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SDGs

世界の難民は1億2,320万人|日本の難民認定率と私たちにできること

日本の難民認定率はわずか0.4% 難民の受け入れについて日本は厳しすぎ?

「67人に1人が今日も難民として生きている」——これは遠い国の話ではありません。
2024年末、紛争や迫害によって移動を強いられた人は1億2,320万人に達しており、67人に1人が避難を強いられていることになります。
日本の総人口とほぼ同じ数の人々が、故郷を失った状態にあるのです。一方、日本が2024年に難民として認定したのはわずか190人でした。この記事では、世界と日本の難民問題の現状を整理し、私たちが取れる行動を考えます。

難民とは何か|1951年難民条約による定義

難民とは、1951年に採択された「難民の地位に関する条約」(難民条約)に基づいて定義された人々です。
「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」とされています。

この条約は第二次世界大戦の結果として多数の難民が生まれたことを受け、1951年に締結されました。今日では紛争・迫害に加え、クーデターや飢饉など様々な事情が難民を生み出しています。

なお、国境を越えずに国内にとどまりながら避難している人々は「国内避難民(IDP)」と呼ばれます。
国内避難民は難民条約の保護の対象には含まれませんが、難民と国内避難民が置かれる状況はほぼ同じであることから、支援内容も似ることが多いのが現状です。

世界の難民は過去最多|増加が続く12年間

2024年末時点で、紛争や迫害により故郷を追われた人の数は1億2,320万人にのぼります。その内訳は、難民が4,270万人、国内避難民が7,350万人、庇護希望者が840万人です。
難民・避難民全体の約40%は18歳未満の子どもで、親を失った子どもたちも少なくありません。

主な難民の出身国は、シリア(約600万人)、アフガニスタン(約580万人)、ウクライナ(約500万人)であり、主な受け入れ国はイラン(約350万人)、トルコ(約290万人)、コロンビア(約280万人)となっています。

また、難民・避難民の75%が低・中所得国に集中しており、難民問題が世界の最貧国の多くにとって大きな負担になっていることが懸念されています。
故郷を逃れた難民のほとんどが、豊かな先進国ではなく隣国の途上国で暮らしているのが実情です。

故郷に帰ることができた人々もいます。
2024年に自国や住んでいた地域に帰還できた人は約980万人(難民:160万人、国内避難民:820万人)いるとされていますが、多くの難民や国内避難民が自国の政情不安や生計を立てるための手段がないことなどを理由に、安全な帰還ができない状況にあります。

日本の難民認定の現状|2024年は190人

2024年は、12,373人が難民申請を行い、認定されたのは190人でした。一方で、8,269人が不認定とされています(一次審査・審査請求の合計)。
出入国在留管理庁(入管庁)が2025年3月に発表したこのデータをもとに、難民支援協会が算出した2024年の認定率は約2.2%にとどまります。

なお、補完的保護や人道配慮も含めると2,186人に在留が認められましたが、その7割以上はウクライナ出身者でした。
特定の国籍への集中が課題として指摘されています。

他国と比較すると、その差は歴然です。
申請者数全体に対する認定率は他の先進国(アメリカ58.5%、ドイツ20.0%、カナダ68.4%)と比べて非常に低い水準です。

なぜ日本の認定率は低いのか

日本の認定率が低い背景には、複数の要因があるとされています。
日本は国際的な難民認定基準である「迫害」の定義を厳格に解釈しており、このため同じような立場の難民が他国では認定されるケースでも、日本では却下されることがあります。また、証拠の提出が求められるため、紛争地から逃れてきた人々にとっては難民認定申請のための書類の準備が非常に困難になるケースが多くあります。

また、日本では2010年に、難民認定申請者に対して一定期間を経過した後に就労が認められる運用が拡大した結果、出稼ぎを目的として難民認定を受けようとする人が急増しました。そのため法務省は2018年、制度の見直しを行い、「明らかに理由のない申請者」には就労を認めないなどの対応を導入しました。

さらに審査の長期化も深刻な課題です。
審査期間は平均約2年11か月(うち一次審査は約1年10か月)であり、早期に審査を行うとされているA案件にもかかわらず、2年以上待たされている事例も珍しくありません。

制度改善の動き

2023年と2024年に入管法等の改正が行われ、2023年12月からは「難民」と同様に保護すべき紛争避難民などを確実に保護する制度として、補完的保護対象者の認定制度が開始されました。この認定を受けた外国人には、原則として在留資格「定住者」が付与されます。

日本の難民支援策|受け入れ以外のアプローチ

難民認定数が少ない一方で、日本は国際的な難民支援に資金面で積極的に貢献しています。
日本政府は2024年のUNHCR活動に対して総額1億1,857万米ドルを拠出しており、UNHCRにとって重要なドナー国となっています。

国内で難民認定を受けた人々に対しては、日本語教育や生活習慣・社会制度の指導、子どもの就学斡旋、大人の就職や職業訓練の支援など、自立した社会生活を送るための各種支援が行われています。
難民として正式に認定された後は、日本人と同様の社会保障が受けられるようになり、要件を満たせば永住許可を得ることも可能です。

難民問題とSDGs目標16「平和と公正をすべての人に」

SDGs目標16は「平和と公正をすべての人に」を掲げ、暴力や搾取の根絶、すべての人への法的身分証明の提供、組織犯罪や汚職の撲滅に向けた国際協力体制の構築などを目指しています。この目標の核心にある「すべての人に」という言葉は、難民問題を考える上で重要な視点を示しています。

難民を多く受け入れることだけが正解ではなく、支援体制が整わないまま受け入れを拡大すれば受け入れ国の社会的安定が損なわれるリスクもあります。一方で、支援を必要とする人が認定されないまま放置されることもSDGsの理念に反します。認定の迅速化・公正化、支援の質と量の向上、そして国際社会の連携強化を同時に進めることが求められています。

まとめ|難民問題に向き合うために私たちができること

2024年末時点で世界の難民・避難民は1億2,320万人に達しており、67人に1人が避難を強いられているという現実は、私たちの日常からは遠く感じられるかもしれません。しかし、この問題を「知る」ことが最初の一歩です。

個人でできることとして、以下のアクションが考えられます。

1. 正確な情報を得る UNHCR日本(unhcr.org/jp)や難民支援協会(refugee.or.jp)の公式情報を定期的に確認し、数字の裏にある一人ひとりの事情を理解する機会を持ちましょう。

2. 寄付・募金で支援する 国連UNHCR協会や認定NPO法人 難民支援協会、AAR Japan(難民を助ける会)などへの寄付を通じて、直接的に難民支援活動を後押しできます。

3. 身近な場から関わる 難民・外国人支援のボランティアや、地域の多文化共生イベントへの参加など、日常の中でできる関わり方もあります。

難民問題の解決には国家レベルの制度改善が不可欠ですが、社会の関心と理解が政策を動かす力になります。SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」世界を目指して、自分なりのアクションを考えてみてください。

  • 記事を書いたライター
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