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SDGs

貧困が生む格差と負のスパイラル|世界11億人が直面する現実と私たちにできること

貧困によって格差が広がる?貧困が招く負のスパイラルとは

貧困が生む格差と負のスパイラル|世界11億人が直面する現実と私たちにできること

post_id: 4044
original_date: 2021年10月5日
公開日: 2026年3月11日
url: https://mirasus.jp/sdgs/no-poverty/4044
カテゴリースラッグ: sdgs
関連SDGs: 目標1(貧困をなくそう)、目標4(質の高い教育をみんなに)、目標10(人や国の不平等をなくそう)

「1日3ドル未満」で生きる人が、今この瞬間も世界に何億人もいます。貧しい家庭に生まれた子どもが教育を受けられず、大人になっても安定した収入を得られない——。その連鎖は自然に断ち切れるものではなく、構造的な問題として世代をまたいで続いています。この記事では、貧困が格差をどのように拡大し、負のスパイラルへとつながるのかを最新データとともに解説します。

世界で11億人が多次元貧困に直面している

国連開発計画(UNDP)とオックスフォード貧困・人間開発イニシアチブ(OPHI)が2024年10月17日に発表したグローバル多次元貧困指数(MPI)報告書によると、全世界で深刻な多次元貧困を抱える人々は11億人に上ります。
世界銀行は「1日2.15ドル未満の生活」を国際貧困ラインとして定義しており、この水準は2022年9月に改定されました。

さらに深刻なのは、
世界銀行が2025年6月に発表した報告書によると、2030年になっても世界人口の9%が依然として極度の貧困状態にあると見込まれており、SDGsの目標である貧困撲滅の達成はこれまで以上に困難になると見られています。
2025年MPI報告書では、深刻な多次元貧困の中で暮らす11億人のうち78.8%にあたる8億8,700万人が、酷暑・干ばつ・洪水・大気汚染という4つの気候ハザードのうち少なくとも1つに晒された地域で暮らしていることも明らかになりました。
貧困と気候変動という二重の困難が重なり合い、問題をより複雑にしています。

貧困が招く3つの格差

貧困そのものが問題であるだけでなく、貧困が原因となってさまざまな格差が生まれ、それがさらなる貧困を深めるという悪循環が起きています。主な格差として「教育格差」「医療格差」「経済格差」の3つが挙げられます。

教育格差|学べない子どもが未来を奪われる

UNESCOの世界教育監視報告書(2024/5版)によると、2023年時点で学校に通っていない子ども・若者(6〜17歳)は約2億7,200万人に上ります。
同報告書によれば、2023年時点で中等教育後期の学齢期(高等学校学齢期:一般的には15〜17歳)の子どもたちの30%、約1億2,000万人が学校に通えていません。

状況はさらに悪化する懸念もあります。
ユニセフが2025年に公表した報告によると、教育分野への政府開発援助(ODA)が2023年比で32億米ドル・24%減少する見込みであり、このまま推移すれば2026年末までにさらに推定600万人の子どもが学校に通えなくなる可能性があるとして警鐘を鳴らしています。
基礎教育や技術訓練を受けていない人々は、安定した収入を得る仕事に就くことが困難で、過酷な労働条件でも低賃金で働かざるを得ない状況があります。また、読み書きや計算ができないと、労働者としての権利が分からず、搾取されてしまうこともあるとされています。

医療格差|貧しい地域ほど命のリスクが高い

2024年MPI報告書の分析によると、紛争影響国と比較的安定した地域を比べると、子どもの教育格差(4.4%に対し17.7%)、栄養格差(7.2%に対し20.8%)、幼児死亡率格差(1.1%に対し8%)が明らかになっており、紛争下の貧困層は平和な地域の貧困層と比べてはるかに深刻な欠乏に直面しています。

経済的な事情で薬品の輸入や医療機器の整備ができない国・地域では、適切な医療を受けられないまま命を落とすケースが後を絶ちません。このような状況は国際的な支援なしには改善が難しい問題とされています。

経済格差|不公平な貿易が貧困を固定化する

経済格差とは、国や地域のあいだに生じる経済力の差のことをいいます。先進国が開発途上国に暮らす人々の労働力を低い賃金で買い、過酷な労働環境を強いるという不公平な貿易慣行は「アンフェアトレード」と呼ばれ、貧困の固定化につながるとされています。SDGsの取り組みでは、こうした不平等を是正する手段として、発展途上国の生産者に公平な対価を支払う「フェアトレード」が広く推奨されています。

世界銀行が2024年12月12日に発表した分析によると、1日2.15ドル未満で暮らす人々が人口の40%以上を占める世界最貧国26カ国は、紛争の激化・頻繁な経済危機・持続的な低成長により進歩が停滞しており、現状のままでは6カ国しか中所得国へ移行できないとの見通しも示されています。

貧困格差が生む「負のスパイラル」

上述した3つの格差が重なることで生まれるのが、貧困の世代間連鎖です。貧しい環境で育ち、教育の機会を得られないまま大人になった親は、子どもに教育を受けさせることを優先しにくく、早々に労働力として期待してしまう傾向があるとされています。同様に、医療へのアクセスが当たり前でない環境で育った親は、子どもに異変が起きても適切な対応が難しいことがあります。

ユニセフと世界銀行が共同で発表した報告書によると、世界で推定3億3,300万人の子ども、つまり6人に1人の子どもが極度の貧困の中で暮らしています。
ユニセフと世界銀行は、こうした負の連鎖を断ち切るために、幼児期への投資が貧困の世代間連鎖を断ち切る最も効果的な方法の一つであることが証明されているとして、各国政府と国際社会に対して取り組みの強化を呼びかけています。

私たちにできること|まず「知る」ことから始めよう

貧困格差の問題を解決するために、わたしたちが今日からできることがあります。

1. 情報を得て、関心を持ち続ける
UNDPやユニセフの公式ウェブサイトでは、世界各地の貧困・教育・医療の現状が発信されています。まず現状を知ることが、すべての行動の出発点です。

2. フェアトレード商品を選ぶ
日常の買い物でフェアトレード認証を受けたコーヒーやチョコレートなどを選ぶことは、開発途上国の生産者への公正な対価の支払いに直結します。

3. 不用品を寄付する
食器・衣類・文具・おもちゃなどの不用品を受け付けている国際支援団体に寄付することで、生活物資が届きにくい地域の人々の生活を支えることができます。

4. 寄付・募金を活用する
ユニセフや国境なき医師団などの国際NGO・NPOへの寄付は、教育支援・医療支援に直接役立てられます。月数百円程度から参加できる継続寄付の仕組みも整っています。

まとめ|格差の連鎖を断ち切るために

UNDPとOPHIが2025年に発表した報告書は、貧困はもはや単独で扱える社会経済問題ではなく、気候変動や情勢不安と深く結びついた複合的な問題となっていることを明らかにしています。

教育格差・医療格差・経済格差が重なり合い、貧困は世代をまたいで連鎖します。しかし、その連鎖は政策と投資によって断ち切ることができるとも示されています。まずは世界の現状を知り、日常の小さな選択から関わってみることが、遠い地の誰かの未来につながっていきます。

貧困が生む格差と負のスパイラル|世界11億人が直面する現実

【学べるポイント】
✅ 世界の多次元貧困層は11億人、8割超が気候リスクにも晒されている
✅ 教育・医療・経済の3格差が貧困を世代間で連鎖させる
✅ フェアトレードや寄付など今日からできる行動がある

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