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飢餓をゼロ

アフリカの子供たちの飢餓問題、その現状と解決策は?

SDGsのゴール2「飢餓をゼロに」。飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進するための目標です。

現在、それが最も困難と言われているのがアフリカではないでしょうか。アフリカでは、多くの国の子供たちが飢餓に苦しんでいます。「お腹いっぱい食べる」ということを知らずに亡くなる子供たちが多いという現実があります。

今回は、私たちが知るべきアフリカの飢餓問題の現状と解決策について見ていきます。

飢餓とは

まず「飢餓」とはどのような状態でしょうか。

飢餓とは、長期間にわたり食べられないことで栄養不足となり、生存と生活が困難になっている状態を指します。単に「食べられない」状態ではなく、もっと深刻な状態です。

飢餓は、飢饉と慢性的飢餓の2つに大きく分けられます。 

・飢饉:干ばつや水害などの自然災害で一時的に食料が不足することにより、多くの人が栄養不足に陥る状況
・慢性的飢餓:継続的に食料を手に入れることができず、慢性的な栄養不足に陥る状態

飢饉はあくまで一時的なものであり、災害からの復旧により立ち直ることができる状態です。

そのため、一時的な緊急食糧支援が功を奏します。しかし、より深刻な「慢性的飢餓」状態にある世界の飢餓人口の増加は続いています。

2018年には8億2160万人となりました。世界の9人に1人が飢えに苦しんでいる計算です。恒常的に飢餓状態にある地域では、食糧支援だけでは解決への道は遠く、抜本的な改革を行う必要があります。

2018年の世界の飢餓人口:8億2,160万人(9人に1人)
・ アジア:5億1,390万人
・ アフリカ:2億5,610万人
参照元:2019年の世界の食料安全保障と栄養の現状|ユニセフデータ

世界の飢餓人口のうち5億人がアジアであり、栄養不良人口の最も多い地域なのですが、状況がもっとも厳しいのは、表題の通りアフリカです。

特に東アフリカでは、すでに人口の約3分の1の人々が慢性的な栄養不足に陥っているというデータがあります。子供たちの状況で見ると、発育阻害の子どもたちの55%がアフリカに住んでいます。

最近では、気候変動に加え、新型コロナウイルス感染症の影響で、飢饉から慢性的な飢餓へ進行してしまう深刻な状況となっているのです。

アフリカの飢餓による子供への影響

アフリカの飢餓による子供への影響

 

飢餓による栄養不足の状態は、餓死する前に病気で子供たちの命を奪います。

たとえば、肺炎、下痢、マラリアなどです。これらは栄養が足りていれば、家庭でも十分に予防できる病気です。

ユニセフの「世界子供白書2019」 を見ると、日本と対比して、アフリカの子供たちの食事がいかに貧しい状況にあるかわかります。

・最低限の食事多様性(6~23カ月)(%)
中東・北アフリカ:36%
サハラ以南のアフリカ:24%
日本:0%

・最低限の食事頻度(6~23カ月)(%)
中東・北アフリカ:65%
サハラ以南のアフリカ:43%
日本:0%

・最低水準の食事(6~23カ月)(%)
中東・北アフリカ:26%
サハラ以南のアフリカ:12%
日本:0%

・野菜または果物の消費ゼロ(6~23カ月)(%)
中東・北アフリカ:42%
サハラ以南のアフリカ:42%
日本:0%

参照元:「世界子供白書2019」

仮に食事の頻度や食事内容が最低限あったとしても、野菜や果物が全然食べられていない状況では、栄養不足となってしまいます。

また、子供の生存のためには、子供だけではなく母親の栄養状態の改善も必要となります。母親の栄養が足りなければ、子供を体内で育てることも、十分な母乳を出すことも難しいからです。
死亡リスクが高い乳児の死亡のうち、80万もの例には不十分な母乳育児が関係しているとみられています。

アフリカの子供たちの飢餓の原因

アフリカの子供たちの飢餓の原因

アフリカにこのような飢餓状態を作り出している原因は何なのでしょうか。順に見ていきましょう。

経済問題

飢餓が発生するのは、経済成長が遅れている国です。また、飢餓人口が増加している多くの国々では所得格差が拡大している傾向にあります。つまり、貧富の差が激しいのです。

新型コロナウイルス感染症の影響で、観光業などがメイン産業の国は大きな打撃を受けています。貧しく社会から阻害されている人々にとっては、景気の悪化によって受ける影響は甚大です。

2011年以降、経済状況の悪化によって飢餓が増加している国の半数はアフリカ諸国といわれています。

これには、産業や教育の問題も経済問題に影響します。というのも、十分な教育を受けられなかった子どもは仕事に就くことが困難だからです。先進国からの食糧援助がなんらかの理由でストップすれば、食料を買うことができない人たちが飢餓に陥ってしまいます。

気候変動

気候の変動は、農業国における穀物(小麦、米およびトウモロコシなど)の生産に大きな打撃をあたえています。

飢餓に苦しむ国は、 降雨量や気温の変動に左右される農業生産を行っており、例えば猛暑や冷夏、干ばつや雨期の長期化などの気候変動の影響を受けやすいのです。気候変動は、穀物の収穫量を悪化させるだけではありません。

アフリカには広大なサハラ砂漠があります。砂漠化が進むことにより、食料を生産することが不可能な地域が広がってしまうのです。

気候変動による農業生産高が低下すると、食料の価格が高騰します。食料が高騰すると、所得の低い人は食料を買うことができません。気候変動によりアフリカの栄養不良はより拡大してしまうのです。

気候変動は、自然環境だけでなく、経済問題・飢餓問題にも関わります。

SDGsでは、ゴール13にて「気候変動に具体的な対策を」を掲げ「全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する」こともターゲットとしています。そのためには、先進国からの温室効果ガスの削減が不可欠です。

さらに、ゴール15にて「陸の豊かさも守ろう」を掲げ、「2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する」ことをターゲットの一つとしています。

政情不安

政情が不安な国では、内戦やテロなどで治安も悪化し、政治家の汚職も問題となっています。

先進国からは、もう何十年にもわたってアフリカ諸国への食糧支援をしていますが、飢餓問題は一向に解決しません。なぜでしょうか。

政府自体が汚職の温床であれば、援助が正しく困っている人たちに行き渡る保証はないからです。

SDGsでは、ゴール16にて「平和と公正をすべての人に」を掲げ、「あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる」をターゲットの一つとしています。

アフリカの子供たちの飢餓を減らすための解決策とは

アフリカの子供たちの飢餓を減らすための解決策とは

 

アフリカの飢餓問題は、数世紀前からの欧米列強の植民地支配から端を発し、複雑な要因が絡み合っているため、簡単には解決できません。

しかし、できることから少しずつ始めて行くことが、解決への糸口となります。

持続可能な農業支援

食糧支援だけでは、将来にわたってずっとの支援が必要となり、その地域で食料を生み出すことができなくなってしまいます。

もちろん、食糧支援は必要ですが、将来にわたって有効な施策は、現地の人びとが自分たちで食糧をまかなえるようにするためのサポートです。

現地の気候に強い品種や、栄養価の高い作物を育てる農業の方法を伝えることや、砂漠化した地域の緑地化など、長い目で見れば一番の支援となります。

また、飢饉に備えて食料貯蔵設備を備えるなどの支援も行うべきでしょう。

フードロスの削減

アフリカでは多くの人が飢餓で苦しんでいるのに、日本では年間870万トンにのぼる食料が廃棄されています。私たちは食事が豊富にあるのが当たり前という環境で、食べ物を粗末にしすぎているのです。

逆に考えると、私たちがそれだけの食糧を買い占めているともいえます。

私たちがアフリカ産のコーヒーやカカオ豆から作られたチョコレートを味わえるのは、現地での貧困、児童労働、強制労働、不公平な貿易によって支えられている贅沢だと知っている人はどのくらいいるのでしょうか?

こうした世界の現状を知ることによって、より公正な意識を持って買い物を行い、大事な食物は残さないこと。一人一人が適正量の消費を行うことが必要です。

寄付

さまざまなNPOやNGOが、アフリカの飢餓問題に対する寄付を行っています。
食糧支援だけでは解決は難しいですが、食糧支援がないとすぐに行き詰まってしまうのがアフリカの飢餓問題です。
少額からでも寄付は可能なので、無理のない金額からはじめてみてはいかがでしょうか。

まずは世界の現状を知ることから

今回は、アフリカの飢餓問題の現状と解決策について述べました。

飢餓に苦しむ人々の具体的な数を知ると、より状況が厳しいというのが伝わるかと思います。
しかし、まずはこの現状を把握することが大切です。そして、上記でも紹介したように、考えられる解決策について一人一人が自覚を持って行動していくことが求められるでしょう。

ぜひ、今回をきっかけに、できることから少しずつ意識してみてはいかがでしょうか。

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