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大学事例

【大阪公立大学】学生と教職員が連携して環境問題に取り組む「環境マネジメント推進室」について、学生代表へインタビュー

大阪公立大学の環境マネジメント推進室では学生と教職員が連携し、環境問題解決へ向けた活動を行っています。教職員が学生に大学の情報を提供したり、取材で有識者を取り次いだりすることで、学生は通常では経験できない活動ができます。環境マネジメント推進室の取り組みについて、学生委員代表の山中さん(写真左から3番目)にお話をお伺いしました。

学生と教職員が連携することで、大学内から環境活動を推進

中百舌鳥キャンパスでの集合写真

中百舌鳥キャンパスでの集合写真

 

ー まず、環境マネジメント推進室について教えていただけますか?

(山中さん)環境マネジメント推進室は有志の学生と教職員で構成され、両者が協働して環境報告書を作成しています。環境報告書の作成を通して大学の環境への取り組みをチェックし、環境マネジメントのPDCAサイクルを回していくことにより環境に配慮した法人活動を推進するのが目的です。例えば大学の消費エネルギーをグラフにして、見える化を図っています。

ー なぜ山中さん自身は環境マネジメント推進室に参加しようと思ったのですか?

(山中さん)高校生の時にも環境報告書を作成していたことがあり、大阪市立大学の環境報告書作成プロジェクトチームの方に報告書の作り方やコツについてお聞きしたり、交流したりしていました。その経験から、大学に入学後も環境報告書の作成に携わろうと思っていたのです。

高校生の時には、学校のごみの排出量を量ったり、消費エネルギーをグラフにまとめたりしていました。その時から他の学生にも環境に関心を持ってもらいたいという思いで続けています。

企業への取材の様子

企業への取材の様子

 

ー 学生団体は学生が主体で活動するのが主流ですが、環境マネジメント推進室は学生と教職員が連携しています。連携することのメリットは、どんなところでしょうか?

(山中さん)学生目線で環境報告書を作るのが基本的な姿勢ではありますが、学生だけで活動するには限度があります。教職員の方に協力いただくと、データの深掘りや、取材対象の幅を広げることが可能です。

例えば教職員から大学の水道使用量やごみの排出量のデータを提供いただいたり、有識者に取り次いでいただいたりしています。

「環境パフォーマンスデータ」や「ECOアイデアコンテスト」を環境報告書で展開

同大学の教員への取材の様子

同大学の教員への取材の様子

 

ー 現在は2024年度の環境報告書を作成している最中だと思いますが、進捗はいかがですか?

(山中さん)報告書の内容を決めている途中です。昨年度に引き続き、大学の消費エネルギーやごみ排出量をまとめた「環境パフォーマンスデータ」を掲載予定です。

また新たな取り組みとして、環境省が主導する「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」の大学の取り組みについても掲載しようと考えています。「30by30」は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。

大阪公立大学附属植物園は、生物多様性のための30by30アライアンスに参画しており、国内外のさまざまな植物を生きた状態で収集保存しています。特に絶滅の危機に瀕する植物の育成に努め、社会的課題となっている絶滅危惧植物の保全活動を推進しているので、その様子について報告書で取り上げたいです。

〈参考〉
環境省 30by30|環境省ホームページ
大阪公立大学 「生物多様性のための30by30アライアンス」への参画について ~附属植物園での絶滅危惧植物の保全活動を通して貢献~

「ECOアイデアコンテスト」を主催した学生

「ECOアイデアコンテスト」を主催した学生

 

ー 2023年度の環境報告書で取り上げられた「ECOアイデアコンテスト」について教えていただけますか。

(山中さん)「ECOアイデアコンテスト」は大学の光熱費の高騰を解決すべく、環境マネジメント推進室の有志の学生が立ち上げました。自分たちだけでは知識の幅が狭くなってしまうため、多くの方のアイデアを募集することにしました。

応募総数は73件にものぼり、その中から最優秀賞に選ばれたのは「光熱費の見える化」です。最優秀賞の選考基準は「実行可能性の高さ」と「エネルギー消費削減効果」。「光熱費の見える化」のアイデアは、消費エネルギーをすぐに見える化することが大切というもので、実際に大学のSDGsのサイトでは直近の消費エネルギーが見られるようになっています。

「環境報告書を作成して終わりではなく、一人一人の環境への意識の向上につなげたい」

取材の様子

取材の様子

 

ー 環境マネジメント推進室に携わってみて、得られた学びや経験はありますか?

(山中さん)実際の消費エネルギーのデータを見て、グラフに書き起こし、考察を交えて記事にするということ自体が他では得られない経験です。また普段は関われないような有識者に取材し、考えや思いを聞けるのはとても勉強になっています。他の学生は、外部の環境系団体や企業、環境報告書を作成している他の団体などを取材しています。

ー 得た経験や学びを今後どのように活かしていきたいですか?

(山中さん)環境報告書は、作成して終わりだったら意味がないと思っています。たくさんの方に環境報告書を読んでいただき、一人一人の環境への意識を高めていくことが本来の目的です。大勢で取り組めば、大きな改善につながると思うので、尽力していきたいです。

また個人的には就活やその後の人生を通して、日本の環境を改善していきたい気持ちがあります。工学部都市学科に所属しヒートアイランド現象について研究しているので、環境マネジメント推進室での活動とあわせて、日本の環境問題の解決に貢献していきたいです。

ー 今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。

大阪公立大学環境マネジメント推進室についての詳細はこちら

  • 記事を書いたライター
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エシカルライター。南米エクアドルで女性の自立支援を行うNGOへ訪問し、現地の女性たちとの交流をきっかけにフェアトレードを仕事にすると決意。帰国後フェアトレード商品を扱うアパレル雑貨店で勤務し、店長を経験する。店舗でできることの限界を感じ、ライターに転身。「エシカル消費を広める。」をモットーに活動中。

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