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持続可能な地域づくり、SDGsを活用した地方創生の取り組みとは?

高齢化による人口減少と東京一極集中は、地方経済を衰退させていきました。こうした中で、掲げられたのが地方創生です。2015年には国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されました。

SDGsと地方創生は、それぞれ独立した概念ですが、両者の間には深い相互関係が存在します。本記事では、SDGsと地方創生の関係を探り、両者がどのように連動して地域の持続可能な発展を推進するのかを解説していきます。

SDGs(持続可能な開発目標)の詳細

地方創生とは?

SDGsは、Sustainable Development Goalsの頭文字を組み合わせた言葉で、日本語に訳すと持続可能な開発目標です。

2015年9月にニューヨークの国連本部で開催されたサミットで採択されました。これは、2001年に策定されたミレニアム開発目標の後継となるものです。
SDGsは、2016年から2030年(15年間)で地球環境の保護を行いながら、経済問題や環境問題を含めた社会の諸問題を解決することを掲げています。

これらは人間の生活、地球環境、社会経済のバランスを保ちながら、全世界の持続可能な発展を目指します。SDGsが地方創生に関連するのは、地方創生が地域の持続可能性を強化することに目指しているからです。

地方創生の詳細

SDGsとは?

地方創生とは、人口減少の進行と経済停滞の問題を解決するための施策の一つで、その目的は地方の地域経済を再活性化させることです。日本は高度経済成長期を経て、長年にわたり地方から都市部、特に東京への人口集中が続いているという問題に直面しています。

都市部への一極集中を防ぐための取り組みは数多く導入されてきましたが、その流れを完全に止めることは難しく、地方の衰退が深刻化しています。さらに、少子高齢化の進行とともに全国的な人口減少が見込まれ、この状況は地方の衰退をさらに加速させています。最悪の場合、一部の町や村が完全に消滅する可能性すら危惧されています。

これらの問題に対抗するため、2014年に当時の安倍内閣は「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、地方創生を主要な地方活性化政策として位置付けました。その後、新たな時代である令和に突入し、地方創生の名のもとに、衰退する地方経済を再活性化する取り組みが進められています。

地方創生の目的は、地域の特性を活かし、人々が活動的で充実した生活を送れるような地域づくりです。SDGsと地方創生が交わる点は、共に社会の持続可能性と地域の活力を追求するところにあります。

地方創生にSDGsが重要な役割を持つ

なぜ、まちづくりがSDGsなのか?

SDGsは、17の目標と169のターゲットで構成されています。

目標11は「住み続けられるまちづくり」を掲げています。目標11の下に目標1~7、a~cが列挙されており、交通手段の工夫や、女性、若者、高齢者、特別なニーズを持つ人たちが緑地や公共の場所にアクセスできるようにすること、災害への備えの改善などが挙げられています。

自治体の整備は、SDGsが始まる前から始まっています。高齢者などのハンディキャップにより日常生活に支障をきたす人や動きが制限される人への配慮、大災害に対応した街づくりなど、SDGsに関連する事項を包含しています。地域進化とSDGsは一体となった政策課題と言えるでしょう。

目標11を構成する10個のターゲット
11.1 住宅や基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する
11.2 交通の安全性改善により、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する
11.3 参加型・包摂的・持続可能な人間居住計画・管理能力を強化する
11.4 世界文化遺産・自然遺産を保護・保全する
11.5 災害による死者数、被害者数、直接的経済損失を減らす
11.6 大気や廃棄物を管理し、都市の環境への悪影響を減らす
11.7 緑地や公共スペースへのアクセスを提供する
11.a 都市部、都市周辺部、農村部間の良好なつながりを支援する
11.b 【総合的な災害リスク管理を策定し、実施する
11.c 後発開発途上国における持続可能で強靭な建造物の整備を支援する

SDGsと地方創生を組み合わせるとどうなる?

SDGsと地方創生を組み合わせるとどうなる?

地方創生とSDGsの関わりについては、政府も注目しています。政府は2015年のSDGs採択後、地方自治体に対して地方創生にSDGsの手法を取り入れることを促しています。

どうして、SDGsと地方創生を組み合わせているのでしょうか?それには、日本の現状に対する危機感が影響しています。
2004年をピークとして、日本の人口は減少傾向にあります。加えて、深刻な問題となっているのが、少子高齢化です。

2100年には高齢化率が40.6%を超えると予想されており、日本は今後高齢化が進展していきます。加えて、日本は毎年大型台風が襲来し、定期的に大規模地震に襲われる災害大国でもあります。

高齢化、防災といった課題は、SDGs目標11の課題です。日本政府は、SDGsに対する協力を惜しまない姿勢を示しています。

国内において、SDGsに即した取り組みを行うことにより、世界に日本の取り組みをアピールしようとしていると言えます。こうした、SDGsを地方創生に活用する取り組みの一環として始まったのが、「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」です。

SDGsに即した都市を選定する―SDGs未来都市

SDGsに即した都市を選定する―SDGs未来都市

SDGs未来都市は、環境モデル都市、環境未来都市を発展させたもので、SDGsの理念に沿った取り組みをしている自治体です。

これらは、2008年と2010年から開始され、環境モデル都市は温室効果ガス削減、環境未来都市は環境や高齢化といった課題に対して、高いレベルで取り組んでいる自治体を選定するのがSDGs未来都市事業です。

具体的には経済・社会・環境の3分野において、これまでとは異なる新しい価値を作り出している自治体を選びます。

環境だけでなく、他の分野でも先進性があるのかどうかが重要です。その際、この自治体の取り組みが持続可能な開発へとつながっているのか、そして、実現する可能性が高いかどうかを判断します。

言い換えると、新しい価値を創出し、その取り組みが持続可能な開発を実現する可能性が高い自治体を選ぶのがSDGs未来都市事業です。

2018年からの3年間でのべ93都市が選ばれています。北海道や神奈川県(いずれも2018年選定)のような大規模自治体から、奈良県広陵町(2019年選定)や高知県土佐町(2020年選定)などの小規模自治体まで、日本全国の津々浦々の取り組みを選定しています。

未来都市の取り組みを世界に広める―自治体SDGsモデル事業

未来都市の取り組みを世界に広める―自治体SDGsモデル事業

自治体SDGsモデル事業は、SDGs未来都市をさらに進める事業です。SDGs未来都市で選定された事業の中で、モデル事業として発信可能なほど、評価の高い事業を選定します。

この事業で選定されるのは、SDGs未来都市の中でも、他の自治体の参考となるような取り組みです。

ここでは、SDGsの理念に則り、企業やNGOなどの関係者との連携を行い、地域における好循環を導く取り組みが評価されます。SDGsは自治体だけが行う取り組みではありません。企業など、他の関係者を巻き込みながら行うことが不可欠とされているのです。

選定都市の成功事例は、国内だけでなく、海外にも発信されます。自治体SDGsモデル事業に選ばれ、成功している事例をイベントなどで広報し、地方創生の普及につなげようというのが狙いです。SDGsという取り組みを活用し、地方創生をさらに深めようとしているのです。

地方創生のSDGsな取り組みってどういうもの?

地方創生のSDGsな取り組みってどういうもの?

それでは、どういう事業が自治体SDGsモデル事業に選ばれているのでしょうか?高齢化や環境などの対象とする課題や取り組みの手段など、自治体によって取り組みはさまざまです。

たとえば、北海道ニセコ町はSDGsの理念を踏まえた「NISEKO生活・モデル地区構築事業」を掲げています。ここでは、安心して住み続けられる地域コミュニティを形成し、観光目的税の導入などにより、観光業を中心として地域経済を循環させるとしています。

一方、岡山県真庭市は、「永続的発展に向けた地方分散事業」に取り組んでいます。ここでは木質バイオマス発電を活用しながら、環境に配慮した経済活動を行う人材を育てていきます。

このように、取り組みはさまざまですが、各自治体ともに工夫を凝らしてSDGsを活用しているのです。

将来展望

SDGsと地方創生の関係は今後さらに深まると予測されます。持続可能な社会を実現するためには、地方創生が重要な役割を果たします。

そしてそのためには、SDGsの17の目標が指針となります。地方創生とSDGsが連携し、持続可能な地域づくりが進めば、地域だけでなく全国、そして全世界の持続可能な発展につながるでしょう。

まとめ

まとめ

地方創生とSDGsとの関わりを紹介しました。地方創生は、高齢化や地方の衰退といった地方経済の抱える問題に対する取り組みです。

その課題は、SDGsの目標11に掲げられている課題とも共通しています。そのため、日本政府はSDGsを地方創生に活用し、地方創生を広く普及させると共に、深化させようとしてきました。これに応じて、地方自治体はそれぞれ工夫を凝らした事業を展開しています。

こうした事業が地方を変えることができるのか、期待したいですね。

参照元:外務省SDGsとは|外務省HP
参照元:内閣府SDGs未来都市|内閣府HP
参照元:総務省―我が国における総人口の長期的推移|総務省HP

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