赤い自動販売機に並ぶコカ・コーラやアクエリアス、ファンタやい・ろ・は・す天然水ーー。誰もが一度は飲んだことがあるのではないでしょうか?
これらの商品はすべて日本コカ・コーラが製造販売しているものです。日本コカ・コーラは、清涼飲料水において日本トップの製造販売実績を持つメーカーです。
日本コカ・コーラは50以上のブランドを販売しており、日本人の生活に最も身近な飲料メーカーと言っても過言ではないでしょう。
この記事では、日本コカ・コーラが展開しているSDGsの取り組みをご紹介します。
日本コカ・コーラとはどのような会社?
コカ・コーラシステムは、日本コカ・コーラ株式会社を拠点とし、全国5つのボトリング会社、関連会社などで成り立っている組織です。
日本コカ・コーラの従業員は全国に2万人。22の工場を持ち、取引店舗は48万店に上ります。自動販売機はなんと88万台も有しています。
日本コカ・コーラは、滋賀県の守山工場でつくられた飲料の原液を全国のボトリング会社に供給しています。
ボトリング会社とは、原液を元に清涼飲料を製造し、瓶や缶、ペットボトルに詰めて販売しているところです。
コカ・コーラシステムのボトリング会社は、コカ・コーラジャパン、北海道コカ・コーラボトリング、みちのくコカ・コーラボトリング、北陸コカ・コーラボトリング、沖縄コカ・コーラボトリングの5つがあります。
日本コカ・コーラはコカ・コーラシステム全体のリーダーシップを取っています。飲料に関するマーケティングを分析し、商品開発を行ったり販売戦略を立てたりしています。
日本コカ・コーラの歴史
コカ・コーラは、アメリカでその歴史を刻み始めました。コカ・コーラは一杯のカラメル色をしたシロップから始まります。
1886年のある日、ジョージア州アトランタで、薬剤師であるジョン・S・ペンバートン博士がカラメル色の甘いシロップをつくり、近所の薬局に持っていきます。
薬局で、このシロップを炭酸水で割ってお客様に出すと、飲んだ人は今まで味わったことのない美味しさに驚きます。これがコカ・コーラの始まりです。
薬局では、この飲料を商品として売り出すことにします。コカ・コーラの売り上げは時代とともに伸び、「コカ・コーラカンパニー」としてビジネスを展開していくことになります。
日本では、すでに大正時代にコカ・コーラが販売されていましたが、高額だったので一般的な飲み物ではありませんでした。
日本で正式にコカ・コーラが事業を発足したのは1945年10月。ザ コカ・コーラ エクスポートコーポレーションは日本支社を横浜に設立しました。
全国6カ所にボトリング工場を設立し、日本でのコカ・コーラの製造、販売を始めます。
日本コカ・コーラのSDGsへの取り組み
日本コカ・コーラは、人々に愛される飲料を製造販売することで、世界中にうるおいとさわやかさを届け、ポジティブな変化が起こることを目指しています。
日本コカ・コーラは、持続可能な社会を目指して様々な取り組みを行っています。
日本コカ・コーラが掲げる「容器の2030年ビジョン」
海洋汚染の原因として国際的な課題となっているプラスチックごみ。日本コカ・コーラは、海洋ごみを減らすため、2018年1月に「容器の2030年ビジョン」を発表します。
これは、2018年にアメリカ本社であるザ コカ・コーラカンパニ―が掲げた「廃棄物ゼロ社会」のスローガンを達成するためのものです。
「廃棄物ゼロ社会」とは、「2030年までに世界で販売される商品量と同じ量の缶やPET容器をすべて回収しリサイクルする」こと。
日本コカ・コーラは、この目標を「商品設計」「容器の回収」「パートナー」の3つの戦略で達成しようとしています。
- リサイクルを利用した商品設計
日本コカ・コーラは、使用済みのペットボトルを再利用してペットボトルをつくる「ボトルtoボトル」を進めています。
販売するペットボトルのリサイクルPET樹脂の使用率を高め、2025年までには、コカ・コーラのすべての商品の容器をリサイクルされたサステナブル素材にします。 - 容器回収をさらに推進
日本一の清涼飲料販売数を誇る日本コカ・コーラ。2030年までにコカ・コーラは、販売した商品と同じ量のペットボトルを回収することを目指しています。
リサイクルに関する正しい知識を普及させる活動にも積極的に取り組んでいます。 - パートナーとともにリサイクル活動を実践
リサイクル活動は、一企業だけで成し遂げられることではありません。日本コカ・コーラは、飲料業界はもちろんのこと、行政や自治体といった地域社会とも一緒にペットボトルのリサイクル活動をすすめていきます。
ラベルレスという環境への配慮
ペットボトルをリサイクルするとき、紙のラベルをはがすことはみなさんご存じでしょう。
リサイクルのために必要なことだけど、ひと手間かかり面倒だと思うこともあるかも知れません。
そこで日本コカ・コーラは、「い・ろ・は・す天然水」ペットボトルのラベルをなくすことを考案します。面倒なラベルをはがす手間がなくなり、よりリサイクルしやすくなりました。
女性の活躍を推進
日本コカ・コーラでは、「5by20(ファイブ・バイ・トゥエンティ)女性起業家支援シンポジウム」を開催し、女性起業家を積極的に支援しています。
日本は、国際的に見ても起業する人が少ないことが指摘されています。さらに女性起業家が少ないことがわかっています。
そこで日本コカ・コーラは、女性の起業を後押しするプロジェクトを企画。女性が起業するために必要な政府や企業の支援策を知り、スキルを学ぶ機会を提供しています。
起業するためには、起業家同士でつながり、ネットワークをつくることも重要。女性が起業に踏み出せる環境づくりに取り組んでいます。
多様な価値観を応援する会社
SDGsでは、自然環境の保持だけではなく、多様な価値観を尊重することも重要視されています。
日本コカ・コーラでは、ジェンダー、年齢、世代、障がいの有無などにとらわれず、社員のひとりひとりが能力を発揮できるよう支援しています。
日本コカ・コーラは、ジェンダーギャップの解消を目指し、管理職の半数を女性に担ってもらう、男性の育児休業、休暇の取得率を100%にしています。
また、年齢や世代を越えて能力を発揮できるよう、30代の管理職を15%に増やして、社員の80%の年次有給休暇を目指しています。
年齢が若い社員が経営の上層部に意見を述べる機会は少ないと思われがちですが、日本コカ・コーラでは、「ミレニアル・ボイス・ジャパン」というプロジェクトを立ち上げ、年齢や世代を越えて、会社へアイディアや意見を提案する機会を設けました。
このプロジェクトで、株式会社ポケモンや日本アイ・ビー・エム株式会社などとチームをつくり、ペットボトル回収ボックスが開発され、プラスチックごみのリサイクルに役立てられています。
他にも、障がい者への支援としてパラリンピックの協賛をしたり、同性婚・同性パートナーシップに賛同を通じてLGBTの人々への理解を深めたりする活動をしています。
日本コカ・コーラのSDGsへの取り組みをもとに私たちができること
コカ・コーラは、清涼飲料の容器を削減し、リサイクルすることを進めています。不適切に廃棄されたプラスチックは海に漂流し、海洋汚染の原因のひとつになっています。
プラスチックに替わる様々な素材が開発されていますが、私たちが生活するためにまだまだプラスチックが必要なシーンも少なくありません。プラスチックの使用を減らす、再利用するなど、賢く使っていくことが求められています。
環境省では、海のごみを減らし海洋環境を守るため、プラスチックスマート活動を展開しています。略して「プラスマ」と言います。ぜひ環境省の取り組みに興味を持ち、実践していきましょう。
参照元:環境省|プラスチックスマート Plastics Smart (env.go.jp)
まとめ
今回は日本コカ・コーラのSDGsに対する取り組みを紹介しました。
いつでもどこでも手軽に買えて、飲むことのできるペットボトル飲料。ペットボトルを賢くリサイクルして、地球環境を守りつつ美味しい飲み物を楽しみたいですね。