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アフリカにおける環境問題とは?現状や個人にできることもご紹介!【最新データ】

アフリカにおける環境問題とは?現状や個人にできることも紹介

アフリカにおける環境問題とは、砂漠化や土地の劣化、気温上昇と極端な気象、森林減少、薪や炭に頼る調理による空気汚染などが重なり合い、食料や水、健康、安全な暮らしを揺るがしている状況を指します。大陸には54の国があり、問題の現れ方は地域ごとに大きく異なります。そのため「アフリカは干ばつの大陸」といった一括りの理解では、実態を見誤ってしまいます。

この記事では、世界気象機関(WMO)や国連食糧農業機関(FAO)などの2024〜2025年の公開データをもとに、アフリカの環境問題の現状を確認します。あわせて、日本が関わる支援の動きと、日本に暮らす私たちが次にとれる行動を、誤解されやすい点も含めて紹介します。

この記事で学べること

  • 砂漠化、気温上昇、森林減少、調理燃料の問題が、アフリカでどうつながっているか
  • 2024〜2025年の最新データで見る、気候変動の影響と飢餓の現状
  • JICAなど、日本が関わるアフリカの環境・気候対策の動き
  • 寄付や情報収集で、遠い地域の問題に関わるときの選び方と注意点

アフリカの環境問題とは|54か国で一様ではない課題

アフリカの環境問題は、大陸全体で同じ形をしているわけではありません。サハラ砂漠の南縁にあたるサヘル地域では乾燥と土地劣化が、東アフリカでは干ばつと洪水の繰り返しが、中部アフリカの熱帯林ではその減少が、それぞれ中心的な課題になっています。まず「どの地域の、どの問題か」を分けて見ることが、現状を正しく知る出発点です。

大陸を一括りにしない見方

サハラ以南のアフリカは、気候が乾燥した地域から熱帯雨林まで幅広く、環境の課題も多様です。たとえば砂漠化の影響が大きいのは主に乾燥地や半乾燥地で、森林減少が問題になるのは主に熱帯林を抱える国々です。報道で「アフリカでは」と語られていても、実際には一部の地域の話であることが少なくありません。

主な問題の全体像

本記事では、次の4つを軸に見ていきます。

  • 砂漠化と土地劣化
  • 気温上昇と干ばつ・洪水などの極端な気象
  • 森林の減少
  • 薪や炭に頼る調理と、それに伴う空気汚染

これらは別々の問題ではなく、互いに影響し合っています。たとえば、乾燥で農地が痩せると新しい農地のために森が切り開かれ、燃料としての木の利用が森をさらに減らす、という具合です。

世界の排出量との関係

アフリカの温室効果ガス排出量は、2022年時点で世界全体の約3.5%にとどまるとIEAのデータをもとにJICAの評価資料が整理しています。一方で同資料は、アフリカの排出量が2000年と比べて約90%増えていることも示しています。つまり、排出の少ない地域が気候変動の影響を強く受けているという構図は今も変わらず、その中で今後の経済成長とどう両立させるかが問われています。

砂漠化と土地劣化|気候と人間活動が重なって進む

砂漠化とは、乾燥地・半乾燥地などで、気候の変動や人間の活動によって土地が劣化することを指します。「砂漠が広がること」と受け取られがちですが、実際には砂丘が迫ってくるというより、植物が育たず土が痩せていくことが中心です。環境省の解説によると、乾燥地は地球の陸地の4割を超え、約30億人がそこで暮らしているとされています。

気候的な要因

サヘルを含む乾燥地では、もともと雨が少なく、年や季節による降水量のぶれも大きい特徴があります。雨が少ない年が続くと、土壌が乾いて植物が減り、地表がむき出しになります。むき出しになった土は雨が降っても水がしみ込みにくく、流れ出しやすくなるため、回復がさらに遅れます。

人間活動の要因

もう一つの要因が、農地の拡大、家畜の過放牧、違法な伐採、薪や炭の採取といった人間活動です。背景には、貧困や人口増加があります。農業や牧畜で暮らす人が多い地域では、土地に余裕がなくなるほど、休ませるはずの畑を耕し続けたり、草地に家畜を集中させたりせざるを得なくなります。人々が悪いのではなく、選択肢が限られた中での営みが土地への負荷になっているという見方が重要です。

「緑の万里の長城」という対策の現在地

こうした土地劣化に対し、サヘル地域では国境を越えた植林と土地再生の取り組み「グレート・グリーン・ウォール(緑の万里の長城)」が進められています。2030年までに1億ヘクタールの土地を再生する目標を掲げており、国連砂漠化対処条約(UNCCD)の資料では約2,000万ヘクタールが回復したとされています。ただし進捗の見積もりは、どの範囲をどう数えるかによって大きく異なります。数字を見るときは、集計の定義と時点をあわせて確認してください。

気温上昇と極端な気象|2024年のデータが示す現状

アフリカの気候変動は、数字の上でもはっきり表れています。WMOが2025年5月に公表した「アフリカの気候の現状2024」によると、2024年はアフリカで観測史上最も暖かい年、または2番目に暖かい年のいずれかとされ、過去10年は記録上最も暖かい10年間でした。アフリカの平均気温は、1991〜2020年の平均より約0.86℃高かったと報告されています。

海の温度上昇

陸上だけでなく、周辺の海でも異変が起きています。報告では、大陸周辺の海面水温が過去最高水準に達し、特に大西洋と地中海で温暖化が速いとされています。海洋熱波が及んだ範囲も、1993年の観測開始以来で最大でした。沿岸の漁業や、そこで暮らす人々の食料と収入にも影響が及びます。

経済への影響

前年に公表されたWMOの報告(2024年9月)では、気候による極端な現象によって、多くの国がGDPの2〜5%に相当する損失を毎年受けているとされました。さらに、国によっては予算の最大9%を気象災害への対応に回しているとも述べています。サハラ以南のアフリカが気候変動に適応するために必要な費用は、今後10年間で年300億〜500億米ドル(GDPの2〜3%)と見積もられています。

影響は一様ではない

こうした数字は大陸全体の傾向であり、実際の被害は国や地域で大きく異なります。干ばつに苦しむ地域がある一方で、同じ年に別の地域が洪水に見舞われることもあります。WMOは、早期警報システムの強化や気象機関への投資が、被害を減らすうえで重要だと指摘しています。

暮らしへの影響|飢餓、水、移動、そして対立

環境の変化は、まず食料と水に影響します。アフリカでは農業で生計を立てる人が多く、雨の降り方が少し変わるだけで収穫や家畜の状態が大きく揺らぎます。

飢餓の現状

FAOなどが2025年に公表した「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI 2025)」によると、アフリカでは約3億700万人(人口の約20%)が飢餓に直面しています。世界全体の飢餓の割合は2023年の8.5%から2024年には8.2%へ下がった一方で、アフリカでは悪化が続いています。地域別では中部アフリカの割合が最も高く、30%を超えているとされます。

水と生計への影響

乾燥が続くと、水くみに時間がかかり、家畜の水場も遠くなります。水くみは多くの地域で女性や子どもが担っているため、教育や仕事の機会にも影響が及びます。気候の変化は、環境の問題であると同時に、教育や健康、ジェンダーの問題ともつながっています。

土地や水をめぐる対立

土地や水が乏しくなると、農民と牧畜民の間で資源をめぐる対立が深まる要因の一つになることがあります。ただし、紛争は政治や経済、歴史的な経緯など複数の原因が絡んで起きるもので、気候変動や砂漠化だけで説明できるわけではありません。「環境が悪化したから争いが起きた」と単純に結びつけず、複数の背景を見る姿勢が欠かせません。

森林減少と調理燃料|暮らしと環境が直結する問題

森林と調理燃料の問題は、アフリカの環境問題が日々の暮らしと直結していることを示す例です。

森林は減っているが、減少の速度は変化している

FAOの「世界森林資源評価2025」によると、アフリカの森林の純減少量は2015〜2025年に年平均で約296万ヘクタールでした。2000〜2015年の年平均約363万ヘクタールからは減少幅が縮小しています。FAOは、この改善の一部がコンゴ民主共和国での減少ペースの鈍化によるものだと説明しています。減少が続いていることに変わりはありませんが、「悪化の一方」ではなく、地域による違いがあることも押さえておきたい点です。

薪や炭に頼る調理

IEAのデータによると、サハラ以南のアフリカでは、2023年時点で約9億6,000万人がクリーンな調理手段を使えていません。薪や炭を使った調理は、森林への負担になるだけでなく、煙による健康被害の原因にもなります。また、燃料集めにかかる時間は、女性や子どもの負担になっています。

解決の方向性

改良かまどやLPガス、電気調理器などへの切り替えが進められていますが、費用や供給網の整備が課題です。アフリカでの環境対策は、森を守るだけでなく、「人々が薪に頼らずに済む手段を用意する」という生活の側面から支える必要があります。

日本が関わる取り組み|JICAとTICADを通じた支援

日本も、アフリカの環境・気候対策にさまざまな形で関わっています。

砂漠化対処の枠組み

JICAは2016年のTICAD6を契機に、ケニア・セネガル両政府やUNCCD事務局とともに、サヘルとアフリカの角で砂漠化対処による気候変動への強靱化を進める枠組みを立ち上げました。ネットワーク強化、知識共有、資金へのアクセス強化を柱に、アフリカ15か国を対象として2022年のTICAD8まで活動しました。環境省も、アフリカで在来技術を生かした砂漠化対処技術の移転事業を行ってきました。

TICAD9での気候変動適応への取り組み

2025年のTICAD9に向けて、JICAは「TICAD適応イニシアティブ」を打ち出しました。地域統合、農業・食料安全保障、水資源、保健、都市計画、都市衛生という適応策と関わりの深い6分野で、データの整備や人材育成、知見の共有を進めるものです。また、緑の気候基金(GCF)の認証機関として、GCFの資金を使った事業づくりにも取り組んでいます。

現場での農業・教育支援

サヘルのニジェールのように砂漠化が食料不足や社会不安につながっている地域では、農業支援や教育支援を組み合わせた協力が行われていると紹介されています。環境の問題を、収入や学びといった暮らしの支援とあわせて進める点が特徴です。

日本にいる私たちにできること|遠い地域との関わり方

距離がある地域の課題に対し、個人ができることは限られます。それでも、関わり方を選ぶことで、より意味のある行動にできます。

情報の入口を複数持つ

まずは、現状を知ることです。WMOやFAOなどの国際機関の報告書、JICAやNPOの活動報告、ドキュメンタリーなどから情報を得られます。数字を見るときは、出典・年・集計の定義を確認してください。同じテーマでも、機関によって数字が異なることがあるためです。

寄付先を選ぶときの基準

寄付は、現地で活動する団体を通じて支援できる手段です。選ぶときは、次の点を確認すると判断しやすくなります。

  • 活動の目的と対象地域が具体的に示されているか
  • 寄付金の使い道や、成果の報告が公開されているか
  • 現地の人々が主体となる事業かどうか
  • 認定NPO法人など、寄付金控除の対象となる団体か

物資を送る場合は、現地で本当に必要とされているものかを事前に団体へ確認することも大切です。

暮らしの中の選択

日本で使うエネルギーや食べ物の選び方も、気候変動という大きな流れにつながっています。個人の行動で世界の排出量が大きく動くわけではありませんが、再生可能エネルギーを選ぶ、食品ロスを減らすといった選択は、日常で続けやすい行動です。また、カカオやコーヒーなどアフリカ産の原料を使った商品を選ぶ際は、生産者に適正な対価が支払われる認証の有無も判断材料になります。

誤解されやすい点

最後に、よくある誤解を3つ整理します。

  • アフリカの環境問題はアフリカ自身の責任ではなく、世界全体の気候変動とも深く関わっている
  • 寄付をすれば解決するわけではなく、政策や投資、現地の人々の取り組みと合わさって効果が出る
  • 悲観的な情報だけでなく、森林減少の鈍化や再生の取り組みといった前進もある

まとめ

アフリカの環境問題は、砂漠化、気温上昇、森林減少、調理燃料への依存などが互いに影響し合い、食料や健康、教育にまで及ぶ課題です。2024年は記録的な暖かさとなり、飢餓に直面する人は約3億700万人に上りました。一方で、森林の減少幅が縮小した地域や、土地の再生が進む取り組みもあります。

日本からできることは、まず信頼できるデータで現状を知ること、そして活動内容の確かな団体への寄付や、日々のエネルギー・消費の選択を見直すことです。遠い地域の話だと感じても、気候や食料、貿易を通じて世界はつながっています。まず1つだけ、気になった国際機関の報告書やNPOの活動報告を読んでみてください。

  • アフリカの環境問題は地域ごとに姿が違い、砂漠化・気候変動・森林減少・調理燃料が相互に影響している
  • 2024年はアフリカの気温が記録的に高く、飢餓に直面する人は約3億700万人と報告されている
  • JICAなど日本の機関も、砂漠化対処や気候変動への適応を支援している
  • 寄付は目的・成果報告・現地主体かを確かめて選び、数字は出典と年を確認する

参考文献

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事

ビジネス専門ライター。大企業のサステイナビリティー推進担当として、SDGsやESGに関する業務に携わった経験を持つ。インナーコミュニケーションやSDGs・ESGなどのテーマを中心に執筆しています。近年のトレンドには常にアンテナを張り、情報収集に勤しむ日々。一見難しそうに感じるテーマを、読者の方にとって身近に感じてもらうことが目標です。

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