2024年5月22日(水)、国連が定めた「国際生物多様性の日」に、本学附属植物園において「植物園で考える生物多様性とは」と題した3人の研究者による特別講義と園内ガイドツアーを実施。多くの方から申し込みをいただき、定員を超える約40名が参加しました。
特別講義はまず、名波 哲理学研究科教授・植物園園長による本園の歴史の振り返りから始まり、続いて厚井 聡理学研究科准教授による絶滅危惧植物の保全活動の取り組みについての紹介、最後に渡邊 誠太理学研究科特任助教による日本産ユリ属の新種「ミナミスカシユリ」についての研究説明がありました。日本原産のユリ属の新種は、牧野 富太郎氏が「タモトユリ」を発見して以来110年ぶりであることが名波園長より説明されると、会場からは拍手が沸き起こりました。
レクチャー後の園内ガイドツアーでは、本園の特徴の1つでもある日本国内のさまざまなタイプの復元された樹林型展示や本学にゆかりのあるメタセコイア林、西日本絶滅危惧植物エリアなどが案内され、参加者が熱心に名波園長らの説明に聞き入る様子が見られました。
当日は天候にも恵まれ、大盛況のうちに終了しました。
「国際生物多様性の日」をきっかけに、生物多様性の危機とその保全の大切さを感じ、学び、行動することについて考える貴重な機会となりました。
今後も本園は、文部科学省認定の全国唯一の共同利用・共同研究拠点ならびに環境省の認定希少種保全動植物園等の植物園として、植物学の基礎研究の対象となる多くの植物の収集と保存、絶滅危惧植物の保全活動などを推進し、植物学の発展に貢献するとともに、研究の成果を社会に紹介する活動に取り組んでいきます。