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SOCIETY

ジェンダー平等の取り組みが加速|政府・EU・企業、2026年3月に相次ぐ動き

ジェンダー平等の取り組みが加速|政府・EU・企業、2026年3月に相次ぐ動き

2026年3月、ジェンダー平等をめぐる取り組みが国内外で相次いで動き出しています。日本政府は3月13日に第6次男女共同参画基本計画を閣議決定し、欧州委員会は3月5日に「ジェンダー平等戦略2026-2030」を発表しました。さらに国内では4月から女性活躍推進法の情報開示義務が拡大されます。「取り組んでいる」から「成果を測る」段階へ——日本と世界のジェンダー平等の今を整理します。

日本政府、第6次男女共同参画基本計画を閣議決定

日本政府は2026年3月13日(金)、最新の男女共同参画基本計画を閣議決定しました。今後5年間の施策をまとめた第6次計画です。

計画の目玉の一つが、旧姓の単独使用を法制度として整備する方向性の明記です。
計画には、婚姻後に姓を変えた人が公的書類でも旧姓のみを使えるようにする制度的措置の検討と、旧姓使用のさらなる拡大に向けた取り組みが盛り込まれているとされています。

この計画は、職場・地域・家庭のあらゆる場面にジェンダー平等の視点を取り込む「ジェンダー主流化」を推進するものです。
G7やG20、APECなどの国際会議においても、ジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメントが主要議題の一つとして取り上げられており、首脳級・閣僚級の合意文書にも言及されています。
日本の計画策定は、こうした国際的な潮流とも歩調を合わせたものといえます。

EUは「ジェンダー平等戦略2026-2030」を発表

欧州委員会は2026年3月5日、「ジェンダー平等戦略2026-2030」を発表しました。オンライン・オフラインを問わず、教育や保健から仕事や公共生活に至るまで、生活のあらゆる側面にジェンダー平等を組み込む内容です。

EUの戦略は、デジタル空間での性差別対策から賃金格差の是正、男性に対する平等推進まで幅広いテーマを網羅しています。企業に対しても、ジェンダー平等を経営戦略の中核に据えることが一層求められる方向性が示されています。

近年、グローバルでは人権デューデリジェンスの義務化が、日本では改訂コーポレートガバナンス・コードや改正女性活躍推進法、改正育児・介護休業法等の制度整備が進む中、企業には今まで以上にジェンダー平等推進が求められています。

2026年4月から、企業の情報開示義務が拡大

日本では2026年4月1日から、女性活躍推進法に基づく企業の情報開示義務が強化されます。
従業員101人以上の企業に新たな開示義務が課され、男女賃金格差・女性管理職比率をはじめとした複数の項目について情報開示が必要になるとされています。従業員301人以上の企業は女性管理職比率の追加開示が求められ、101人以上の企業は女性管理職比率と男女賃金格差の両方を新たに開示しなければならないという見方があります。

これは2022年の同法改正で導入された男女賃金格差の開示義務をさらに拡充するものです。
2015年の制定以降、同法は女性の参画に関する目標と取り組みの策定を義務づけるものから、2022年には賃金格差などの統計開示を求めるより具体的な要件へと段階的に強化されてきました。

開示義務の拡大は、企業が「取り組んでいる」と発信するだけでなく、数値で進捗を示す時代への移行を意味します。
世界経済フォーラムが2024年に発表した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」では、日本はG7諸国の中で最下位という結果が示されているとされており、法改正の実効性を高める取り組みが必要とされていました。

国際女性デーに広がった声

国連が定める「国際女性デー」の3月8日、ジェンダー平等を求める声が各地で広がりました。根深い性差別をなくそうと若い世代が中心となり初めて実施したマーチや集会も開かれ、参加した市民らは女性デーのシンボルであるミモザの花やプラカードを手に「全ての人の人権を守れ」と訴えました。

若い世代がアクションを起こしている背景には、法制度の整備が進む一方で、日常の職場や家庭では変化の実感がまだ乏しいという現実があります。
国際社会共通の認識として、制度や慣行に根強く残る性別役割分業意識や無意識のバイアスによって起こる間接的な差別を解消すること、家庭内での無償ケア労働を女性だけでなく男性も共に担えるようにすること、意思決定ポジションにおけるジェンダーバランスを向上させること——こうした「本気の環境整備」なくしては、女性のエンパワーメントはありえないとされています。

企業・個人にできる取り組み

政府の計画策定や法改正の動きを受け、企業・個人の双方がジェンダー平等の取り組みをアップデートするタイミングが来ています。

企業がジェンダー平等の国際的な枠組み「WEPs(女性のエンパワーメント原則)」をどう導入するか、また取り組みの進捗をどう測るか、さらにその開示でどのような指標が重要となるかについて、各種ツールを活用して把握することが求められています。

具体的には、採用・昇進・報酬などの人事データを性別で定期的に把握・開示すること、育児休業の取得を女性だけでなく男性にも促すこと、管理職の意思決定会議に複数の視点が入るよう多様なメンバー構成を意識することなどが出発点として挙げられます。

個人としては、自社がどのような情報を開示しているかを確認することも一つのアクションです。4月から情報開示が義務化・拡充された項目については、企業のウェブサイトや厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」で検索・比較できます。ジェンダー平等の取り組みが進んでいる職場かどうかを、就職・転職の判断材料にすることもできるようになります。

まとめ|「計画」から「実践と測定」の時代へ

2026年3月は、日本のジェンダー平等の取り組みにとって節目の時期です。政府の第6次男女共同参画基本計画の閣議決定、EUのジェンダー平等戦略の発表、そして4月からの企業開示義務の拡大——これらは「何を目指すか」から「どれだけ実現したか」を問う段階への移行を示しています。

法律や計画が整備されても、それが職場や家庭の現実に反映されなければ意味をなしません。制度の変化を「自分ごと」として捉え、身近な環境から一歩ずつ変えていくことが、ジェンダー平等の実現への確かな道のりになります。

ジェンダー平等の基本的な意味や背景については、下記の解説記事もあわせてご覧ください。

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