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FSC認証の商品にはどんなものがある?身近な商品例と取り組み企業を一覧で紹介

FSC認証の商品にはどんなものがある?商品例や取り組み企業を紹介

スーパーや街のショップで手に取った商品のパッケージに、小さな木のマークを見たことはありませんか?それが「FSC認証マーク」です。日用品から食品パッケージ、文房具まで、FSC認証マークのついた商品は私たちの生活のなかにじわじわと広がっています。しかし「どんな商品についているのか」「どうやって探すのか」がわかりにくいという声も多く聞かれます。この記事では、FSC認証の仕組みを整理したうえで、実際にマークが付いている商品カテゴリーと具体的な企業事例を幅広く紹介します。買い物のときに役立てていただけたら嬉しいです。

FSC認証とは何か|制度の仕組みと3種類のラベル

FSC(Forest Stewardship Council=森林管理協議会)は、1994年に設立されたNPOです。「適切に管理された森林の木材・木材由来素材を使い、流通・加工の各段階で基準を守った企業が製造・販売している」商品に対して認証マークを付与する仕組みを運営しています。

地球上では今も毎年大規模な森林が失われており、違法伐採や過剰伐採が生物多様性の喪失や気候変動を加速させています。FSC認証は、消費者が「どの木材を選ぶか」によって森林保護に直接つながるよう設計されたトレーサビリティの仕組みです。

FSC認証の3種類のラベルを知っておこう

FSC認証マークには、原材料の調達状況に応じて3種類があります。商品を選ぶ際の参考にしてください。

  • FSC100%:認証された森林から伐採された木材のみを使用。最も厳格な基準。
  • FSCミックス:FSC認証材・管理木材・リサイクル素材を混合使用。ラベルテキストは2024年6月に「責任ある森林管理を支えています」へ改訂が完了。
  • FSCリサイクル:再生原材料を70%以上使用した製品に表示。

FSC認証を取得するためには、10の原則と70の基準、さらに各国の状況に応じた200〜300もの指標をクリアする必要があります。第三者機関による厳格な審査があるため、世界的に信頼性の高い認証制度として位置づけられています。

FSC認証はSDGsの「陸の豊かさを守ろう(目標15)」と深く関わっています。SDGs目標15の内容についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

FSC認証の最新データ|世界と日本の広がり

FSC認証の規模は年々拡大しています。環境省データベース等をもとにした調査(2026年2月時点)によると、世界全体で約1億7,346万ヘクタールの森林がFM認証(森林管理認証)を取得しており、FM認証件数は1,691件にのぼります。2025年の1年間だけで認証面積は1,200万ヘクタール以上拡大したとも報告されており、熱帯林や北米を中心に新規取得が増加傾向にあります。

日本国内では、FM認証面積が約429,450ha(34件)、CoC認証(加工・流通段階の認証)は2,249件となっています。2024年4月時点の別調査では森林管理認証面積が約60万ヘクタールという数値も報告されており、日本の森林面積の2%前後がFSC認証下に置かれていると推計されています。企業のESG経営やグリーン調達の広がりを受けて、FSC認証製品への需要は今後もさらに高まるとみられています。

また、FSCは2022年にロシア・ベラルーシの取引証明書を停止し、両国からの木材調達をブロックする措置を実施しました。ロシアの全FSC認証は2023年4月までに取り消されており、サプライチェーンの透明性確保という観点でも国際的に注目されています。

FSC認証がついている商品カテゴリー一覧

FSC認証の対象は紙製品だけではありません。木材・竹を原材料とする幅広い分野に及びます。以下では、日常生活で目にしやすい商品カテゴリーを整理します。

紙袋・包装資材

FSC認証マークが最も広く普及しているのが紙袋や包装材です。マクドナルド、スターバックス、ユニクロ、無印良品など多くの小売・飲食チェーンが自社の紙バッグにFSC認証紙を採用しています。百貨店系では大丸・松坂屋も環境配慮型パッケージへの転換を進めています。H&Mは2021年10月よりオンライン注文の配送袋と一部の内袋をFSC認証の紙製袋に切り替えると発表しており、ファッション業界でも採用が広がっています。

小売業者が商品の袋をFSC認証品に切り替える動きは、包装の脱プラスチック化とセットで進んでいます。紙袋の製造・販売事業者でも、FSC認証材を使用した製品のラインアップが増えてきました。

エシカル消費の観点でモノの選び方を広く見直したい方は、こちらの記事も参考になります。

紙パック飲料の容器

日本初のFSC認証付き紙パック飲料が登場したのは2014年のことで、森永乳業の「ピクニック」がその先駆けです。これは2013年11月に日本テトラパック株式会社が国内工場でFSC認証を取得したことで実現しました。現在はキリンの「トロピカーナ」、マルサンの豆乳飲料、生協の「黒酢ドリンク」など多くの商品に広がっており、カゴメでは200mlの紙パック製品すべてにFSC認証マークが付けられています。

紙パック容器は毎日大量に消費されるため、FSC認証への転換が実現する環境インパクトは大きいとされています。商品を手に取った際、側面や底面のマークを確認してみてください。

トイレットペーパー・ティッシュなどの衛生紙

製紙メーカーのネピアは2011年よりFSC認証紙を使用しており、2017年からはWWFジャパン(世界自然保護基金)とライセンス契約を結んでFSC認証の普及促進活動を続けています。日常的に消費量が多い衛生紙だからこそ、認証材を選ぶことの積み重ねが長期的な森林保護につながります。ネピア以外にも、FSC認証紙を使ったトイレットペーパーを販売するメーカーは増えています。

紙ストロー

プラスチック規制を背景に普及した紙ストローにも、FSC認証マークが付いているものがあります。スターバックスは2021年9月から国内店舗で販売するすべてのフラペチーノをFSC認証紙使用の紙ストローで提供しています。すかいらーくグループも2022年1月よりFSC認証の紙ストローの提供を開始しました。脱プラスチックと持続可能な森林管理を同時に実現する取り組みとして評価されています。

容器のラベル・シール

飲料やコスメの容器に貼られているラベルやシールにも、FSC認証を受けているものがあります。プラスチックボトルのラベルは紙を使っているものも多く、値札や小さなステッカーがFSC認証紙であるケースも見られます。商品全体として環境配慮を徹底しようとする企業が、容器本体だけでなくラベルまでFSC認証材に切り替える動きが続いています。

文房具・オフィス用品

コピー用紙や名刺、パンフレット、ノートなどのオフィス用品にもFSC認証紙が使われています。印刷物にFSC認証紙を使う場合、印刷会社自身もCoC認証(加工・流通認証)を取得している必要があります。日本の印刷業界では2,000社以上がCoC認証を取得しており、FSC認証紙を使った印刷サービスは広く提供されています。企業が名刺や会社案内をFSC認証紙で作成することは、取引先へのサステナビリティへの姿勢を示す手段にもなります。

竹製品・木製雑貨

FSC認証は木材だけでなく竹製品にも適用されます。「MANA. ORGANIC LIVING」が販売する竹歯ブラシはFSC認証を取得したオーガニック竹を使用した代表的な商品です。竹は一般的に3年程度で収穫でき、成長が速く二酸化炭素の吸収率も高いことから、持続可能な素材として注目されています。また、FSCの認証対象はメープルシロップやきのこ、ゴム製品など木材以外の非木材林産物にも及んでいます。

アップサイクル素材を使った商品

廃棄食材とFSC認証パルプを組み合わせた素材「kome-kami(コメカミ)」は、食用に適さないお米や廃棄予定のアルファ米をFSC認証パルプとアップサイクルした紙素材です。江戸時代にお米を糊や紙の原料に使っていた文化にヒントを得て開発されたもので、化学薬品の代替原料としても機能します。食品ロスと森林保護を同時に考えるアプローチとして、サステナブル素材の新しい方向性を示しています。

紙製ハンガー・紙製雑貨

紙製品の総合メーカー、株式会社山櫻のセカンドブランド「rik skog(リーク スクーグ)」が販売するエシカルハンガーは、バナナペーパーとFSC認証紙を組み合わせた素材でできています。耐久性があり、コートなどの重い衣類もかけられます。クレヨンや色鉛筆でメッセージを書けるユニークな設計で、ギフト用途にも使われています。プラスチック代替として「紙」を使う動きは、ハンガーのような意外な商品にまで広がっています。

スターバックスの取り組み|FSC認証を複数製品に展開

国内で特にFSC認証の取り組みが幅広いのがスターバックス コーヒー ジャパンです。2013年よりペーパーカップ、ペーパーナプキン、ミルクパックといった紙製品にFSC認証紙の導入を開始し、2021年9月にはフラペチーノ用のストローをすべてFSC認証紙製に切り替えました。さらにタンブラーやリユーザブルカップの利用促進にも取り組むことで、紙自体の使用量を減らす方向にも力を入れています。パッケージ素材の認証取得だけでなく、消費そのものを減らすという姿勢が、単なるラベル切り替えとの違いを生んでいます。

製紙・建材業界の動向|三菱製紙とCoC認証の広がり

製紙業界ではFSC認証の導入が早期から進んでいます。三菱製紙は2001年よりFSC森林認証に取り組み、製紙工場として国内初のCoC認証を取得した企業として知られています。国内社有林でもFM認証(森林管理認証)を取得しており、3か所が認定林となっています。こうした上流から下流まで一貫した認証体制が、消費者が手にする商品の信頼性を裏付けています。

建材業界でも、東京オリンピック・パラリンピック(2021年開催)を契機に持続可能な木材調達への関心が高まり、FSC認証材の需要が拡大したと報告されています。教育機関への広がりも見られ、立命館アジア太平洋大学のグリーンコモンズは2023年5月に大学施設として国内初のFSCプロジェクト認証を取得しました。

企業のサステナビリティ・CSR活動の全体像については、こちらの記事でまとめています。

FSC認証商品の見つけ方|日常の買い物での活用ポイント

FSC認証商品を探すにはいくつかの方法があります。

パッケージのマークを確認する

最も基本的な方法は、商品のパッケージや袋の裏側・底面を確認することです。小さなマークが印刷されているため見落としがちですが、紙袋や紙パック飲料、トイレットペーパーの包装など、紙が使われている部分に注目してみてください。

オンラインショッピングで絞り込む

AmazonやLOHACO(Yahoo!ショッピング)などのオンラインショップでは「FSC認証」と検索するだけで対象商品を絞り込めます。トイレットペーパーや衛生用品、文房具などの日用消耗品はオンラインでまとめ買いするときに認証品を選ぶと、選択の手間も少なくなります。

FSC応援プロジェクトのサイトを活用する

日本では「FSC応援プロジェクト(shitte-erabo.net)」が、FSC認証商品の紹介や発見レポートを定期的に公開しています。2024年から2025年にかけて新製品情報の更新も続いており、どんな商品があるかを把握する手がかりになります。

まとめ|FSC認証商品を選ぶことの意味

FSC認証の商品は、紙袋や紙パック、トイレットペーパー、紙ストロー、竹製品まで、私たちの暮らしのなかに幅広く存在しています。2026年2月時点で世界の認証森林面積は約1億7,346万ヘクタールに達し、日本国内のCoC認証企業も2,249件に広がっています。

FSC認証商品を選ぶことは、①持続可能な森林管理を支える企業へのシグナルを送ること、②違法伐採や劣悪な労働環境で作られた製品を避けること、③SDGs目標12(つくる責任つかう責任)と目標15(陸の豊かさを守ろう)への具体的な貢献、という3つの意味を持ちます。

  • FSC認証には「FSC100%」「FSCミックス」「FSCリサイクル」の3種類がある
  • 商品の裏面・底面の小さなマークがFSC認証の目印。紙袋・紙パック・トイレットペーパーに多い
  • スターバックス・ネピア・三菱製紙など多くの企業が認証材の採用範囲を拡大している
  • 竹製品やアップサイクル素材など、木材以外の分野にもFSC認証が広がっている
  • オンラインショップや「FSC応援プロジェクト」サイトを使うと対象商品を見つけやすい

まずは毎日使うティッシュやトイレットペーパーを買うとき、FSC認証マークを探す習慣を1つだけつけてみてください。

  • 記事を書いたライター
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フリーライター。過去の留学や世界一周などの海外経験から、環境問題をはじめとする社会問題に興味を持つ。 「人にも地球にも優しい暮らし」を見つけるために、日々情報を探しています。趣味は海外旅行とコーヒー、読書。 現在は健康や環境、食に関する情報を中心に発信しています。

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