アフリカの角と呼ばれる地域で、食料危機が深刻化しています。国連食糧農業機関(FAO)などの報告によると、2026年3月時点でソマリアの人口の約3分の1にあたる650万人が危機的な飢餓状態に直面しているとされています。国際社会の支援が急がれています。
650万人が深刻な食料不安|数字が示す現実
FAO・WFP・UNICEFなどの共同報告では、ソマリアで650万人が深刻な食料不安に陥っており、うち200万人が緊急状態(IPC第4フェーズ)にあるとされています。5歳未満の子ども184万人以上が2026年中に急性栄養不良に陥ると予測されています。干ばつによる農作物の不作、家畜の損失、食料価格の高騰に加え、人道支援資金の縮小が重なり、事態をさらに悪化させている構造が見えます。
気候変動と食料危機の連鎖|なぜソマリアで深刻なのか
ソマリアを含むアフリカの角地域は、気候変動の影響を特に受けやすい地域の一つです。干ばつの頻発化、不規則な雨季、降雨パターンの変化が、農業や牧畜に打撃を与えています。FAOなどによると、2025年10〜12月の雨季(デイル期)のソマリア南部での穀物収穫量は過去30年平均を83%も下回ったとされています。もともと脆弱な社会基盤に、気候ショックが重なることで、復旧する間もなく次の危機が訪れる「悪循環」に陥りやすい構造があります。気候変動は、「気温が上がる」だけでなく、こうした形で食料安全保障を脅かしているのです。
人道支援の課題|資金不足とアクセスの制約
食料危機に対しては、国連機関やNGOによる緊急人道支援が不可欠です。しかし、国連・ソマリア政府の共同発表によれば、深刻な資金不足により人道支援パートナーは生命を救う支援プログラムの縮小・停止を余儀なくされているとされています。WFPは2026年3月〜8月の活動継続に9,500万ドルが緊急に必要であると警告しており、資金がなければ4月までに支援を停止せざるを得ないとしています。加えて、紛争や治安問題により支援が届きにくい地域もあり、最も助けが必要な人に支援が届かないという構造的な課題が横たわっています。
私たちにできること|遠い国の危機を自分ごとに
地理的には遠いソマリアの危機ですが、気候変動の原因の一端は私たちの暮らしにもあります。また、信頼できるNGOや国連機関への寄付、フェアトレード商品を選ぶこと、気候変動対策を求める声を届けることなど、個人にもできる選択があります。食料危機の解消には国際社会の継続的な支援と、根本的な気候変動対策の両輪が欠かせません。

