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SOCIETY

社会的包摂とは?誰でもわかりやすくかんたん解説

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社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)とは、社会的に弱い立場にある人々をも含め市民ひとりひとり、排除や摩擦、孤独や孤立から援護し、社会(地域社会)の一員として取り込み、支え合う考え方
です。「誰も排除されず、みんなが社会に参加できる」という、聞こえはシンプルですが、実現するには多くの課題があります。

社会的包摂の背景|なぜこの考え方が生まれたのか

社会的包摂(Social Inclusion)は、1980年代から90年代にかけてヨーロッパで普及した概念です。1970年代以降の低成長期において、失業と不安定雇用の拡大に伴って、若年者や移民などが福祉国家の基本的な諸制度(失業保険、健康保険等)から漏れるという問題が生じました。つまり、経済成長が鈍化する中で、社会保障制度から取り残される人々が増えたことが、この概念が必要とされた背景にあります。

日本では、2008年の「派遣切り」が大きく報道された2008年以降、ようやく「社会的排除」に対応した取組が本格化し、2011年1月「社会的包摂戦略(仮称)」策定に向けて「『一人ひとりを包摂する社会』特命チーム」が政府内に設置されました。

社会的排除とは何か|反対概念を理解する

社会的包摂を理解するには、その反対概念である「社会的排除」を知ることが大切です。
社会的排除とは、人権の保護になくてはならない権利・機会・資源などから特定の個人をブロックすることを指します。例えば、雇用機会・医療サービス・行政手続き・住宅の選択などから特定の個人がブロックされる場合があります。

これらの不公正な状態から人々を救い出し、社会に包み込むことが、社会的包摂の目標です。

社会的包摂の主な対象者

社会的排除の対象となりやすい人々は多岐にわたります。女性、外国にルーツがある人々、障害のある人々など、ジェンダーや人種、階級、民族、能力、障害などを理由に、社会参画の機会が与えられなかったり、不当な差別を受けることがあってはなりません。また、高校中退者、高齢者、非正規雇用労働者など、さまざまな背景を持つ人々が社会的排除のリスクにさらされています。

具体的な実践例|政策から企業活動まで

社会的包摂は、様々な領域で実践されています。例えば、厚生労働省の政策である障害者雇用率の設定が挙げられます。法定雇用率を2024年から2.5%、2026年から2.7%と段階的に引き上げられます。これは、障害のある人々が働く機会を保障するための具体的な施策です。

また、育児休業・介護休業の制度整備、高齢者や障がい者に配慮した商品・サービス開発、外国人に対する差別をなくすための啓発活動なども、社会的包摂を実現するための取組です。

SDGsとの関係|「誰一人取り残さない」という理念

社会的包摂は、持続可能な開発目標(SDGs)が大切にしている「誰一人取り残さない」という理念そのものです。
SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」は、社会的包摂を直接的に扱っており、すべての人々の社会的、経済的、政治的包摂を促進することを掲げています。

私たちにできること|社会的包摂への第一歩

社会的包摂の実現に向けて、私たちができることはいくつかあります。
社会的包摂の実現のために大切なのは、まずは当事者の意見を聞くこと。誰がどのような被害を被っているか、認識すべき問題はないかについて、周りの人が十分理解することが大切です。

さらに、社会のあらゆる場面で多様性を尊重し、一人ひとりの違いを認め合い、互いに支え合う関係性の構築が不可欠
です。職場や学校、地域社会で、無意識の偏見や差別に気づき、すべての人が活躍できる環境を作ることから始められます。

まとめ|包摂的な社会に向けて

社会的包摂は、単なる福祉政策ではなく、社会全体の構造的な変化を求めるものです。経済的な困難だけでなく、孤立や排除の連鎖を断ち切り、国民一人ひとりが社会のメンバーとして「居場所と出番」を持って社会に参加し、それぞれの持つ潜在的な能力をできる限り発揮できる環境整備を実現することが、誰もが安心して生きられる社会につながるのです。

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