夏の気温が年々上昇する中で、熱中症による救急搬送や死亡のリスクが増加しています。こうした中、自治体が「クーリングシェルター」という新しい対策施設を整備しています。難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、実はみなさんの命を守るための身近な施設です。この記事では、クーリングシェルターとは何なのか、どのように利用できるのかをわかりやすく説明します。
クーリングシェルターとは
クーリングシェルターは、市町村が冷房設備を有する等の要件を満たす施設(公民館、図書館等)を指定暑熱避難施設として指定した、誰でも休息できる施設
です。言い換えると、自治体が指定した冷房完備の施設で、危険な暑さから逃げるための無料の休憩場所ということです。
クーリングシェルターは一時的な避難施設ですが、単に涼しいだけではなく、市民の休息場所として開放されることによって、高齢者などの配慮が必要な方にも優しい施設となっています。
いつ開放されるのか
クーリングシェルターは、熱中症特別警戒情報が発表された場合に、住民に開放することが義務付けられています。熱中症特別警戒情報とは、環境省と気象庁が発表する警報で、過去に例のない危険な暑さが見込まれる場合に出されるものです。一般的には、開放期間を6月1日から10月31日までと設定している自治体が多いです。
クーリングシェルターの指定条件
自治体がクーリングシェルターとして指定する施設には、適当な冷房設備を有すること、熱中症特別警戒情報が発表された場合に住民に開放が可能であること、住民が滞在するために必要かつ適切な空間を確保することの3つの条件があります。
こうした条件を満たしていれば、公共施設だけでなく民間施設(商業施設やコンビニなど)も指定対象となります。実際に、2024年4月より、複数のイオンモールがクーリングシェルターへの指定を進める
など、民間施設の参加が広がっています。
なぜ必要とされているのか
日本の夏の気温は年々上昇しており、熱中症による健康被害が深刻化しています。特に自宅にエアコンがない世帯や、外出中に危険な暑さに見舞われた人たちにとって、クーリングシェルターは命を守るための重要な施設です。
令和6年4月1日より、熱中症対策を強化した改正気候変動適応法が施行され、クーリングシェルターの整備が法律で位置づけられました。
私たちが取れるアクション
クーリングシェルターを効果的に活用するために、次のことを心がけましょう。まず、環境省や各自治体のウェブサイトで、地域内のクーリングシェルターの場所や開放時間を事前に確認しておく
ことが大切です。熱中症特別警戒情報が発表されてから慌てるのではなく、日頃から近所にどのような施設があるかを把握しておくと、いざという時に素早く対応できます。また、自宅にエアコンがない方、外出中に危険な暑さに遭遇した方、高齢者や乳幼児など体が暑さに弱い方は、遠慮なく施設を利用してください。環境省からのコメントでも、「必要に応じてクーリングシェルターの利用をご検討ください」と呼びかけています。
さらに、事業者や施設管理者の皆様は、クーリングシェルターとしての指定に協力することで、地域全体の熱中症対策に貢献できます。環境省も各自治体と連携し、施設指定の働きかけを進めています。

