「環境持続可能性」とは、環境保全と経済成長が対立するものではなく、両立し互いに支えあうことを指します。言い換えれば、地球環境を守りながら、経済活動も続けていき、現在の私たちが享受している生活を将来の世代に受け継いでいく考え方です。難しく聞こえるかもしれませんが、実はとても大切な視点です。
環境持続可能性の定義|国連も認める基本概念
最も知られている定義は、1987年に国連「環境と開発に関する世界委員会」(ブルントラント委員会)が公表した最終報告書にある「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすような開発」というものです。つまり、現在の世代が必要とするものを得ることと、将来の世代がそれを失わないようにすることの両立を目指しているのです。
持続可能性は、環境保護、経済開発、社会的包摂の3つの観点から考えていく必要があり、これらが相互に関わり合い調和していくことが不可欠です。つまり、環境だけを優先させるのではなく、経済や社会の安定も同時に実現させることが大切なのです。
環境・経済・社会の3要素|トリプル・ボトムラインとは
その後、1992年に開催された国連環境開発会議(通称地球サミット)等を経て、持続可能な発展概念の中では、環境保全と経済成長に加えて、途上国の貧困や教育など人間の社会的側面の充実の重要性が指摘されるようになりました。環境・経済・社会の3要素は、持続可能な発展を支える「トリプル・ボトムライン」とも言われています。
環境持続可能性を実現するには、これら3つのバランスが欠かせません。例えば、企業が利益を追求するために森林を過剰に伐採すれば、環境は破壊されます。一方で、環境保全だけを優先して経済活動を制限すれば、雇用や生活が成り立ちません。また、貧困層に教育や医療の機会がなければ、人々は生存のために環境資源を過度に使用せざるを得なくなります。この悪循環を断つには、3つの要素が協調して機能することが重要なのです。
環境持続可能性が必要な理由|地球の危機的状況
世界人口は70億人を突破し、2050年には98億人に達すると予測されています。人間活動に伴う地球環境への負荷はますます増大し、人類の生存基盤である地球環境は存続の危機に瀕しています。
具体的には、地球温暖化、生物多様性の喪失、森林破壊、海洋汚染など、深刻な環境問題が次々と生じています。これらの問題に対応するには、短期的な対策だけでは不十分です。長期的な視点で、地球が持つ「環境容量」の範囲内で、人間が安心して生きていける社会をつくることが急務なのです。
私たちにできること
環境持続可能性の実現は、企業や政府だけの責任ではありません。日常生活のなかで、私たち一人ひとりが意識的に行動することが重要です。例えば、プラスチックごみを減らす、食品ロスを防ぐ、電気や水の使用を控える、地元の環境保全活動に参加するなど、できることから始めることが大切です。
環境破壊を防ぎ、資源を守りつつ、将来の世代も平和で豊かに暮らし続けられる社会を目指す活動こそがサステナビリティの活動のひとつです。
環境持続可能性は、遠い未来のためではなく、今を生きる私たちの子どもや孫の世代のための現在進行形の課題です。一人ひとりの選択と行動が、これからの地球を変えていくのです。

