今や私たちの生活になくてはならないスマートフォン(以下、スマホ)。
仕事から趣味に至るまで、ありとあらゆる生活のシーンにおいて、スマホは私たちの暮らしを豊かなものにしています。
しかし、そんな便利なツールであるスマホが健康やメンタルへの悪影響を及ぼしていることに、昨今注目が集まっています。
もしかすると、あなたが日常的に感じている原因不明の不調は「スマホ依存症」によるものかもしれません。
今回は「スマホ依存症」をテーマに、その症例や具体的な対策方法について紹介します。
そして、スマホ依存症はSDGsとの関連性も秘めていることをご存知ですか?
本記事を通じて、SDGsの側面からもスマホ依存症について理解を深めましょう!
スマホ依存症とは
本来「依存症」とは、あるモノやコトに過剰に執着し、それが無いと身体的にも精神的にもいてもたってもいられなくなる症状のことを指します。
よって「スマホ依存症」は、いかなる状況でもスマホが手放せず、操作をしていないといられなくなる状態のことです。
無意識的にそうなっていることもあれば、本当は辞めたいのに辞められないというように、自分自身でコントロールができなくなっている状況もあります。
スマホ依存症になるのは大人だけ?
スマホ依存症は、スマホを使う機会が多い大人の症状と捉えられがちですが、最近では子どものスマホ依存症も大きな問題になっています。
そもそも、近年スマホ利用の低年齢化が顕著であることは想像に難くないでしょう。
小さな頃からスマホが当たり前にある子ども世代だからこそ、大人と同等もしくはそれ以上の長時間スマホを操作していることがあるのです。
また、子どもは限定的な集団の中で生活を送ります。
スマホでのコミュニケーション次第で人間関係が良くも悪くも築かれていく傾向があり、依存状態に陥りやすいという側面もあるのです。
実は親が気づいていないところで子どもがスマホ依存症になっている、といったケースも珍しくないのが現状です。
スマホ依存症の症状は?
自覚の有無に関わらず、どういった症状があればスマホ依存症の可能性があるのでしょうか?
スマホ依存症にはさまざまな症状がありますが、ここでは一例をご紹介します。
・スマホがないと落ち着かなかったり、イライラしてしまうことがある。
・食事やお風呂、トイレの時間までスマホが手放せない
・起床して最初にスマホのチェックをしてしまう
・人と話している時でもスマホが気になって仕方ない、あるいはスマホを触ってしまう
・スマホの充電が切れると不安を感じる
単純に操作時間が異常に長いことに加え、不安やイライラ、渇望感といった精神状態が依存症のサインになります。
また、こうした依存状況から人間関係の悪化につながったり、うつや不眠などの健康被害が生じたりする可能性もあります。
現在、ネット上でもこうした依存度がチェックできるサイトがたくさんあります。
ぜひ一度テストを受けてみて、依存度が高いようであれば自身の健康を守るためにも習慣を改善していく努力をすることが大切です。
参照元:Smartphone Compulsion Test|THE CENTER FOR INTERNET AND TECHNOLOGY ADDICTION 公式HP
スマホ依存症の対策
それでは、もし自分にスマホ依存症の疑いがあるとき、どんな対策ができるのでしょうか。
対策というとハードルが高く感じるかもしれませんが、ちょっとした心がけ1つで依存度をグッと下げることができます。
できることから少しずつ取り組んでみましょう。
対策方法①:暇つぶしにスマホを開かない
何かの待ち時間や、することが無い時、スマホを触ることを極力控えましょう。
目的なくスマホを見る時間を極力減らすことが、スマホ依存を改善する近道です。
手持ち無沙汰になるとついSNSを見てしまう、インターネットで検索をしてしまうなどの癖がある人は、代わりに読書をしたり考え事をしたりなど、他のことで時間を潰す工夫をしましょう。
対策方法②:アプリを消してみる
スマホの画面を開いた時、無数のアプリがインストールされている方は要注意です。
定期的にアプリを見直し、よく開いてしまうアプリはあえて削除するのも効果的です。
本当に必要であればブラウザから検索して使うなど、一手間かかる状態を作ることで無意識に開いてしまう回数を減らすことができます。
対策方法③:ベッドにスマホを持ち込まない
寝る直前や起きた直後に必ずスマホをチェックしてしまうという人は、物理的に触れない位置にスマホを置いておきましょう。
例えば、寝ている間は他の部屋で充電しておくという工夫も効果的です。
対策方法④:本当に必要なもの以外通知を切る
メールやSNSなどの通知を基本的にオンにしているという人はいませんか?
通知が来るたびに意識がスマホに向き、都度チェックすることで必然的にスマホを触る時間が増加します。
通知設定は本当に必要なもののみに限定し、できる限り自分からアクセスしないと通知が確認できない状況を作りましょう。
対策方法⑤:スマホの画面カラーを白黒設定にする
「スマホの画面はカラーが当たり前じゃないの?」と思われた方も多いかもしれません。
実は設定で白黒に変えられることをご存知でしょうか。
例えば、iPhoneでは「設定」の「画面表示とテキストサイズ」から「グレイスケール」を選択するだけで簡単に白黒設定にすることができます。
画面が白黒になることでスマホを見る気が減退する効果があり、必然的にスマホを触る時間を減らすことができます。
スマホ依存症とSDGsの関連性
ここまでスマホ依存症についてご紹介してきましたが、スマホ依存症の対策を取ることはSDGsの達成に近づくことでもあるのです。
注目したいのは、SDGsの目標3「「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確実にし、福祉を推進する」。
特にこの中でも、ターゲット3.4「2030年までに、非感染性疾患による早期死亡率を予防や治療により3分の1減らし、心の健康と福祉を推進する」との関連性が強いでしょう。
ここで言う「非感染性疾患」とは、感染症以外の原因で罹患する病気のこと。
その概念には体の病だけではなく、心の病の1つである「依存症」も含まれます。
精神疾患は誰もがかかりうる身近なものであるため、いざという時頼れるサポート体制を整えたり、そもそも依存症を事前に防ぐような啓蒙活動を継続的に行なっていくことが大切です。
心の健康を守り、SDGsを達成しよう!
今回は、まさに現代病とも言える「スマホ依存症」について、具体的な概念や対策方法についてご紹介しました。
また、関連性の見えにくいSDGsとも実はつながっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか?
もしかすると、この記事を読んで自分にスマホ依存症の疑いがあるかもしれないと気づいた方もいるかもしれませんね。
スマホ依存症は心の病とも言うべく、不安感やイライラの増大、集中力の欠如など、精神的な不調にもつながりやすいのが現状です。
心の健康を守るためにも、ぜひ今回ご紹介した対策方法を参考に、できるものから改善していきましょう。