直し、廃棄物の適切な管理などが含まれます。
「蛇口を閉めなければ床を拭いても無意味」という比喩で表されるように、根本的な解決を目指す動きとして評価されています。

交渉の進行状況と課題

政府間交渉委員会(INC)は2022年11月から複数回開催されてきました。各回では、一次プラスチックポリマー(石油から初めて作られるプラスチック)の生産制限、有害な化学物質の規制、拡大生産者責任(EPR)など、具体的な条文が議論されています。

しかし、合意形成は難航しています。
最大の争点は、プラスチック生産量を直接規制するかどうかです。EU・太平洋島嶼国などが「プラスチックの蛇口を閉めなければ、汚染を根本的に解決できない」との立場から規制を強く主張する一方、産油国などが異なる立場を示しています。

日本の役割と立場

日本は交渉において「橋渡し役」として活動しています。
2040年までの追加的なプラスチック汚染をゼロにする目標を条約に組み込むべきことや、プラスチック資源循環メカニズムを構築することの重要性を主張しています。

企業と私たちにできること

条約の最終合意はまだですが、プラスチック汚染対策の方向性は見えてきています。企業には、リサイクル製品の開発、包装材の削減、循環型経済への移行が求められます。私たちができることは、使い捨てプラスチック製品の使用を減らし、分別と回収に協力することです。また、環境配慮製品を選ぶ消費行動も重要な力となります。

プラスチック汚染条約は、世界が一丸となってプラスチック問題に向き合うための歴史的な試みです。その成立に向けた交渉は続いており、今後の展開に注目が集まっています。

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