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奨学金の利子はどう決まる?第一種・第二種の違いと2024年度以降の制度変化を解説

奨学金の利子はどれだけ必要?制度や返済に関しても解説!

大学や専門学校への進学費用を奨学金でまかなう学生は少なくありません。ただし奨学金の多くは「借りているお金」であり、助成金のように返さなくてよいものばかりではありません。とくに利子がつくタイプを選ぶ場合、卒業後の返還額がどこまで膨らむのかを入学前に把握しておかないと、社会人になってから家計を圧迫する原因になります。この記事では日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を中心に、利子の仕組みと2024年度以降に広がった制度の変化、そして返還が苦しくなったときの対処法まで、進学前後の判断に役立つ形で整理します。

JASSO奨学金の全体像|「貸与型」と「給付型」の違いを整理する

奨学金と一口に言っても制度は複数あり、代表的なものが独立行政法人・日本学生支援機構(JASSO)による奨学金です。JASSOの奨学金は大きく「貸与型」と「給付型」に分かれており、貸与型はさらに利子の有無で二種類に分かれます。まずはこの分類を押さえておくと、自分がどの制度を利用しているか、あるいは利用しようとしているかが整理しやすくなります。

貸与型奨学金|第一種と第二種

貸与型は卒業後に返還が必要な奨学金で、「第一種奨学金」と「第二種奨学金」があります。第一種は無利子で借りられる一方、家計基準に加えて学力基準が設けられており、申し込み時点での高等学校の全履修科目の評定平均値が一定水準以上であることなどが求められます。第二種は学力基準が緩やかで利用のハードルが低い分、在学中は無利子でも卒業後の返還には利子が発生し、上限は年3.0%と定められています。このほか、入学時にまとまった費用が必要な学生向けに「入学時特別増額貸与奨学金」という利子付きの制度も用意されています。

給付型奨学金|返済不要の制度

2020年4月に始まった給付型奨学金は、返還の必要がない制度です。住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯収入の基準を満たすことが条件で、学力については「学ぶ意欲」が重視され、貸与型の第一種ほど厳しい成績基準は設けられていません。授業料等減免と組み合わせて利用できる点も特徴で、家庭の経済状況によって進学をあきらめざるを得ない状況を減らすことを目的に設計されています。

教育費の負担は子どもの貧困や進学格差ともつながる社会課題です。家庭の経済状況が進学の選択肢に影響している現状については、あわせて読んでおくと制度の背景が理解しやすくなります。

第二種奨学金の利子はどう決まるのか|利率固定方式と利率見直し方式を比較

利子が発生する第二種奨学金では、利子の計算方法を「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2パターンから選ぶ仕組みになっています。申し込み時にどちらかを選択しますが、貸与が終了する年度の一定時期までであれば、もう一方への変更も可能です。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の返還計画に合った方式を選ぶことが将来の負担を左右します。

利率固定方式

貸与終了時点の利率が返還完了まで変わらない方式です。将来的に市場金利が上昇しても返還利率は固定されたままなので、返還額を早い段階から見通しやすいという利点があります。反対に、貸与終了時点でたまたま利率が高めだった場合は、その水準がそのまま続く点に留意が必要です。

利率見直し方式

概ね5年ごとに利率が見直され、市場金利の変動に応じて奨学金の利子も変わる方式です。低金利が続く局面では固定方式より有利になりやすい一方、将来の金利上昇局面では返還額が増える可能性があります。JASSOの奨学金は上限が年3.0%と定められているため青天井に増える心配はありませんが、長期的な返還計画を立てる際には金利変動のリスクをどの程度許容できるかを基準に選ぶとよいでしょう。

いずれの方式でも、実際の利率は貸与終了年度によって変わります。借りる前には必ずJASSO公式サイトで最新の利率と、貸与・返還シミュレーションを確認し、自分の借入予定額でどの程度の返還額になるかを具体的な数字で把握しておくことをおすすめします。目安の金額であっても、進学前に把握しておくことで返還開始後の家計イメージが大きく変わります。

2024年度以降に広がった給付型奨学金|多子世帯・中間所得層への対象拡大

高等教育の修学支援新制度は、2024年度から対象範囲が広がったとされています。具体的には、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯や、私立の理工農系学部に進学する学生について、これまでよりも所得の高い中間層の世帯まで支援対象に含める見直しが行われたと公表されています。さらに2025年度からは、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯について所得制限そのものを撤廃する方針が示されました。少子化対策と教育費負担の軽減を結びつける政策として位置づけられており、これまで「世帯収入がわずかに基準を超えて対象外になった」というケースにも門戸が広がった形です。

ただし対象拡大には要件の細部があり、年度によって基準額や適用範囲が変更される可能性があります。自分の世帯がどの区分に該当するかは、進学前にJASSOおよび文部科学省の公式情報で必ず確認してください。制度は毎年のように更新されるため、兄や姉の代の情報をそのまま鵜呑みにしないことも大切です。

奨学金と国の教育ローンを比較する|借りる前に確認したい金利差

大学進学の資金を工面する手段は奨学金だけではありません。日本政策金融公庫が扱う「国の教育ローン」や、各金融機関が提供する銀行教育ローンも選択肢になります。国の教育ローンは固定金利型で、最長15年から18年程度の返済期間が設けられているのが一般的です。銀行教育ローンは金融機関ごとに金利や条件が異なり、審査のスピードや使い道の自由度に違いがあります。

JASSOの奨学金は、第一種であれば無利子、第二種であっても上限年3.0%という設計であるのに対し、教育ローンは制度によって金利水準が異なります。一般に、無利子または低金利で借りられる奨学金の方が総返還額を抑えやすい傾向にありますが、教育ローンは保護者名義で借りて在学中に返済を始められるなど、返還のタイミングを分散できる利点もあります。どちらか一方に絞るのではなく、入学金や初年度納付金は教育ローンで、在学中の学費や生活費は奨学金でといった組み合わせ方をしている家庭も少なくありません。

目安として、仮に借入総額300万円を20年で返済すると仮定した場合、無利子であれば毎月の返還額は元金の均等割りのみで済みますが、年3.0%の利子がつくと総返還額は借入額の1.3倍前後に膨らむ試算になります。実際の返還額は貸与時期や返還期間、方式によって変わるため、必ずJASSOの貸与・返還シミュレーションで自分の条件に当てはめた数字を確認してください。これはあくまで仕組みを理解するための概算であり、正式な返還額ではない点にご注意ください。

返還が苦しくなったときに使える救済制度

奨学金は長期にわたって返還を続ける制度のため、就職後の収入が思うように伸びなかったり、病気や失業といった事情が重なったりすることもあります。JASSOにはそうした場合に備えたいくつかの救済制度が用意されており、延滞してしまう前に相談することが何より重要です。

減額返還制度

経済的な理由で毎月の返還が難しい場合に、月々の返還額を減らし、その分返還期間を延ばすことで対応する制度です。総返還額自体が減るわけではありませんが、当面の家計負担を軽くできます。

返還期限猶予制度

災害や傷病、失業などやむを得ない事情がある場合に、一定期間返還を待ってもらえる制度です。猶予が認められている間は延滞金が発生しない点も、返還者にとって大きな安心材料になります。

所得連動返還方式

第一種奨学金の一部で選択できる方式で、前年の所得に応じて毎月の返還額が変動します。収入が少ない時期は返還額を抑えられるため、卒業直後で収入が不安定な時期の負担を和らげやすい仕組みです。

これらの制度は自動的に適用されるものではなく、本人からの申請が必要です。返還が難しいと感じた時点で放置せず、早めにJASSOへ相談することが延滞や信用情報への影響を避ける最善の方法です。家計全体の見直しとあわせて、生活困窮に関する公的な相談窓口の情報も知っておくと、いざというときの選択肢が広がります。

JASSO以外の選択肢|大学独自の奨学金と新聞奨学金

JASSOは公的な奨学金を提供する機関であり、無利子または低金利、加えて返還不要の給付型まで用意されている点で、まず検討したい選択肢です。ただし奨学金はJASSOだけではありません。大学や短期大学、専門学校が独自に設ける奨学金や、新聞奨学生と呼ばれる制度も存在し、家庭の状況や本人の希望によって組み合わせる価値があります。

大学独自の奨学金

多くの大学や専門学校が、成績優秀者やスポーツ実績のある学生向けに独自の奨学金制度を設けています。返済不要の給付型が中心で、いわゆる「特待生」制度として運用されているケースも多く見られます。対象条件や支給内容は学校によって大きく異なるため、志望校の募集要項や在学生向けの案内を早めに確認しておくとよいでしょう。

新聞奨学金

新聞社の系列販売店に住み込みで働きながら学ぶ制度です。給与を得られるうえ住居費や食費を抑えられるため、家庭の経済的な負担を軽くしやすい一方、早朝からの配達業務と学業の両立には相応の体力と時間管理が求められます。両立が難しくなり、途中で断念してしまうケースも報告されているため、生活リズムや通学時間との兼ね合いを事前によく検討してから利用を判断することが大切です。

進学にかかるお金の悩みは、卒業後の暮らし方や消費の選択にもつながっていきます。学生のうちから家計管理や無理のない支出の工夫を身につけておくことは、社会人になってからの生活の土台にもなります。

まとめ|利子の仕組みを知ってから借りる奨学金を選ぶ

奨学金は学ぶ機会をあきらめずに済むための大切な制度ですが、貸与型を利用する場合は「借りたお金である」という前提を忘れずに、利子を含めた返還額をあらかじめ把握しておくことが欠かせません。無利子の第一種、上限年3.0%の第二種、そして返還不要の給付型と、制度は年々見直されており、2024年度以降は多子世帯や中間所得層への支援も広がっています。自分や家庭がどの制度に当てはまるのかを早めに確認し、必要であれば教育ローンとの組み合わせや、大学独自の奨学金も含めて検討してみてください。

  • 第一種は無利子、第二種は上限年3.0%の利子がつく
  • 利率固定方式と利率見直し方式は貸与終了年度の一定時期まで変更できる
  • 2024年度以降、給付型奨学金は多子世帯・中間所得層へ対象が広がっている
  • 返還が難しいときは減額返還・猶予・所得連動返還などの制度を早めに相談する

本記事はMIRASUS編集チームが公的資料・企業公式情報をもとに作成しています。制度の詳細や最新の利率は、必ず日本学生支援機構および文部科学省の公式情報でご確認ください。

参考文献

  • 日本学生支援機構「奨学金」(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/index.html)
  • 日本学生支援機構「給付奨学金(返済不要)」(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/index.html)
  • 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」(https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm)
  • 日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kyouiku_a.html)
  • 記事を書いたライター
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