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再生可能エネルギー、2026年は転換点|世界で加速する導入と日本の課題

再生可能エネルギー、2026年は転換点|世界で加速する導入と日本の課題

世界の再生可能エネルギー導入が過去最高ペースで拡大するなか、2026年は「エネルギー転換の臨界点」とも呼ばれる年になりつつあります。太陽光・風力・蓄電池の急拡大が続く一方、日本では国内の洋上風力事業が困難に直面するなど、明暗が分かれています。最新の動向を整理します。

世界の再エネ市場|太陽光が新規容量の約8割を占める

IEA(国際エネルギー機関)が発表した「Renewables 2025」報告書によれば、2025〜2030年の5年間における新規追加容量に占める太陽光発電の割合は約80%に達すると予測されており、家庭・商業施設・工場の屋根に設置される分散型太陽光が太陽光全体の成長の約42%を担っています。
再生可能エネルギー全体では、IEAは2025年末か、遅くとも2026年半ばまでには石炭を抜いて世界最大の電源になると予測しています。

さらに、洋上風力は2025〜2030年の5年間で約140GWの上積みが見込まれており、系統の柔軟性や安定供給への貢献が期待されています。

中国とAIが牽引する大規模投資

中国では競争入札・価格改革が進んだことで電力コストが低下し、投資家の信頼感が高まりました。一方でIEAは、中国の競争入札制度への移行がプロジェクト経済性に影響を与えているとして、中国市場の再エネ成長予測を下方修正しています。

また、AIブームを受けたデータセンターの急増も再エネ需要を押し上げており、Microsoft・Amazon・Googleなどの大手テック企業が、脱炭素目標の達成と膨大な電力消費の両立を目的に、長期PPA(電力購入契約)を通じた再エネ電力調達を強化する動きが加速しています。

一方、IEAの「Renewables 2025」によれば、中国は依然として世界の再エネ容量成長の約60%を占めており、最近発表した2035年の風力・太陽光目標を5年前倒しで達成するペースにあるとされています。また、2025年上半期には中国とインドの両国で、太陽光・風力の成長が電力需要の伸びを上回り、化石燃料発電が減少したことが報告されています。

蓄電池(BESS)が急浮上するキープレイヤーに

再エネ関連の動きとして、大規模蓄電システム(BESS)の大量導入が世界で猛烈な勢いで進んでいます。グリーン水素や洋上風力が急ブレーキのかかる分野がある一方で、蓄電所の整備はむしろ加速しています。

IEAも指摘するように、再エネ普及の急速な進展により、電力の「マイナス価格」や出力制御の増加が世界各地で見られるようになっており、蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)への注目が急速に高まっています。蓄電池や電力系統への早急な投資の必要性は、IEAの「Renewables 2025」でも重点課題として指摘されています。

日本の動向|第7次エネルギー基本計画と洋上風力の課題

日本では、資源エネルギー庁が2025年2月に第7次エネルギー基本計画を閣議決定しました。
同計画では、脱炭素電源である再エネと原子力を「共に最大限活用する」方針が打ち出されており、再エネは主力電源として最大限導入する位置づけとなっています。

一方、洋上風力については逆風もあります。
2025年8月27日、三菱商事が秋田県と千葉県の3海域(秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖)で計画していた着床式洋上風力発電事業から撤退を正式発表しました。三菱商事の中西社長は同日の会見で、建設費が入札時の見込みから2倍以上に膨らんだこと、サプライチェーンのひっ迫・インフレ・為替・金利上昇など事業環境が世界的に大きく変化した結果、実行可能な事業計画を立てることが困難との結論に至ったと説明しています。
国内の調査機関である株式会社富士経済が発表した調査結果によると、日本の再生可能エネルギー市場は太陽光と洋上風力が牽引し、2040年度には2兆9,070億円規模にまで拡大すると予測されているという見方もあります。

地政学・コスト|エネルギー安全保障との新たな交差点

世界の政治情勢が変化するなかでも、再エネは成長を続けながら地政学的な意味を増しています。軍事的緊張・サプライチェーン混乱・貿易摩擦などを背景に、各国はエネルギーの自立性を強化する手段として再エネ導入を加速させています。

コスト面では、Emberの分析として、スペインでは太陽光・風力の普及によって卸電力価格がEU平均より32%低い水準を実現しているとの報告があり、ガスや石炭より安価な電源として再エネが機能している実例として注目されているという見方があります。

まとめ|変化の潮流をどう受け止めるか

2026年、再生可能エネルギーをめぐる状況は「拡大か、停滞か」という二項対立ではなく、太陽光・蓄電池は加速、一部の洋上風力・グリーン水素は調整局面、という複雑な様相を呈しています。

日本においても、国の方針として再エネを主力電源に据える方向性は変わっておらず、太陽光パネルの設置義務化や蓄電システムの普及支援など、制度面での整備が続いています。私たちにできることも増えています。家庭の電力プランを再エネ由来のものに切り替えたり、省エネ機器の導入を検討したりするなど、身近な選択が世界的なエネルギー転換の後押しにつながっていきます。

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